2018/03/03 のログ
ご案内:「無名遺跡」にギィギさんが現れました。
ギィギ > ――ニチャ、…ニチャ……ギ、ギィ…………。

無名遺跡の中にある迷宮の一つ
無数の大理石で出来た柱が並び立つ迷宮の出入り口
その丁度柱の上に今宵はスライム族に属するモンスターが罠を張っていた。

月明かりが大理石の柱の影を浮かせ、冒険者を待ちわびてポッカリと口をあけた出入り口、その直傍の大理石の柱の一つの上で、モゾモゾと薄い紫色を帯びた透明な粘液の塊がふよふよと夜風に吹かれて震えている、その光景は稀有なものではあるが、モンスターが罠を張る事は対して珍しい物ではないが、まあそれでもわざわざ迷宮の出入り口に陣取っているのだから……珍しい部類に入るかもしれない。

ギィギと呼ばれる金属を体に内包し、数多のガスを迷宮の中で喰らい蓄える存在そのものが罠とも言えるモンスター、今宵の罠はギィギィとって存在するかもしわからない知性が選ばせた行動であり、獲物が弱っている、油断する場所、等を知識として蓄えるだけの知性を証明するものなのだが、今宵訪れてしまう犠牲者には関係ないこと。

若しかしたら知性をもったスライムの存在を知り、それを調査する為に派遣された冒険者か学者か、はたまた魔法使いがそれを目当てに子良い訪れるかもしれないが、ギィギはそれを危惧するまでは知性はなく、ただ迷宮にはいる間際に油断する者か慢心相違で迷宮から脱出して街に帰還しようとするものか、とにもかくにも、一番気の緩みそうな場所で獲物が通りかかるのを待っていた。

時折吹く夜風に表皮に浮かぶ粘液を撒き散らし、ふわと薄ら甘い花とはまた違った香りを撒き散らしながら……。