2017/12/02 のログ
ご案内:「無名遺跡」にティネさんが現れました。
ティネ > 遺跡迷宮の中層。
闇の中、ぼんやりとした燐光をまといながら浮遊する物体。
小さな妖精の少女、ティネだった。

「あ、あわわー、どっちが出口なのこれー」

戯れにダンジョンの類に侵入することのある妖精だが、
もちろんここまで奥深くまで来たことはない。
未発見だった転送の罠にひっかかって、ここまで飛ばされてしまったのだ。

「誰か冒険者的な人が通りかかったら連れ帰ってくれないかなぁ……」

などと天運に期待する。
もっとも、その場合救助ではなく戦利品扱いになる可能性もあるが。

ティネ > ふらふら……ふらふら……。
あてもなくさまよっていると、
部屋の隅に何かが座り込んでいるのを見つけた。

「あ、誰かいる…………
 
 ギャーッ! 死んでるーっ!」

死んでいた。ただのしかばねである。
装具からして、この迷宮に挑んだ冒険者なのだろう。
ダンジョンにはよくあること。

「もうやだ――、おうちかえる!」

帰れたら苦労しないのだ。
ブンブン飛びながらの甲高い声が遺跡内に響き渡る……
ところで死人が出るような危険な場所で叫んでいて大丈夫なのだろうか?

ティネ > そうこううろついている間に、ティネの足元で魔法陣が起動する。
体重などではなく生命力や精神力を感知して発動するタイプのトラップだ。

「うわ~~~っ」

光に包まれて、妖精はどこかへと姿を消してしまう。
戻れたのか、さらに奥深くへいざなわれてしまったのか、それは定かではない。

ご案内:「無名遺跡」からティネさんが去りました。