2018/08/30 のログ
ご案内:「無名遺跡」にギィギさんが現れました。
ギィギ > 無名遺跡に存在する迷宮の一つ、通称「白鏡の迷宮」

其処は迷い込んだものを永劫に閉じ込めようとする悪意しか感じない危険な迷宮で一度踏み込めば5分としない内にその悪意を感じ取る事が出来るし、視認することが出来る。

――それは一面の鏡張りの迷宮。
入り口を這入りこんで暫くは良くある洞窟に近しい迷宮なのだが、歩いて暫くすると急にそれが途切れ、見えてくるのは魔法の明かりが眩い白色に輝き一面を照らす不思議な通路に迷い込んでしまう。

其処で引き返せばまだ良い。
未知なる世界への冒険心かまだ見ぬ宝への欲望か、床も天井も壁も鏡で出来た通路を進んでいくと、今度は複雑に入り組んだ通路になり、それこそ文字通り迷宮となっているだろう。

一度通路を進んでしまえばその異質さに怯え、引き返そうとしても手遅れである。

何故ならば通路から先へ踏み込んでしまった瞬間に鏡の迷宮に捕らわれてしまったのだから、だが飽く迄も鏡である、割るなり何かで塗りつぶし印を残しながらであれば若しかしたら進むも戻るも自在かもしれない。

だが今宵はそれすらも許されない、かも知れない。
壁も天井も床すらも見るものを移す鏡となっている迷宮にスライムの亜種が迷い込み巣食ってしまっている。

どの鏡にも薄らとコーティングするように張り付いて、毀そうとしても衝撃を受け止め、何か描こうとしてもそれを飲み込んで消してしまう。

それ以上に恐ろしいのは鏡に触れる行為が引き金に彼らは活性化することである。

迷い込んで哀れな冒険者を苗床にする為にその肉を喰らう為に鏡の迷宮に広がっているスライムの亜種であるギィギは直ぐにも冒険者の下へ群れ集い、その身を貪ろうと襲い掛かる。

白い輝きに照らされた鏡で出来た迷宮。
其処に迷い込んでしまう哀れな犠牲者を待ち侘びてスライムは只管に息を潜める。