2018/04/15 のログ
ご案内:「無名遺跡」にギィギさんが現れました。
ギィギ > ――無名遺跡、数多あるダンジョンの一つ。
暖かくなると生存本能が刺激されるのか繁殖力旺盛なモンスター達が動き回り獲物を求め彷徨う遺跡の中の迷宮の一つ。

石で出来た壁に床に通路。
壁には永遠に燃えているのか今もメラメラと赤い炎で空を舐める松明に、時々何故か不自然に存在する木製の扉と、本当に何処にでもある初心者冒険者や冒険者を目指すモノ達がよく想像するシンプルな構造のダンジョン。

発情期に入った魔物が徘徊するとは言え、冒険者を目指すものや冒険者に手を借りず採取や採掘をしてみようとする者達が集うダンジョンで今宵は特別嫌な気配と言うモノがダンジョンの中に広がっている。

危険、きつい、汚い、そんなレベルでの異変ではなくダンジョンの奥に進むたびに怖気を感じる程に何かが迷宮を彷徨う冒険者を睨みつけ、スキ有らば襲うぞ、と言わんばかりの意思を向けるん何かがいる事を感じさせる、そんな空気を漂わせる元凶は天井にへばりついている薄紫の粘液生命体である。

名称はギィギ、動くたびに粘液状の体内に内包した硬化や犠牲者が残したアイテムが擦れあい耳障りな音を立てることから名づけられたスライムに属するモンスターで、このモンスターも例に漏れず、発情期らしく淡く甘いガスを表皮から小さな気泡と共に吐き出し、ポ、と気泡が割れるとそんなガスが噴出して、辺りに匂いを広げていく……いわば生きたトラップという奴だ。

さて、今宵はそんな迷宮に不用意に踏み込み、スライムが這い回る廊下を歩き回る不運なものが居るだろうか?
それはスライムの神様と冒険者の神様と、こんな時期に踏み込んでしまった哀れな犠牲者しかわからぬだろう。

ギィギ > 天井の苔すら喰らう様に天井をもぞりもぞりと這いながら進み、獲物が居る場所を探して彷徨い続けるスライム。
知性はなく、複雑な罠は張れないが本能が狩りに向いた箇所へとスライムを誘うのだろう。

もぞ、もぞ、もぞ………

石で出来た天井に煌く這い痕を残してギィギと呼ばれるスライムは迷宮の奥底へと進んでいくのだった。

ご案内:「無名遺跡」からギィギさんが去りました。