2017/05/14 のログ
■グレヌアンギュ > 外から清浄な空気が入り込む事は稀にある。
その時に白い砂は動き紋様を描く事もある。
だが凪いでいる湖面が揺らぐほどに強く風が踏み込む事はない、その筈なのに時折湖面が重たそうにたゆりと揺らぎ、パシャンッと勢い良く何かが跳ねる音さえするだろう。
しかし、その姿は見えない。
湖面を揺らぐ水の波紋、跳ねて落ちたときに飛ぶ水滴だけが、この仄かに暖かい地底湖に何かが住んでいる事を教えてくれる。
見て判る危険よりも触れてしか知る事ができない危険。
欲を出さず砂浜で硬貨などを拾い持ち帰るか、それともより大きな富を求めて踏み込むか……。
水棲であり砂を泳ぐ事も出来る透明な肉をもった海蛇達は待ちわびる。
数少ない繁殖の機会を……群れに共有される哀れな苗床の存在を…。
■グレヌアンギュ > 今宵は哀れな犠牲者を出さずに済みそうだ。
湖面は再び静寂を取り戻し、無名遺跡にも一時だけの平穏な時間が流れていくのであった……。
ご案内:「無名遺跡」からグレヌアンギュさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にロザリアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 「うん?妾自身はか弱いぞ?
あんな扉を手で開けるなんて真似、妾には出来ぬのじゃ」
さらりと言いのけ、扇子を袖から取り出す。
扇子の先で壊した扉を示しながら、本当じゃぞ?と。
まぁ、本当に手で開けようと思っていたら開けれなかったのだ、嘘は言ってない。
「おや…てっきり、慣れたものじゃと思うておったが、そうでもないんじゃのぅ?
っと、そうそう、あの時の話じゃな?
あの時は、いきなりの言葉でちと考えなしに言ってしもうたが…
まぁ、おーちゃんに関してはお主等の問題らしかったから、それは良い。
しかし、他の者に対しての言葉にはな…一応、気の合った者達も居っただけに、引っ込めておいて欲しい言葉もあったのじゃ」
口元に扇子の先を当て、軽く思い出すような仕草。
あの日、城内での言葉。
謝罪まで求めるつもりはないし、責めるつもりもない。
ただ、あれをそのままにしておくにも、どうにも引っ掛かってならなかったのだ。
■ロザリア >
「腕力がなければか弱いと嘯けるのであれば、吾もまたか弱い姫であるぞ」
くすくすと、細めた眼から翡翠色が漏れる
「苦手であるぞ。故に魔王どもとは反りが合わぬ。
魔族の国にも派閥は多くあるがキルフリートは何処にも属さず水晶の渓谷の奥で静かに過ごしている。
──無論、"食料"である人間を害する存在として相応のことは行っているが、ふむ…あの場での物言いを随分気にしていたのだな?」
あれからはそれなりに時も流れている
その間、何度か城を訪ねてもきたようであった
たまたますれ違いが続いていたものの、そうであれば今はちょうどよい場であると
「お前は、人間の味方をしているのか?」
細めた眼のままに、ただそれだけを問う
■タマモ > 「ほほぅ…なるほど、ではお互いにか弱い者同士で良いじゃろう、うむ」
その答えに、うんうんと頷いてみせる。
頭ごなしに否定されると思っていたが、案外良い女子じゃ…とか何とか、思いながら。
「おや、そうなのか?何人かは会った事もあるが、楽しめる者達だったと思うたのにのぅ。
………あ、いや、一部は除くのじゃ。
むむむ…吸血鬼と言うのは詳しく知らんのじゃが、人間しか食料として得られぬのじゃろうか?
まぁ、そうじゃろうな…どのような存在であれ、妾も世話になった者達じゃ」
何度か会った事のある存在である魔王、その者達を思い浮かべる。
まぁ、色んな意味で楽しんでいた訳だが、苦手と思うような者は浮かばなかった…言葉の通り、一部を除いては。
だからなのか、苦手と言われて不思議そうな表情を浮かべた。
そして、後の言葉…人間を食料と思うのと共に、自ら害するとする言葉に、苦笑を浮かべる。
「ふむ…相手の存在が何であるか等、妾にとってはどうでも良い。
人間であろうと、魔族であろうと、ミレー族であろうと…他の存在であろうとな?
気に入るものは気に入る、気に入らんものは気に入らん、それだけじゃ」
ばさりと扇子を広げ、口元を隠す。
言葉から、やはり人間だけを敵視している感じを受ける相手。
別にそれを隠す意味もないと、思った事をそのまま言葉にする。
■ロザリア >
お互いにか弱いもの同士、と言われて僅かに肩を竦める
細かい理屈や、討論の場でもなし、それでよいと
「長く生きすぎ享楽に溺れる者、人間を根絶やしにしようと企む者、
魔王どももそれぞれではあるが、支配欲求が強い者が多くてな」
肌に合わぬ、と小さく息をつく
自らも支配階級にあってのその物言いはどこか憂いを帯びて
「…吸血鬼は人を祖とする故にな、人間の血が一番身体に合う。
長く生きれば生きる程、不滅を維持するために必要な量と質は高まってゆく。
何より、吾にとってはそのサイクルが非常に都合が良かったのだ」
す、と細めていた眼を開くとそこには冷たい輝きが宿る
冷徹かつ冷酷な、人間を憎む光に満ちた瞳
「ふふ、それはまた…達観しているのか醜さを知らぬのか…どちらだ?」
■タマモ > 「ふむ…ロザリア、お主には何か求めるものはないのか?
支配する事では無く、お主自身で何かやりたい事…そういったものじゃ」
人間からすれば永遠に近い刻を過ごす、それには、やはり何かしらの欲求は必要、そう考える。
まぁ、それぞれに楽しみ方はあるものの、それが無ければただただ無駄な刻を過ごすだけ。
それに…そんな生き方に、どんな意味があるのだろう?とも思っているからだ。
「なるほどのぅ…それは理解しよう、己を維持する為には人間の血が必要。
…妾等とて、糧として必要としておる部分もあるしのぅ?」
妖である自分も似たようなものだ、必要とするのが血でなければならぬ訳では無いだけで。
だからこそ、その意見には賛同する…が、しかし…
「………少なくとも、人間のすべてを見てきた訳ではないじゃろうな?
いや、そのすべてを知る事なんてものは、決して出来ぬと妾はそう思っておる。
そして…それは、人間だけに当て嵌まるものではない。
他の種族であろうと、それはあるものではないのか?
そうしたものを、己だけの計りに掛けて考えるのは、良い考え方とは思えぬのじゃが…どうじゃろうか?」
向ける瞳に映るのは、恨みに満ちた相手の瞳。
そんな黒き意思を感じる瞳を、真っ直ぐに見詰め返し、言葉を返す。