2017/06/24 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは無名遺跡の中でも、自然の洞窟の中に少々手が加えられた程度の場所。
何度か通っていた遺跡と言えば、中に入ればほとんど自然なんてものが見えない場所ばかりだった。
それだけに、今回のこの遺跡は少し新鮮に感じるのかもしれない。

今回は、珍しく目的があってこの場所に来ていた。
邸宅に住まわしている子達の中に、魔法の技術を習っている子が居る。
次の課題で必要な材料が、この奥にあるのだと言う。
購入すれば早いものを、生息している場所を知っているから取りに行くように頼まれたのだ…邸宅に住む式神に。
…まぁ、確かに自分で取りにいけばタダではあるが…何というか…あれだ、うん。
自分は確か、主だった気がするのだが、何で寄越されているのだろう?と、思わずにはいられない。

「しかし…簡単に手に入ると思ってみれば、それなりに深いみたいじゃのぅ…?」

ごそり、懐から一枚の羊皮紙を取り出す。
そこには材料である薬草の説明が、無駄に上手く描かれた絵と共に書かれている。
…分かり易くて助かるものだが、やはりまだ納得はいってない。

「むむむ…こんな奥に生えずとも、もっとその辺りに生えてくれれば良いんじゃが…
まったく、困ったものじゃ」

ごそごそと羊皮紙を袖の中に戻し、はふん、溜息。

タマモ > 「………初歩のものでも良いから、魔力とやらを感じる事が魔法なり能力なりで出来れば、楽に見付かる、のぅ?
妾が魔法とやらにさっぱりなのを、知っておりながら寄越しておるんじゃろうか?」

手元にある扇子をぱたぱた扇ぎながら、ぶつくさと呟く文句は続いている。
まぁ、まだどんなものかが分かっているだけマシではあるか。
これで、もし絵が無かったら更に迷っているところだろう。

転がっていた小石を、げしっ、と蹴る。
ぽーんっ、と放物線を描いて、小石はこつこつっと奥へと転がっていった。

「魔物の一匹や二匹、居れば気晴らしになるのじゃが…いや、こういった時には何も無いに限るかのぅ?
さっさと取って、さっさと戻るに限る、うむ」

後はあれだ、同じような景色ばかりでないのは、ある意味助かっている。
自然が作り上げたこの空間は、無機質な石造りの空間よりはつまらない事もない。

タマモ > …とは言え、この遺跡の奥とは言っていたが…

「どこまで奥なのか…聞いておくべきじゃった…」

ぽつりと呟き、次の小石をまた奥の方へと蹴飛ばした。
さすがに数日とか、そんなレベルでは無いのだが、結構時間が経っているのではないだろうか?
実のところ、まだ一時間も経過してないのだが、何も無いので暇なのだ。

特に罠みたいなものもない、引っ掛かったりして発動させた様子もない。
つまり、本当に道だけでこれといったものがないのだ。
まぁ、分かれ道とかはあったが…そこな気にしないでおこう。

そして、いくつか目の少し開けた空間へと辿り着く。
大部屋みたいなサイズの空間はいくつかあったが、ここはそれ以上…大き目な会議室レベルの大きさだ。
さてはて、ここには…?そう思いながら、その空間の奥へと歩いていく。

タマモ > さすがは自然がほぼ残る遺跡、ごつごつした岩ばかりで草の一本も生えてない。
やれやれ、と見回しながら奥へと到達するも…やはり何もない。
と、ふとここで頭に浮かんだ事があった。

材料は植物なのだが、こんな場所に生えてるのか?である。

結構深く、ここまで来るのに光一つ差していない。
そして植物は、光無ければ生息はしない。

「………うん?」

首を捻り、考え込む少女。
遺跡を間違えたか?と思うのだが、確かに地図ではこの場所が示してあった。
別に、何か地図の描かれた羊皮紙に仕掛けが…という訳でも無いのだが、さてはて?

とか何とか、考えながら突っ立っている。
分かれ道で道を違えたか、それとも、そもそもここには無いのか。
…いや、後者はないだろうとは思っている。
いくら何でも、これが嘘だったら酷過ぎるだろう、うん。

タマモ > とはいえ、ここには何もないのは見回してみて分かった。
別の場所を探さなければならないか、面倒な話である。

とりあえず、あれだ…

「てやっ」

気の抜けた掛け声と共に、げしっ、と転がる岩を蹴る。
別に大した理由ではない、ただの八つ当たりだ。
…が、どう見ても少女が蹴って動かないような岩が、ぐらりと揺れた。
びしり、と地面から何か嫌な音が聞こえてもきた。
そして次の瞬間…地面が崩れていく、もちろん、少女の足元も例外ではない。

「お、お?…おおおおおおおおぉっ!?」

崩れて無さそうな場所へと移ろうにも、蹴る地面がすでに崩れ蹴る事も出来ない。
そのまま、足元に広がった穴の中へと少女は落ちていく。
…落ちていくというか、そう距離もない場所に何とか着地…したかった。
そこはかなり急な角度の斜面、踏ん張る事も出来ずに滑り落ちていってしまう。

タマモ > 「いやいやいや、妾はこんな楽しみ方がしたいとは言っておらんのじゃが!?
と、止まらねばっ…止まらぬか…あああああぁっ!?」

理由は分からないが、地面は少々湿り気を帯びており、いくら抑えようとしても滑って落ちていく。
そうして、しばらく滑っていけば、すぽーんっ、と不意に場所が開け、また違う大きな空間へと辿り着く。
その勢いのまま、急斜面から放り出され…

ばしゃーんっ、哀れ少女はそこに広がる小さな湖に落ちた。

運が良いのか悪いのか、ここが目的の場所である。
広がる湖と、ここだけ天井が抜けており上から光が差していた。
周囲に生息する植物が、欲しかった材料だ。

…が、少女は今それどころではなかった。
何とか水の中から這い出せば、べたりと地面に突っ伏す。

タマモ > 滝のように流れる流水が湖に注がれ、天井からは光が差し、周りには様々な植物が存在する巨大な空間。
その湖の側、ずぶ濡れでぐったりと倒れている少女。
誰かが別の道からこの場所に来れたならば、見えるのはそんな光景だろう。

「お…おのれ…よもや、こんな湖に放られるとは…!」

ゆらりと身を起こし、ぽたぽたと身を濡らす水滴を滴らせ、ぎろりと落ちてきた穴を睨み付ける。
油断していた…地面に落ちるのを見越し、軟着陸するのに力を使ったのだ。
が、そこには地面は無く、広がる湖だった。
着地を緩めようと、そこが地面でなく水辺ならばどうしようもない。
びたーんっびたーんっ、と怒りを露に、地団太を踏む。

しばらく地面に当たっていれば、やっと落ち着いてきたか、ふーっと深呼吸。
改めて、今居る場所を見渡してみた。

タマモ > 見回してみれば、きっとこの辺りに目的の物があるだろう、そんな光景が広がっていた。
まぁ、さすがに1種しか生えてない、なんて事はないが。

「ふふんっ、その為にこれが…」

にんまりと笑みを浮かべれば、ごそごそと袖から羊皮紙を取り出し…
そして、この空間の中に少女の絶叫が木霊した。
こんな物を持ったまま水に浸かったのだ、使われたインクが無事な訳がない。
見事に絵も字も滲んでしまい、少女にそれを読み取る事が出来なくなっていた。
目を通してはいたも、見付けた時に確認すればいいやと覚えてなかったのも災いしている。

「ま、魔力の感知…か、んち………」

ぽてっ、少女は再び地面に倒れた。
色んな状況を想定し、準備をすべきだったと…そう思いながら。

ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にテネブレさんが現れました。
テネブレ > 名も無き遺跡の入り口、その程近く。
危険性はほぼない、待機場にも近い空間の隅っこで、白い毛玉がもこもこもこ蠢いていた。

ふんふん。ふんふんふん。

実際に存在するのかも判らぬ鼻を鳴らす仕草を取り、石造りの壁の一角を探っている模様。
匂う。匂うのだ。
傍目にはただの壁であるが、この先にはきっと――――エロいトラップの数々があると。
そんな方向にはとても敏感なこの精霊もどき。

ぽこん、ぽっこん、と実に迫力の無いおててで壁を叩き。
くまー、くまー、と人気のない空間に声色だけは愛らしい鳴き声が響いていた。

ご案内:「無名遺跡」にレアさんが現れました。
レア > 九頭龍山脈の麓。鬱蒼と木々が生い茂る森の中に隠れるように存在する遺跡群。
無名遺跡と呼ばれる遺跡群の1つ、その入り口に1人の女の姿が現れる。

「ふぅ…予定より時間が掛かったわね…」

額に微かに滲んだ汗を腕で拭うと目の前に存在する遺跡を見上げる。森と大地に沈むように存在する石造りの建造物。これこそダイラスで情報を得た古い魔導具が存在する遺跡に間違いはなさそうで。

テネブレ > 静かで深く、厳かささえ感じる様な年季を感じらせる遺跡の一つ。
一攫千金を狙う人間ならば一度は訪れるトレジャーハントのメッカだろう。

だがしかし。

そんなドラマチックな雰囲気は、今ここには存在しない。
女が遺跡にその足を踏み入れた途端に、どこからか、くまーっと。

気の抜ける様な鳴き声が響いているのだから。
或いは、其れもトラップかと慎重な人は感じてしまうかもしれないが。
よくよく見れば壁際で何だか白い毛玉が一生懸命壁を叩いているのが見える筈。

そんな折、偶然スイッチの部分を押し込んだのか。
壁の隠し扉がくるんと回る。

毛玉が、ぽーんっと。

扉に弾かれて多分その女性の足元辺りにころんころんと転がってきた。

レア > 「……あら?」

遺跡の入り口から正面の階段へ踏み込もうと足を踏み出した瞬間、その足元に毛玉のようなものが飛び込んできた。
咄嗟に右足でなおも転がっていこうとする毛玉を停止させる。

「これは…なにかしら?モンスターという訳では無さそうだけれど…」

そのまま足先でこねくり回すように飛んで来た毛玉の様子を確認する。周りの様子から察するに遺跡に存在していた生物なのだろうか?飛んできた先を見れば先程までは気配すら無かった隠し扉が開かれ、新たな道を示していて。

「…やっぱり遺跡に居住する原生生物かしら?」

テネブレ > ころんころんと転がって、相手の足にぶつかるとふにゅんっ、と変な鳴き声を上げて動きが止まる。
きゅぅ、と古典的に目に渦巻。
そりゃあさぞかし不思議だろうこの生き物(?)
こねくり回すその感触は、一言で言うとぬいぐるみ。ふかふかもこもこしていた。

「ふにゅっ、んー…くまーっ…♪」

ころころ、ごろごろ。
ちょっとくすぐったくて気持ち良くて、転がるのが楽しい感じ。
声を弾ませると寝返りを打つ様にのこのこと立ち上がり、くるん、と首を傾げて相手をじぃっと見上げた。

「お姉さん、誰ー?テネはねー、テネブレって言ってね!
 あのね、あのね、あそこに変な部屋見つけたくまー!冒険者?冒険者さん?探検しよー!」

足元に近寄り、ぺしぺしぺし、と柔らかおててで足を叩き自分をアピール。
女の人だ。そしてあっちの扉の先から香るは濃厚なアホエロトラップの匂いがする。
故に誘った。人畜無害っぽく装って。

レア > 足先に留まる毛玉から妙に抜けたような音が放たれ、その後さながら小動物のような動きで立ち上がった。30cm程の獣のぬいぐるみのような姿となった元毛玉は妙に愛らしく振る舞って女の足に縋り付いて。

「えっと…何、テネ…?」

さすがに遺跡経験が多い冒険者でも開幕で謎マスコットが話し掛けてくるなどという経験は無いだろう。女も戸惑いを隠しきれない様子でそのぬいぐるみの首根を摘むようにして顔の高さまで持ち上げて

「あーえっと、要するにあっちに宝がありそうってことでいいのかしら?」

怪訝な表情を隠そうともせずに隠し扉の先にある通路の方を指差して。

テネブレ > 「テネブレー!テネっていうのー。うん、あっちにね、なんか色々ありそうくまー!」

言葉の流れの通じぬお子様の如く。
伝えたい事ばかりを連続で告げるので説明にはなっちゃいない。
足をぽふぽふてしてし楽しそうに叩いていたら、猫の様に首を掴まれて、くまーくまーと何処か楽しそうに鳴きながら手足をぱたぱた。

あっちー!と壁に開いた扉に向けて、びしぃ!と同意するように手を差した。

さぁ、此処から始まるのはめくるめく、お馬鹿でエロいトラップとの闘い。
一人と一匹の、明日はどっちだ!

ご案内:「無名遺跡」からテネブレさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からレアさんが去りました。