2017/06/08 のログ
ご案内:「無名遺跡」にノアさんが現れました。
ノア > 昔々とある海賊が、 溜め込んだ金銀財宝を全て隠したとされる小さな洞窟がある。しかし其の洞窟からは、 未だ誰一人として金貨一枚も持ち帰ってきた事がない ─── そんな、 冒険者などの間で囁かれている噂話を頼りに.. 今日も、 其の洞窟へ脚を踏み入れた者が居た。

「 .....っ、 あぁ" もう、 最悪っ.. 」

女も其の噂話を、 完全に信じてはいないけれど.. もし、 本当に金銀財宝が眠っているとしたら ? そんな期待を胸に、 ほいほいと来てしまった。まして、 此処から無事に帰って来た者が多数居る辺りから、 然程危険もないのだろうと.. 薄暗さや埃っぽさに文句を垂れながら、 ボコボコとした洞窟を奥へ奥へと進んでゆく。

ノア > 内部では細い空洞が多方向に分岐していて、 想定していたよりも複雑な構造だった。迷わぬよう分岐は決まって左から、 行き止まりになれば引き返し。チョークのような物で印を付けつつ、 確実に、 しらみ潰しに調べていく。

「 .........ここもハズレ、 っと。」

左手にランタン、 右手には何て事のないありふれた短剣。右太腿に巻かれたベルトには毒針をしっかり仕込み、 其の他諸々、 必要と思われる最低限の物は持っている.. つもり。ただ一つ、 心配なのは...

「 これ、 もつかな.. 」

ランタンオイルの、 残量。やけに複雑な内部の探索には、 思っていたよりもずっと時間が掛かってしまって.. 其の間ランタンは常に灯り続け、 オイルは着実に減っていた。

ノア > ( 所詮ウワサ。伝説とか昔話の類いだった、 ってオチ..... ? )

もう、 どれだけ歩いただろう.. 外が昼なのか夜なのかもわからずに。内部をくまなく徹底的に調べ尽くしても、 其れらしい小部屋や仕掛けは見付からない。チョークとランタンオイル、 そして女の体力が徐々に減っていく。そして.. いよいよ、 これが最後の道。一歩ずつ慎重に、 奥へ奥へと進んでゆくと..

「 ─── っ、 く.. !! 」

踏み出した足下で、 突如地面が ガゴン ── と抜けた。正確には開いた、 というような.. とても精巧に造られた、 落とし穴。女は咄嗟に、 穴の側面へ短剣突き立て.. 今まさに、 絶体絶命。短剣の柄を握りしめ宙ぶらりんのまま、 落ちたランタンの行方を見下ろすと

「 っ、 話と違う !! 」

穴の底に落ちたランタン、 溢れたオイルに燃え広がる炎が照らしたのは.. 何かの、 骨。あぁ、 最悪..... と。女の溢す小さな声が、 広がった空洞に響いた。

ノア > 然程危険もないのだろうと踏んでいたのに、 穴の底には無数の骨。この、 ありふれた安物の短剣が無ければ.. 自分も彼らの仲間入りをするところだった。

( おじさん.. ナイス♡ )

此処へ来る前、 軽く装備を整えようと商店へ寄った時のこと。『 何処へ行くつもりだか知らんがね、 せめてコレぐらい持っていったらどうだい 』と、 店主が勧めてくれた短剣。其れに命救われ、 心の中で思いきり店主にハグをしていた。

「 .........で、 」

さて、 どうしたものか。心の中の自分は元気いっぱい、 店主に抱き付いているけれど.. 現実の自分は体力も消耗していて、 握力もそう長くもちそうにない。何処か脚を掛けれる箇所はないか、 フックロープを掛けられるような部分はないか、 てゆーか誰か居ませんか ?! と..... 琥珀色の瞳は忙しなく周りを観察、 上へ登る方法を模索していた。

ノア > 丁度落とし穴の縁に僅かな出っ張りを見付ければ、 短剣の柄を左手で力一杯握り.. 右手は腰に掛けたフックロープをくるくると回し、 狙いを定めてから放つ。この辺りは手慣れたもので、 見事狙い通りの場所にフックを噛ます事が出来た。何度かロープを引き、 しっかり掛かっていると確かめたなら

「 悪いわね、 まだ "そっち" に行く訳にいかないの。じゃ、 お先..♡ 」

眼下に眠る無数の骨に、 お別れの挨拶を。短剣を引き抜くと側面に脚を付きながら、 するするとロープを登った。

─────

其の後.. 幾つかの罠を潜り抜け、 最深部と思われる小部屋まで辿り着く。其処で女が目にしたのは、 既に荒らされた跡。真新しい形跡がないところから見ると、 随分年数も経っているようだった。

「 ま、 当然 か..... 」

一人の女が辿り着けたのだから、 其れを上回る実力者など腐る程存在している訳で.. 至極当然の結果だと、 悔しげにでもなく 何処か楽しげに呟いた。目を凝らせば其処には、 金貨や宝飾類など細かい物は手付かずに残されていて

「 おこぼれ どーも。あたしもたまには、 先輩を見習ってみるかな.. 」

盗りきってしまわぬよう、 加減して袋に詰め。壁にはチョークでハートマークを、 次に来た "誰か" に向けて書き残した。

ご案内:「無名遺跡」からノアさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 遺跡の内部、やや深い区域の岩場に、ぽぅっと小さな明かりが灯る
ランタンの光より強いそれは、舞うように大きな蛍のようにふわふわと。光の精霊達だ。天使によって其処を照らす精霊たちは使役されてることにむしろ喜ぶように舞っている。
その中心で、今日の「おたから」を見つけた少年が嬉しそうに品物を眺めていた。金の台座にルビーをあしらった指輪に、銀の細かい細工が施されたティアラ、紫水晶の髪留めである

「むふー、おたからいっぱい♪」

正直少年に価値など分からない。がキラキラで綺麗なのは分かる。目的は金銭価値より「綺麗かどうか」である。これはお土産用、これはプレゼント用、と其れを分けて、大事そうに革袋にしまっていって