2018/01/19 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアンリさんが現れました。
■アンリ > 「……ふんっ……」
ずしーん、とストーンゴーレムが倒れ伏し、その前で仁王立ちする魔法使いの女。
顔面にワンパンかまされたにも関わらず、鼻血がちょっと出ただけ。
驚異的なタフネスに支えられた単独行動である。
「……ぁー、いったかったぁ………、いきなり顔面殴る? フツー……」
顔をごしごし擦りながら、禍々しい杖を拾い上げる。
深紅のマントを身に纏う濃い青の長髪。見た目だけはスタンダードな魔法使いである。
■アンリ > 「はー、今日はちょっと連戦連戦よね。メンドクサイ……」
はふ、と吐息を漏らしながらそのゴーレムの亡骸に腰掛けて、肩をぽんぽんと拳で叩く。
長身の彼女は、それに見合った見事なプロポーションの持ち主である。
知り合いに言わせれば、「黙って身動きを撮らなければ美人」だ。失礼な。
今日は実際戦いに次ぐ戦いであった。
スライムから、触手から、オークから、ゴーレムから。
何が出てきてもタフネスとパワーと気合でぶち抜く彼女に、今日も怖い物は無い。
まあ、基本的に自称魔法使いだ。
■アンリ > 嗚呼、遠い故郷よ。
次期魔王として君臨していた過去を思い出す。もう思い出せないくらい昔のことのような気がする。
いつか帰ってもう一度魔王として、なんて思わなくも無いが、
こうやって冒険者として自由気ままに歩き回るのも悪くない、なんて思い始めることもある。
「んー……」
んん、っと伸びをしながら、ふぁぅ、と欠伸。
戦闘に次ぐ戦闘が終わり、冒険中は警戒心を解かない、という鉄則も忘れがちになる。
「キャンプにはー……、ここは向いてないのよねぇ」
回廊的な場所では、巡回する悪も多い。
一人旅ですやすやと眠るのは難しい。
■アンリ > (ぐぅ)
だがしかしそれでも寝る。
強烈な結界を張っとけばいいんじゃね、という強引ゴリ押しの休み方である。
ご案内:「無名遺跡」からアンリさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にギィギさんが現れました。
■ギィギ > 通路の壁に立てかけられた松明の温かな橙色。
外気と遺跡の迷宮内の温度差の所為かしっとりと濡れた石壁。
泥と苔が漂わせる迷宮特有の冒険の香りとも言うべき匂い。
無名遺跡の中でも初心者向けに幾らか人の手が入った浅い階層で形成されている迷宮の一つに年月による劣化が招いた崩落で見つかったまだ誰も踏み入った事のない区画、其処に今宵は透明な紫色の粘液が蠢いている。
まだ誰も踏み入れていない、まだ見つかって間もない、噂に過ぎない未発見のその通路は崩落の名残か誰もが知る通路の行き止まりにポッかりと人が四つんばいになってやって入れるような大きなの通路の向こう側にあり、1~2mしか距離のない狭いトンネルにその透明な紫色の粘液が水溜りのように溜まって蠢いている、から性質の悪い事になっている。
だが、その状況も実際に行き止まりに生まれたその口に入り込んでみないと判りづらく、入り口付近の壁にたてかけられているその松明は入り口の付近しか照らすことはない。
――さて、そんな自然の生まれたトラップの如き通路の入り口は富か名誉かそれとも知的好奇心を満たす為の調査か、人が迷い込む事を待ちわびるように口をあけて来訪者を歓迎している。
手を突っ込むだけでも良い、松明を放り投げて穴の距離を測るのも良いだろう、ただし警戒もせずに入り込むのはお勧めしない、何故なら密室となったその奥で湧いたスライムがふつふと気泡を立てて獲物を待ちわびているのだから。