2018/07/30 のログ
■タマモ > 「………いっそ、妾が何か仕掛けてしまおうか?」
ぽつりと、そんな事を呟いたのは、もう少し進んでからの事である。
あれだ、何も無い通路はこんなにもつまらない、何かあった方が面白そうだ、そんな軽い考えである。
そんな事を考えていたところで、再び新たな扉を発見する。
躊躇無く少女はそれを開け放ち、中を確認しているが…やっぱり、お宝っぽいものは何も無かった。
と、先程までは閉じもしなかった扉を、ぱたん、と閉じる。
そこに手を触れ、目を閉じ、意識を集中させ始めた。
…少しの間、目を開くと集中を解いて手を離す。
「これで良い、まぁ、誰が入るかも分からんが…楽しみにしていよう」
大した事はしていない。
入った途端に、一度扉は閉まり、開かなくなる。
その部屋の中には、それを合図に性欲を掻き立てる力で満たさせるも、それはすぐに消えて無くなるだろう。
それが終われば、扉も開くようになって終わり、である。
どこかの話で聞いた、罠の一つの再現であった。
うむ、と満足気に一つ頷けば、そこを後にして歩みを再開する。
■タマモ > 「さて…こうなると、ここもこうした方が面白そうじゃろうか…?
まず、あそこに入って…仕掛けに掛かって…扉を開き出て…
………ふむ、この辺りか?」
くるりと一度振り返り、仕掛けを施した扉を見遣る。
こう、指を差したり、振ったりして、その扉を開いた先に入る、哀れな犠牲者の行動を予想する。
すっと片手を差し出すと、ぴしり、と扉の前の床が気付き難い程度に罅割れた。
そのまま、差し出した手を、何やら調整をするように動かす。
罅割れた地面が、更に音を立て…普通には感じられぬ程度に、その角度を僅かに変える。
慌てて飛び出し、その勢いでこの床を踏めば、それが割れて己の今居る方向に倒れ込むように。
「………で、ここを、こうして…こうじゃろう」
更に手を動かし、倒れ込むと予想する先の床に力を注ぐ。
倒れ込んだ事を引き金にし、その床が摩擦力を失ったかのように滑り出してしまうようにする。
そうした力を注ぎながら、更に先へと少女は移動し…
「で、ここに到着、と言った感じかのぅ?」
先にあった、また違う扉の前に立ち、それに触れる。
床を滑る事を条件に、その扉が勝手に開き、中へとご招待…な感じにして。
とりあえず、その扉を普通に開き、中へと入る。
ぐるりと見渡してみるも…うん、例によって、何もない。
だが、とりあえず、トラップコンボの出来上がりである。
■タマモ > 「よしと…うむ、これで完成じゃ」
今居る最後の部屋、その中央。
開いた扉によって丁度放り込まれる場所、そこへと陣を描く。
ここにまで辿り着いたならば、この陣によって、己の元へと転移される…で、最後の罠まで終わりである。
それは、少女がどんな場所にいても、どんな状況であっても、問答無用の転移だ。
ここまで来る事の出来た犠牲者は、そのまま、美味しく頂かれる…上手くいけば、だが、そんな筋書きだ。
「………」
改めて、それを見遣り…考え込む仕草。
正直、本当にこれに引っ掛かる相手なんて、居ないんじゃないか?
そんな考えが、少女の頭に浮かんでいた。
まぁ…うん、あれだ、遠足は準備を終えるまでが楽しい、と言うあれである。
…ちょっと違うかもしれない。
ともあれ、これで良い、そのまま放置をするかのように、少女は部屋を後に、更なる先へと向かって行こうと。
ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。