2017/04/28 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 暇潰しにと、こうした遺跡に入り込むのは何度目だろうか?
いや、最近は結構のんびりとしていたので、久し振りではあるのだが。
「とはいえ………今日はハズレかのぅ?」
くぁ…口元に扇子を添え、軽く欠伸。
ここがどんな遺跡だ、とか、そんな事を調べて入る訳も無し。
行き当たりばったりで入ってみれば、これといった事も起こらぬまま、奥へ奥へと入り込めてしまった。
まぁ、このまま先にいって簡単にお宝が手に入るなら、それはそれで儲けもの。
何も無かったら………まぁ、どこかで誰かに八つ当たりでもするのだろう。
考えようによっては、すでに誰かが先に入っているのかもしれない。
■タマモ > 「何だか、前にも同じような経験をした記憶が…?
ふむ…やはり、目立つ場所にある遺跡では、誰かしら入ってしまっておるんじゃろうか?」
ぱちん、と閉じた扇子の先を口元に当て、考える仕草。
魔物やら何やらは、この様子では元々居なかったのかもしれない…先に居るかもしれないが。
罠の類も、確か見掛けて無かった気がする…無かったのか、自分と同じように無駄に勘が鋭いならば通り抜けるかもしれない。
ともあれ、何も無いのだ。
…もちろん、まだお宝さえも。
■タマモ > いくつ目かの曲がり角を曲がり、歩み続ける。
見付けた扉は、容赦なく開け放つ。
このまま、本当に先に何も無かったらどうしようか…そう考え始める少女。
「………むしろ、あれじゃな…妾が冒険者やらを待って、ボス役でも演じてみるか?」
何も無い遺跡の奥、最強の敵現る、みたいな?
いや、そんなハイリスクローリターンな遺跡、誰も入りたくはないだろう。
そんな馬鹿げた考えを浮かべながら、今度は正面の扉を前にする。
躊躇はしない、両手を添え、すぱーんっ、と開け放った。
■タマモ > 予想はしていた、予想はしていたのだが…
開け放った扉の先、大きな部屋はあるものの、ここに何かあったんだろうなと思われるっぽいスペースがあるだけだった。
近付き、そのスペースを見詰めてみる、何も無さそうだ?
屈んで、こんこんとノックをしてみる、仕掛けも無いようだ?
ゆらりと立ち上がり、右を見て、左を見て、また足元を見る。
「うむ、そうかそうか、よく分かった…」
近くにあった空箱を確認し、そこらに散らばっている資料っぽい何かを掻き集め、中に詰め込む。
正直、何が書いてあるのかは興味は無い。
その蓋をぱたりと閉じ、そのスペースに置いた。
「まぁ…戦利品は、やってきた連中から何かを頂くとしようかのぅ」
結局は、こうなったらしい。
■タマモ > しかし、ここでまた問題が生じていた。
「して、待つとして…本当に誰か来るのじゃろうか…?」
ぽつりと呟き、別の空箱を引っ張り出し、その上に腰掛けた。
これといった敵も居ない、罠も無い。
あったのは、この部屋にあったよく分からない資料っぽいものくらいか?
漁れば、何かガラクタ程度は見付かるかもしれないが…これ以上、探す気にはなれなかった。
しばらくの間、そんな状態が続いたならば…腰掛けたまま、こくり、こくりと舟をこぎ始めるだろう。
まぁ、あれだ、待つのは得意ではなかった。
■タマモ > 「………はっ!?」
不意に、びくっと体が跳ねる。
別に大した事ではない、空箱の上から体勢を崩し掛けただけで。
そろりそろりと辺りを見渡すが…まぁ、まだ誰も来ていない。
ふぅ、と溜息を一つ。
「うむ…あれか、どうやらこの場所は、やはり誰か来るような場所ではなかったんじゃろうかのぅ?」
ぐーっと伸びをしながら、よいせ、と腰を上げる。
せっかく準備したものなのだが、無駄になってしまうだろうか?
…いや、適当にやってただけだが。
とんとんと肩を叩き、ぽんっ、とその手に唐傘を出す。
肩に掛け、さて、どうしたものか…と考えて。
■タマモ > そろそろ限界か、あっちをうろうろ、こっちをうろうろとし始める。
部屋の隅々を見遣り、周囲の状態を今一度と確認する。
中央付近に来れば、ぴたりと足を止め、ふむ、と一つ頷く。
「………よし、どうせ帰るならば、何か一つは残しておかねばなるまい」
いや、そんな必要はないのだが、少女は何か考え付いたようだ。
懐から数枚の札と、筆を取り出し、なにやらさらさらと書き込んで。
とん、と札へと指を当てれば、それは薄ぼんやりとした輝きを放ち、部屋の隅々へと散っていった。
それは、四方の壁にぴたりと張り付くと、そのままゆっくりと消えていって…
そこまでを確認すれば、その手に再び扇子を持ち、口元を隠す。
■タマモ > 「ふむ…次に来た者の為に、こうまでしてやるとは、妾も人が良いのぅ。
………人では無いが、な」
そんな大層な仕掛け、という訳でも無い。
入って何もないでは可哀想だと、軽く結界をこの部屋に張ったのだ。
まぁ、何だ…主にあちらの方面の。
この部屋に居る時間が長い程に、それが積み重なっていくのだ。
とりあえず、自分にはそれが見られるように、また別の印を刻んでおく。
…余計な事をするな?知った事ではない。
「さて、それでは行くとしよう」
そう長々と、来るかどうかも分からない者を待つのは辛いもの。
くるりと踵を返すと、開け放たれたままの入り口へ。
ご案内:「無名遺跡」からタマモさんが去りました。