2018/05/14 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアークデーモンさんが現れました。
アークデーモン > 古代のコロッセオ、或いは劇場と言われる遺跡。

巨石建築に人口の池や川を地下に内包し必要とあれば舞台へと引き出す。
その動力とされた膨大な魔力、剣闘士達が使用した古代の強い魔力の武器、
その対戦相手と思しき魔物に幻獣。
それらが眠り侵入者を拒むが生還できたなら見返りは膨大なもの、と言われる。
だが、今は満点の星空を天幕に吹きさらしの石造りの舞台らしい円形の広場があるだけだった。

「……私を呼んだのは、君かね?」

その中央に血溜まりと、伏したミイラのようなカラカラの何か。
その傍らに立つ、奇妙な気配を纏い、片手から下げられた炎の蛇が周囲を明るく照らす男の姿。
声を掛けたのはその、血溜まりの中にある何か、へだが当然返事もなにもない。
表情に乏しい白皙の顔立ちを僅かに傾ぐと、縦に割れた瞳孔を細めて呟いた。

「これは、ダメだな」

アークデーモン > 「それなりの力があることが証明できたのは満足か」

血溜まりを暫く見つめていたが、小さく数回頷いて軽く炎が伝う手首を軽く返す。
炎の鞭が夜を切り裂いて大きく膨らむと周囲を照らしながら血溜まりを打ち据えた。
一気に焦げ、煙と化して消える。
戦場に似た匂いが充満して夜風に散った。

「そういうことならば、まあ、吝かでない」

何かに返事をするかのように茫洋とした口調で呟くと小さく笑ったような表情を浮かべる。
踵を返すと見えない階段でもあるかのように何も無い宙へ脚を踏み出し、昇る。

アークデーモン > するすると、男が空へ昇る。
その姿が月夜に紛れ、星々の揺れる夜空に見分けがつかなくなるまで続いて。
夜に溶け込んで、消えた。

ご案内:「無名遺跡」からアークデーモンさんが去りました。