2018/05/28 のログ
ご案内:「無名遺跡」にレアナ・サランサさんが現れました。
レアナ・サランサ > (前は一攫千金を狙ってきた無名遺跡に、自分の体をどうにかして元に戻す手がかりがないかを探し求めて再び訪問中。
記憶を頼りに、レイピアを片手にかつて自分が犯された祭壇を探して歩いている)

「確か、こっちだったと思うのですけれど…違っていたら目も当てられませんわね。
弱気なのはいけませんわ、とにかくあの祭壇で手がかりを見つけないと…」

(無意識に腹部をさすり、妊娠すれば異常な速さで出産までしてしまうこの身体。
なんとかして元の身体にもどさなくてはと、遺跡の奥を目指して進み続けていく)

レアナ・サランサ > 「子供達も待っているでしょうし、出来れば早く見つけて調べて帰りたいですわね…見ても分かるものではないでしょうけれど」

(祭壇に祀られていたのは名も知られていない豊穣神だと、憎い男は言っていた。
そんな過去の神の記録を見つけ出す、ということは困難なことだと分かっていて、手掛かりの祭壇はトラウマの場所ではあるのだけれど、それでもどうにか手がかり程度は掴みたくて祭壇を探し歩いている)

ご案内:「無名遺跡」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「ん~? こっちは、行き止まり……。
 ここに隠し通路あり、と」

無名遺跡。一人の男がぶつぶつと独り言を口にしながら、メモを片手に歩いていた。
立ち止まっては道を記し、メモを取ってまた進む。
本日のお仕事。無名遺跡の未探索エリアのマッピング。
記した地図を冒険者ギルドに納品することで、新人冒険者の犠牲を減らす大事なお仕事。
とはいえ、お宝は取っちゃダメなので実入りはそれなりだったり。

「……ん? ……おい、嬢ちゃん! この辺りは未探索エリアだ。
 一人でうろつくにはちっと危険すぎるぞ!」

複雑に絡む通路をマッピングしていれば、人の姿を見つけ。
男はその女性に声をかける。未探索エリア、と言っていても。
それはあくまでもギルドが共通マップを所持していないというだけ。
通ったことがある人間も当然居るので、相手がその手合いかもしれないのだが。

レアナ・サランサ > 「っ!?」

(突如として聞こえた男の声に思わずそちらへとレイピアを突きつけるような形で向けてしまい、そしてその姿を視認してじっと見つめてしまう)

「…御忠告痛み入るわ。
でもそういう貴方こそ、そんな恰好で遺跡に来て…大丈夫なの?」

(執事が着るようなコート姿、そんな恰好で遺跡に来ることの方がよほど危険だと言うのに。
そんな相手に警戒してレイピアを構えたまま、じりじりと距離を取るように後ずさる)

セイン=ディバン > 「お、いい反応速度」

声をかけた相手がレイピアを構えるのを見て、男はそんな間の抜けたことを口にする。
相手が戦闘態勢なのを無視しつつ、男は周りの通路のマッピングを勧めていく。

「心配してくれてありがとよ。でもこう見えてもこの服。
 防刃防弾防火炎防氷結防雷撃の特別製でね。
 ……俺ぁセイン=ディバン。エデン所属の冒険者だ。
 今は仕事中でこのエリアのマッピング中。
 キミは何でこんなところに? お嬢ちゃん」

相手が後ずさるのを無視したまま、男は壁などに軽く触れ、罠や隠し通路の確認をする。
自己紹介をしながらも、あくまでも相手をお嬢ちゃん呼ばわりであった。

レアナ・サランサ > 「それはまた随分と高性能なんですのね。
そう、冒険者ですの…私は……とあるものを探しているところですわ」

(男、と密閉ではないけれど閉鎖されたような状況で二人きりでいる、そのことに否が応でも警戒心は高い状態を維持し、レイピアを向けたまま、少しためらいがちながらも目的を話す)

「…マッピングをしている、ということは…心苦しいのですけれど教えて頂きたいことがありますわ。
祭壇、を見かけませんでした?こう、余り知られていないような紋章の描かれた祭壇、なのですけれど…それと、私はレアナと申します……」

(マッピングをしているなら、もしかしたら場所を知っているかもしれないと聞いてみて。
質問する以上は名前を名乗らないのは失礼と、貴族時代の名残で悩みながらも名乗ってしまう)

セイン=ディバン > 「すっげぇ高かったけどね。なにせオーダーメイドだから。
 まぁこの遺跡に居るって事は冒険者だろうとは思ったけどさ」

周りのマッピングを終え、男は一度メモを懐にしまいながら相手を見る。
この状態で未だにレイピアを構えたまま。警戒を緩めないのはいいが、まだまだ発展途上か、と息を吐く。

「いや、すまないが見ていない。とはいえ、今俺はこっちから来た。
 後はこっち側のマッピングをするんだが。良かったら着いてくるか?
 罠解除とかは得意だし、レアナちゃん一人よりは安全だと思うぞ?」

自分が来た道を指差しながら言い、ついぃ、と反対の通路を指差す男。
もしもこの近辺にその祭壇があるなら、残された道はこちらしかない、と示しながら。
男は、相手の名前を頭に刻み込む。恐らくまだまだ駆け出しなのであろう相手を一人にするのは、危険な気がした。

レアナ・サランサ > 「そうですの、随分と大成されたということですかしら?
それなのにマッピングなんて、余り割の良いお仕事とも思えないことをされてますのね…?」

(そんな高級品を持っているなら相応に成功した腕利きの冒険者なのだろうと推測し、それがただのマッピングをしていると聞くと随分合わない仕事をしてると不審に見て)

「そうですの、見ていらっしゃいませんか…私のことを心配して頂けるのはありがたいですけれど、お気持ちだけ頂きますわ。
この辺りではないか、というだけで違う方向化も知れませんので…貴方が来たと言うならそちらは安全な道でしょうし、通らせて頂きますわ」

(こちらを心配してくれてはいるのだろう、けれど優しくして見せておいて…という可能性も拭いきれない。
まだこちらへと危害を加える様子のないうちに、当たり障りのない態度で退散した方が身のためと、寧ろ彼が来たと言う方向に歩きだそうとする)

セイン=ディバン > 「ま、経験年数は長いからな。こう見えて結構稼いでる。
 この遺跡、お宝が多い分罠も多くてな。毎年新人が腐るほど死んでる。
 ギルドとしちゃ、地図を売って金稼ぎできて死者も減らせるなら美味しい話、ってことでね」

ギルドから直接貰ったお仕事だから、割りは悪くない、と言いつつ。
男は声を殺して「その代わりお宝に手を出しちゃだめなんだ」と苦笑する。

「あー、ちょい待ちって。キミみたいなペーペーが単独行動なんて、モンスターか罠か悪人に襲ってくれって言ってる様なもんだっつーの。
 俺が信用できないなら、俺が先導する。キミは距離とって着いてくればいいさ。これでどうだい?
 俺が怪しいそぶりをしたなら、後ろからぶっ倒せばいいだろ?」

いくら自分が通った道とはいえ、罠を解除してきているわけでもない。
道の罠は発動しないように通り抜けてきたので、残ったままなのだ。
相手に、譲歩案と言うか、次善策を提示しながら笑う男。
無論、相手が拒むのなら無理強いするつもりも無いのだが。

レアナ・サランサ > 「…耳が痛いですわね…」

(お宝が多い、罠も多い、新人が死んでる、全てがかつての…というほど時間は経過していないのだけど、自分と綺麗に重なり、その結果、取り返しのつかないことになって…命があるだけましなのかそうでないのかという状況になってしまっている訳なもので)

「…宝物に手を出してはいけないなんて、随分とお人よしな方にしか出せない依頼ですわね。
ぺ、ぺーぺー!?…否定できないのが辛いところですわね。
…そこまで言われてそのようなことをするほど、恥知らずではありませんわ。
ですけれど、もし本当に妖しいそぶりを見せたら挿しますわよ?」

(途中にある宝物に手を出してはいけない、と契約にあるとはいえ、人間とは誘惑に弱いもの。
それでも依頼を受けて、受けることが出来ているということはギルドからある程度は信頼されているということなのでしょうと、信じることにして。
それでもどうしても拭いきれない男性、というもの全てへの不信感から、挿す、とレイピアを突き出して)

セイン=ディバン > 「そこで自己を省みれるってのは大事な素養だ」

耳が痛い、と言う相手に男はにやりと笑う。多くの冒険者は自己の実力を過大評価した挙句命を落とす。
そういう意味では、目の前の少女はなかなか見所があると言える。

「その分次の仕事を優先で回して貰うようにしてるんでね。
 ……レアナちゃん、なかなか面白いな。駆け出しだのなんだのと素直に受け入れられる新人はそうそう居ないぜ?
 ははは、いいぜ。怪しい動きをしたら思う存分やってくれ。
 それと、アドバイスだ。レイピアやサーベルを使うなら、相手とはもう少し、キミの体格なら5歩くらいかな。離れて構えな。
 その距離じゃ、キミが刺突する前に相手に踏み込まれるからな」

相手の言葉を聞きながら、男は苦笑しつつ相手の横を抜け、先へと進む。メモを片手に、道を確認しつつ。
いっそのんびりとした様子で歩きながら男は、相手を見ずに言う。

「その祭壇のある部屋、広さはどれくらいだい?
 それが分かると、おおよそ部屋の位置が割り出せそうなんだけど」

男もこの遺跡には昔から良く来ている。ある程度の地図は頭に入っているから、そういった情報があれば部屋の場所が予想できるんだが、と尋ねつつ。視線は前にしか向いていない。

レアナ・サランサ > 「嫌という程、分かることになりましたもの。
そう、信用があるというのは羨ましいことですわね…本当に羨ましいですわ、お仕事を斡旋して貰えるなんて。
…実際に自分が世間知らずで駆け出しなのは存じておりますから、今の自分がそれを否定できないというのは自分で一番良く分かってますわ」

(新人、駆け出し、だからあんな目に遭ったと、顔をしかめながら無意識に腹部を撫でてしまう。
そしてアドバイス、と言われ距離を取る様に促されると静かに5歩分、相手から距離をとって)

「広さは…そこまで広くありませんでしたわね、宿屋の食堂くらいですかしら…それから割と奥の突き当りで…ええと、それから…」

(思いつく限りの特徴を羅列していき、相手が遺跡に良く来ているというなら、そこはすで人為的に落盤が発生させられてもう入りこむことは絶望的だと気づく場所になる)

セイン=ディバン > 「……さよけ。すまないな。知った風な口を利いて。
 いや、信用は無ぇよ、俺。ギルド間の評価は『いいとこ中堅のロートル冒険者』だもん。
 ははははは、俺も最初はそうだったさ。そういう謙虚な姿勢は成長の為には必要だな」

相手の言葉に、男はわずかにトーンを落とす。若くして冒険者になる少女。まぁ事情は様々だろうと思う。
後ろで、相手が5歩離れたのを気配だけで察しつつ、自身の評価は決して高くないと語っていれば。

「……ん、ん、ん。それ……。
 あー、レアナちゃん。残念なお知らせだ。
 その部屋、多分しばらくは入れない」

相手から聞いた部屋の特徴により、男は一つの結論にたどり着く。
歩むのをやめ、懐から遺跡の地図(自作)を取り出し、相手へと差し出す。

「その地図見てみ。赤く丸付いてて、道が途切れてる場所があるっしょ?
 そこ、数日前に落盤があってね……迂回路か、隠し通路か。
 そういった物がないと、多分たどり着けない。それか、長い時間かけて落盤をどかすか、だな」

非常に言いにくそうに、男は告げる。一度通路に座り込んだ男は、転送呪文で家から水筒を召喚し、喉を潤していく。
さて、この相手はこの事実を聞いてどんな反応を返すだろうか?

レアナ・サランサ > 「いえ、こちらこそ申し訳ありませんでしたわ。
気遣って下さっているのに、嫌な言い方になってしまいました。
信用があるからこその、この仕事ではないのですかしら…?
成長…出来れば良いのですけれど…」

(相手の謝罪にこちらこそと謝罪を返し、信用はないと言う言葉に不思議そうに首を傾げる。
そして成長の為、と言われると…自分はここから成長出来るのでしょうか、とため息を零す)

「えっ…?ええっ!?入れない…ですの?ほんの数日前は通れましたのに…落盤ですか…それは仕方ないですわね…。
それに、その場所は入れない方が本当はいいですし、ええ、また犠牲者が出てもいけませんものね…でも、どうしましょうかしら…どうしたらいいですかしらね…」

(言いづらそうな相手にそれが嘘ではないのでしょうと、がくっと虚脱したように崩れ落ちて。
自分と同じ目に遭う者が出なくなったのは良い事だけれど、自分の身体を元に戻す方法の手掛かりが消えたことにどうすればいいのかと眩暈に似た感覚を覚えて、膝を抱えて座り込んでしまう)

セイン=ディバン > 「いや、俺の配慮が足らなかった。すまねぇ。
 ハハハ、レアナちゃんは真面目だなぁ。どこの馬の骨かも分からん相手に謝るとか。
 さぁて、ねぇ。宝箱の中身が良い物ばかりである、とは思わないほうがいいな。
 できるさ。レアナちゃんのレイピアの構え方は綺麗だったからな。
 あとは変に癖をつけないように心がけな」

謝罪に謝罪が返ってきたから再度謝罪する男。
少しずつだが、相手の警戒も解けてきてるかな、と思いつつ。
相手の言葉に対して、男はその構え方を褒める。

「……なぁレアナちゃん。ここ数日、地震なんかなかったよな?
 だとすりゃ……もしかすると、誰かがその祭壇への道を故意に封鎖した可能性もあるな」

ほんの数日前には通れた。相手の言葉に、男はそう推理してみせる。
だとすれば、誰が、なぜ? という所までは不明なままだが。

「入れないほうがいい? 探してたのに? それに犠牲者……?
 なぁレアナちゃん。詳しく、話せる範囲でいいから話してくれないか?
 もしかしたら手助けできるかもしれない」

続いての相手の言葉に、男は相手にそう尋ねる。座り込んでしまった相手に、転送呪文で呼び出した水(瓶入り、未開封)と、サンドイッチ(未開封)を差し出しながら。
何か力になれるかも、と。相手へと語りかける。

レアナ・サランサ > 「いえ、先輩冒険者で先達の方にこちらこそ…自分が悪いと思ったときにはきちんと謝罪するべし、と教えられましたので。
謝罪出来ない人間にろくなのはいないとも。
確かに良いものが出てくるとも限りませんしね…ありがとうございますわ。
所詮は小娘の児戯程度ですけれど…そう言って頂けるなら嬉しいですわ」

(謝罪合戦になりそうな感じがして、これ以上はもう終わりと言うように謝る理由を話して。
相手の冒険者としての知識に確かにそうですわねと頷いて。
レイピアの構え方と言われ、昔に護身術程度に習ったものでしかないそれを褒められると少しだけ嬉しげに)

「…故意に…ですの?そうなると…私に思い当たる人物は一人しかいませんわね…そう、そういう…ことですの。
…その祭壇は生贄を捧げて儀式を行う祭壇で、私はその犠牲になりましたの。
詳細は余り話したくないですわ…ただ、もうその祭壇がつかえないならそれは良い事ですから…後は私が気を付ければいいことですし…お気遣い頂いてありがとうございます…」

(差し出された瓶とサンドイッチを受け取り、横に置いて。
憎い男がおそらく、あの惨劇を見て恐れをなして塞いだに違いないと…どこか澱んだ暗い目をして)

セイン=ディバン > 「あ、やっぱりか。教えられた、ってことはレアナちゃん良いトコ出の人間だろ~。
 ガラクタが入ってるくらいならまだマシ。罠かミミックか、なんてなったら最悪。ミミックって真正面から戦うとメチャ強いんだぜ。
 そうさな。レアナちゃんの構えは素直だから、レイピアの腕をしっかり磨くか。
 あるいは、セカンドアームズ持ってもいいのかもな。ダガーとか」

相手の発言に、男はくすくすと笑いつつ言う。言葉遣いや振る舞いから予想は出来ていたが、相手は自分とは違う世界の人間のようだ、と。
変な癖をつけないように、と言いつつ。サブウェポンの携帯をおすすめするあたりちょっと矛盾している男であった。

「……心当たりあり、か。だとすりゃソイツが怪しいよな、やっぱ。
 ……ふむ。ずいぶんとキナ臭い祭壇なんだな。
 なるほどな。まぁ、そういう意味では良かった良かったなんだろうが。
 呪いの類なら、この遺跡や他のダンジョンで解呪するアイテムがあるかもしれないし。
 もしくは腕の良い司祭に頼むって線が有効かもしれないな」

相手が詳しくは話したくない、と言えば。男は踏み込まずにそうアドバイスするにとどめておいた。
自分自身、少し前までは酷い呪いに犯されていたから。口に出せない事情を暴きたいとは思わなかったのだ。
さぁどうしたものかな、と思いつつ。男は頭を掻く。協力するといったのにいきなり手詰まりとは、困ったものである。

レアナ・サランサ > 「…ええ、まぁ。
ミミックですか、見たことはないですけれど宝箱に擬態しているとか…変異種で足が生えているものもいると聞いたことがありますけれど…御存知ですかしら、凄い美脚らしいですわよ?
アドバイスありがとうございますわ、考えてみます」

(既に没落していますが、と言うのは流石に嫌味だろうと口にすることはせずに、ミミックについて聞いたことのある話を振って。
武術のアドバイスについては素直にお礼を言い、そう器用に扱えるかしらと手をじっと見て)

「この手で縊り殺したい相手、ですわ…ええ、ですから封鎖されて良かったですわ。
詳しく話せなくて申し訳ありません…余り思い出したいことでもないものですから。
そうですわね、呪いなら…良いのですけれど…まずは金策からでしょうか…」

(呪い、呪いでしょうか、と腹部を撫でて…とにもかくにもそれを解除することを頼むにしても、お金がかかりそうですわと。
情報は多い方がいいことは分かっていても、自分が経験したことを初対面の男性に話すのは流石に無理で、困ったような相手に謝る)

セイン=ディバン > 「……オホン。あ~、え~……。
 あぁ、見たことはあるよ。戦ったことは無いけど。
 すげえ勢いで冒険者に襲い掛かってたな……美脚、っていうか。うん。う~ん……。
 ははは、まぁ、そういう選択肢もあるんだ、くらいに考えておきな」

相手の返答が鈍かったのを聞き、また余分なことを言ったか、と反省する男。
ミミックに関しては、過去の映像を思い出すが。なるほど、確かに美脚だったかもしれない。
それよりなによりその獰猛さが恐ろしいのだが、それは言わないでおいた。
相手が考えてみる、と言えば。男は苦笑しつつ、参考までに、と付け足しておく。

「……そりゃあ、穏やかじゃない。ずいぶん剣呑だ。
 いや、こっちこそ。さっきから余計なことばかり聞いてしまってすまないな。
 ……金策か。やはりそうなると、地道に仕事が一番だろうな」

途端、温度の変わった相手の言葉に、男は気づきながらも軽く茶化すように言う。
空気が深刻になり過ぎないように、しかして謝罪はしておきつつ。
冒険者という職業なら、地道にやれば稼げるさ、とアドバイスする男。
何か、力にはなれないだろうか、と。男は自分なりに考えてみるが。

レアナ・サランサ > 「そうですか、実在するんですのね、美脚のミミックって…ということは美腕のミミックというのもいるのでしょうか。
はい、アドバイスありがとうございます」

(相手の気づかいはスルーするのが思いやりでしょうと気づかないふりをして、ミミックに脚のあるものが実在すると聞くと腕があるものもいるのでしょうかと)

「…申し訳ありませんわ、ただ、どうしても許せないものですから。
いえ、こちらのことを心配して下さっているのですし、気になされないで下さいませ。
ええ、地道に働くことにしますわ…ここにも来ないようにしましょう。
私一人で突破できるところでもないですし、祭壇に行けないのでしたら来ても意味が余りないですものね。
この度は街へ戻ることにします…貴方はお仕事があるのでしょう?
お手間を取らせてしまって申し訳ありませんでしたわ」

(首を振りこちらこそ申し訳ないですわと…そして地道に働こうと決めればゆっくりと立ち上がって。
仕事の途中で手間を取らせたことを詫びて頭を下げる)

セイン=ディバン > 「腕は知らないが……ミミックはみんな、歯並びはいいみたいだな。
 腕も足もあるミミック、なんていたら恐いなぁ……」

相手の質問に対しては、わずかに真面目に考えてみるものの。
腕のあるミミックとは、聞いたことがないなぁ、と言う男。
想像してみるとなかなかの恐怖だった。

「いや、気持ちは分かるよ。俺もそういう相手が何人か居る。
 そう言ってもらえると、気が楽になるね。
 そうだな。ここは結構経験をつんだ冒険者なら稼ぎやすいかもしれないが。
 慣れないうちは、やっぱりギルドの張り紙とかから依頼を受けるのをオススメするよ。
 何、構わないさ。もしもキミの助けになるような情報があったら、仕入れておくとしよう。
 ……もしよければなんだけど、街まで転送呪文で送ろうか?」

相手と二、三受け答えをして、立ち上がるのを見守る。
恐らくこの相手なら、そう簡単に罠にもかかるまいと思うが。
一応、善意でそう尋ねておいた。

レアナ・サランサ > 「歯並びですか、腕が無いのにどうやって歯磨きをしているんでしょうね?
ふふっ、そういうミミックがいたら見てみたいですわね」

(歯並びがいいと言われると少し楽しそうに笑ってしまって、両腕両脚のあるミミックなら、きっと洗顔も歯磨きも出来そうと)

「そう、ですの…長く冒険者をしているとそういうこともあるのですかしら…?
ええ、もう少し難易度の低い物から探してみますわ…ありがとうございます、初対面なのに良くして頂いて…そこまでして頂くのは申し訳ないのですけれど…お願いしても宜しいですかしら?」

(ここから街に戻るのにも相応の日数がかかる訳で、早く子供達の様子も見たいと思えば、信頼できると思った相手に遠慮がちにお願いをする)

セイン=ディバン > 「……そう言われると、確かに……。
 うえ、マジか? レアナちゃん、結構恐いもの知らずなのか?」

居るか分からない、腕と足をもつミミック。その相手を見てみたいとは、なかなか豪胆な一言であった。

「……さぁ、な。不幸な目に遭わず、人を恨まない冒険者だって居るかもしれないしな。
 うん。それがいいと思うぜ。なぁに、気にするな。同業者なんだから助け合いは当たり前さ。
 分かった。じゃあ、王都の正門に送るとしよう。
 じゃあ、また縁があったら、だな、レアナちゃん」

冒険者だからとか、経験が多いから、では無いような気もするが。
やはり冒険者としての活動年数が長ければ長いほど、そういうリスクは高まるものだろうか。
そう考えていれば、相手にたのまれることになり。男は、相手の体の前に手をかざす。
相手が抵抗したりしなければ、王都の正門前に、一瞬で相手を転送することが出来るだろう。
もしそうなれば、男はしばしの休憩の後、仕事を再開することだろう……。

レアナ・サランサ > 「見たいだけで遭遇はしたくないですわ。
一瞬で殺されてしまうでしょうし。
そうですわね、そういう方もいるかも知れないですわね…ありがとうございます。
それではお言葉に甘えますわ…はい、また…セイン様」

(貴族時代の名残で異性を呼ぶときは様付けになってしまい、転送される前に深々と頭を下げて。
正門前に一瞬で到着して驚きながらも、預けていた子供達の元へと向かい、街に入っていって……)