2018/10/26 のログ
ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」に影時さんが現れました。
影時 > ――今日も今日とて、遺跡に潜る。

何か出る時があればそれで良し。寧ろ、何も出ないことの方が殆どでもある。
遺跡潜りの心得とはそういうものだ。
何時だって何か、連続して成果が出る方が吉兆どころか凶兆であるという始末だ。

「……目立った足跡の類は、見当たらぬか。こいつはァ奥か?」

寧ろ、今の目玉は寧ろ魔導機兵というべきだろう。
遺跡やら周辺を跋扈する巨大なヒトガタだ。素人の冒険者となれば、討伐出来ずに避けてうろつこうという始末だろう。
それほどのものだ。討ち取る心得を持っていたとしても軽く見ることは出来ない。
巨大であることはそれだけでも脅威である。高ければ、より遠くまで人よりも見通すことができる。

階層としては地表に近くなく、深く。
携行した灯しか光も入らぬほどの闇を見通し、広がった石畳の通路の片隅でしゃがみこんでは足跡の有無を探る。
そもそも歩いていないのか、宙を浮いていどうしているのでなければ話は別だろう。
しかし、そうでなくとも少しは何がしかの痕跡はあるのではないか。そう思いつつ、立ち上がろう。

ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」にコスモさんが現れました。
コスモ > この国に訪れてから数日が経過してある日。遺跡に現れるという機兵の噂を聞いた。魔法ではなく、さりとて鍛冶の技術だけでは生み出せないというそれは、好奇心を疼かせるに絶好な相手。
取り合えず、今夜は軽く覗いてみましょうかと、いつものワンピースにプラスして、防寒用のズボンとローブに三角帽子という、いかにも魔女という恰好で内部を探索する。
夜の闇よりも深い暗闇、足音を隠すでもなく進みながら、その手元に明かりの類は無く。

「…あら?」

だからこそ、小さなものとはいえ、人工の明かりはとても目立って見えた。自分と同じ探索者か、あるいは敵か…見極めるには未だ遠い位置。一定だった足音が早まる音がそちらにも聞こえるだろう

影時 > とりあえず――奥だろうか。
跋扈するものが此処に居ないとなれば、帰還できる余裕とルートを確認しながら進むが吉だろう。
此の手の案件で余裕を担保しておくというのは、とても大事だ。
持ち帰れぬ程の大荷物が出るというのも中々ないが、欲を掻いて帰ることもできなくなったという事例は幾らでもあるだろう。

進む。
立ち止まる。
進んで、止まり、周囲の地勢と体感の方角、それを確認し、或いは忘れぬように携えたメモに描き付ける。
光源は腰に携えた小さなカンテラのみ。闇夜に慣れた眼であれば、見透かすにはそれで足りる。――と。

「……ンー?」

ふと、不意に物音が聞こえる。
周囲の地勢を確かめながら、今までの進路を思い描こう。
現在己が居るのは天井の高く、道幅のある回廊である。
部屋割りの如く区切られた複数の横穴というのは、何がしかの目的のためのものだろう。故に、何か潜んでいるという可能性は否めない。
反響する足音の具合から、そう遠くはないだろう。そう見立てながら、ポケットを漁ろう。

「おぅと、悪ィね。……どこのどちらさんだ? ン?」

指先が当たり、触れるのは道中拾っておいた適当な小石である。それを掴みだして、自分の進行方向の逆――詰まり、来た方にひょいと投じよう。
自分の進路と同じ方向に投げなければ、向こうに当たることはないだろう。
だが、物音とは少なからず静寂に浸る場所であれば、何よりも強く響くだろう。そして放つ声も。

コスモ > かつん、と小さくも響く音を立てて小石が転がる。同時に聞こえる声は、問いかけというよりも警告に近いだろうか。返事如何によっては戦闘となるだろう事も予測出来る…遺跡の守護者が徘徊している時期にわざわざ潜るのだからその反応も当然だろう。
悪戯心が沸き上がるも、流石に今は洒落にならないかと思い直して

「私はコスモ。面白い噂を聞いてここに来たのだけれど」

そちらはどなた?と楽し気に問い返す声は笑み交じり。歩調は緩めたものの、止めてはいないからそろそろ彼の視界にも入るだろうか?

影時 > そう、そうだ。自分以外のものが敵となれば、こういうことはしない。
すぐさま音もなく殺すか、あるいは意識を狩った上で縛って物陰にでも転がしただろう。
ガラの悪い冒険者となればより一層の頭の悪い行動にでもやって余分な諍いなどを起こし、自滅したことであろう。
ここは町中ではなく、死地の只中であることを忘れてはいけない。

故に、己がやったことは警告の意が強い。裏の意味がもう一つあるが――今は敢えて言うまい。

「……ほぉ。女か。俺は――影時とでも名乗って置こうか」

向こうにも程なく見えて来るだろう。
どうやら、この場の天井は時折、思い出したように僅かながら光が入る。
天井がそういう素材なのか、魔法仕掛けなのかはわからない。天井自体がぼぅ、と。まるで蛍の如く微かに、ほんのわずか光るのだ。
ヒカリゴケめいた微光の下に立つ姿が見えるだろうか。
フード付きの黒いマントを被った、男と思しい人影が。その相手の口元がふと、別に微かに拾う音に苦笑を刻む。

「ははァ、こいつは、運が良いのか悪いのか。……面白ェ奴ってのは、アレのことか?」

――瞬間、轟音が響く。この回廊の奥の方、横穴の一つが爆裂したかの如く爆ぜる。
ぱらぱらと粉塵と瓦礫を散らせつつ、中から這い出て来るのは背丈およそ5M程もあろうかというヒトのカタチをしたものだ。

曰く、それは白銀の騎士の如き巨人の姿を取るという。
その話に違いはない。高い天井の下、背中に複雑な模様を描いた光背、そして頭上に高速回転する光輪と形容するものを現出させる。
起動態勢が整ったことを、最後に円筒形のバケツの如き頭部に刻まれた十字模様に光を強く、灯したことで主張する。
のっそりとした風情で出てくるものが、自分達の姿を見た――という素振りのあとに、赤く頭部の模様を光らせる。敵を見た、とばかりに。

コスモ > ここが街の中で、かつ相手が知り合いであれば驚かすくらいはしただろう。だが、これでも時と場所、そして相手を選ぶくらいの事はする。お陰でもめ事を一つ避けることが出来たようで。

「影時…響きからしてこの辺の人じゃないわね。あなたも旅をしてきたの?」

明かりの類は持っていないが、それでも相手の姿ははっきりと見える。光源を持ち歩くよりはと、暗視の魔法を自身の瞳にかけてきたせいだ。とはいえ、色までは解りにくいので僅かに差し込む光がその色彩を露わにするだろう。どうやら今宵の服装、双方黒ずくめのようだけれど。
「――――あらラッキーね。女を待たせないのはイイ男の条件だわ?」

楽し気に笑うように告げる言葉。目当ての巨人を見上げながらもその仔細を観察、記憶に留める。赤い光はどんな意味があるのかわからないが、少なくとも歓迎してはいない気配を察知して、トン。とブーツの踵を鳴らす。

「ところで貴方、腕に自信はあるかしら」
即席も良い所、たった今出会ったばかりの相手へ投げかける質問…いや、共闘の誘い。受けるかどうかは、彼次第。

影時 > 「さァて、どうかね。――と、韜晦しても詰まらンな。そんなところよ」

包み隠すには、由縁としては薄い。言葉を返しつつ、ひょいと肩を竦めよう。
黒外套の下に隠れた装いは兎も角として、告げた名前と言葉の抑揚はよく考えなくとも、この地の人間のそれではない。
まして、闇に溶け込みやすい装いと同じように気配が薄い姿となれば、尚の事徒者ではないことだろうか。
闇夜を友とし、慣れ親しんだ忍ぶものの噂でも訊いたこともあれば、少なくとも正体も知れようが――さて。

「運が良かったなあ。近くに居てくれて、手間が省けた。
 路銀ついでに宝も欲しいが、どちらかと言えば俺はアレに用があってなァ。」

問題の巨躯の方に振り向きつつ、緊張も何もなく落ち着き払った言葉を返す。
中々今回の獲物は大きい。斃せたところで、残骸等を外に出すのには手間だろう。だが、叩き壊すのであれば困るまい。
臨戦態勢に入ったと思しい機兵が、右手を前に突き出せば淡く光る深紅の槍を其の手に現出させて構える。
刃に刻まれた古代の秘文字らしい模様が強く、光る。来るか。地を踏みしめ、足元を踏み砕きながら迫る姿を捉えて、嗤う。

「こんな所に独りで潜る程度には、な!」

己もまた、地を蹴る。先手を打つのは相手の方。槍から深紅の光の刃を伸ばしつつ、自分達がいる辺りを左から右へと薙ぎ払いに掛かる。
それを深く背を曲げ、足腰だけで足元を踏み蹴りながら躱して前に進む。その名の如く、影が馳せる。
その影の右手が外套に隠れた鞘に収まった太刀を抜き払い、敵の左足の外側を深く切り裂いて背後へと走り抜けよう。