2017/11/29 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > とある遺跡の深部…そこには財宝が眠ってる
手付かずに「近い」その深層部の宝物庫の前には、レッサードラゴンのような体躯をしたワイバーンが眠っていた。茶色の鱗、巨大な胴体、幾多の傷、ずっと、財宝を守り続けている番人である
ふと、ワイバーンの目が開いた。グルル――唸り声を上げて足音を聞く
とたたたっと、元気そうな足音を立ててやってきたのは――まだ幼い少年。背には翼、天使である。
「やっほー!!」
元気な声が響く、野良猫にでも、話しかけるような声
ワイバーンの方は、低い唸り声を上げたまま動かない
何か、考えるような、思案するような、そんな時間
少年のほうは、明朗快活な雰囲気で、ニコニコと駆け寄る
ワイバーンの方は、プイとそっぽを向いた。静かに…ゆっくりと、宝物庫の入り口から身を避ける
この少年に負けてるワイバーンに、選択肢はないのだ、財宝を荒らされるのは嫌だが、命はもっと大切である。
■シャルティア > 「んーん?今日はおたから要らないよ―」
少年は首を振る。ワイバーンは目を丸くして少年を見る
なかなか宝物庫に入らない…怖いから早く帰って欲しい、そんな思いである。
でも、少年の方は、虚空から、ふわりと紙袋を出す。中には、大きめに切った干し肉が詰まってて
「買ってきた♪あげる♪」
ワイバーンに差し出される干し肉、巨大な体躯のワイバーンの顔が近づく。スンスン、と匂いを嗅ぐ。巨大な口を、ほんの少しだけ器用にあけて干し肉をかじる。別に腕に噛み付いても良いが命の危険は犯さないのが野生の基本である。自分より強いと分かった相手には逆らわないのが鉄則だ
ワイバーンが干し肉をかじる、むぐむぐと、肉はうまい
少年の方は、ちゃんと食べたことにごきげんである。
嬉しそうに笑顔になって、ぺたぺたと顔を触る。
その巨大な体躯の、目の前にぺたん、と腰を下ろして、干し肉をまた差し出す。
「あい、おかわり♪」
人懐っこい笑顔で、ワイバーンに干し肉をあげて
■シャルティア > むぐむぐ、ごくん、ぱくん、むぐむぐ
与えられた物は食べる、懐いたわけではない、わけではないが逆らっても痛い目を見る、ならば素直に肉を食うのだ
それに、味の付いた肉も悪くはない
そんな様子のワイバーンに対して、少年の方はすっかり嬉しそう
肉を飲み込むと、また、干し肉を差し出す。
この前のげんこつも、悪気があるわけではない。一撃でワイバーンをくっぷくさせるげんこつだが、アレでも思いっきりではないのだ、あくまで悪い子へのおしおきである。
そして今日は、お宝を貰って、お金にして、そのお金で干し肉を買ってきた、貰ったからお返しをしたい、という子供心だ
そんな微妙な関係で、うまく成り立つ、肉を与え、食べる関係
■シャルティア > ひょい、と、最後の一切れを与える
そして、立ち上がると、ばいばい、と手を振って走り去っていく
台風が去っていくのを見て、安堵するようにワイバーンは宝物庫の前で眠りについた
ご案内:「無名遺跡」からシャルティアさんが去りました。