2017/09/08 のログ
ご案内:「無名遺跡」にミューズさんが現れました。
ミューズ > 息を切らせて、追いかけてくる男たちから逃げてこの遺跡に入りこんだのが数分前。
さらにその少し前に移動していた所を山賊に襲われて逃げ出したわけだが、一難去ってまた一難とはこの事だろう。
一難で済む保証など何処にもないのだけれど。

「はぁ……はぁ……」

もう走れない。ふらふらになりながら後ろを見ると、もう誰も見えなくなっていた。
ひとまずは安心かと、その場にへたり込んだ。

ミューズ > そんなところへ、岩陰からするすると伸びてくる一本の触手。
その1本めが腕を取るときには、更に数本が迫ってきていた。
戦場に身を置くものなら気配で気がつくことが出来たかもしれないが、娘はただの一般人に等しかった。

「ぁ…?…え、や……っ!?」

ぬるりとした気色の悪い感触に腕を見れば、見知らぬ物が巻き付いている。
更に後ろから足へ、そして胸へと次々と巻き付いてくる。
薄布一枚だけの服など触手の前には無に等しく、あっさりと全身を直接撫で回される羽目になった。

「ひあぁ……っ、やぁ、ぁ……っ!だ、れか……っ」

言いかけたところで、呼んでも来るのは自分を追ってきた山賊だけなのではということに気がついた。
しかし、今はそんな事を言っている場合ではないのでは?いや、山賊でも結局大差ないんじゃないか?
そんな葛藤をしていると、一本の触手が娘の口元へと伸びてきて…無理やりに、口の中へと押し入った。

「んぐ……!?」

その触手は一瞬喉の奥へと入り込み、強引に娘に液体を飲み下させた。
言うまでもなく、それは誘婬効果のある俗に云うところの媚薬である。

ミューズ > 「……っ、ぁ……。ぁ、んぁ……っ」

唯でさえ毎日のように媚薬を塗られ、時には飲まされている体に追い打ちをかけられ甘い声を上げ始めたその時。
何かに怯えるかのように触手が一気に引いていった。

「……ぇ……?」

とろんとした目で周囲を見回すと、屈強な体に牛の頭が乗った魔物…ミノタウロスが歩いているのが遠目に見えた。
恐らく捉えた獲物を横取りするのに、千切られたかでもしたことがあったのだろう。
ミノタウロスがどんな魔物かはよくわからない娘も、とにかく身を隠さなければと四つん這いで逃げ出した。
とっくに方向など見失い、更に奥へと向かって。

ミューズ > 結局娘が発見され、奴隷商人の元に連れ戻されたのは数日後の事だった。
当然無事でなど居たはずもなく、服など着ていない状態で連れられていくのを数多くの人間が目にしたことだろう。

ご案内:「無名遺跡」からミューズさんが去りました。