2017/02/11 のログ
ご案内:「無名遺跡」にレイヴラさんが現れました。
レイヴラ > そこは、名もなき遺跡の奥。否、或いはもっと浅い場所であったかも知れないし、もしかしたら入り口付近ですらあったかも知れない。
トラップの作動音や、魔物の声がどこかから聞こえてくる遺跡の中だ。感覚を鋭敏に研ぎ澄ましてさえいれば、一歩足を踏み入れたその場所の空気が一歩前までとは違う事に気付けるだろう。
普通に通路を歩いていただけ。或いは、普通にどこかのフロアに出入りしただけ。それだけの事であった筈であるが、それでも、そこは先ほどまで居た場所とは物理的に隔絶された場所なのだ。
振り返っても、もといた場所はない。
ただ不可思議に続く通路があり、その向こうには闇がぽっかりと口を広げているだけ。
その侵入者に知識があれば、きっと気付けるだろう。
そこが、『賢神の棺』と呼ばれるダンジョンである事に。

レイヴラ > そんな侵入者を、迷宮の主はどこからかじっと見つめている。
決して侵入者からは捕捉される事のない、迷宮の闇の奥底の何処かから、じぃっと見つめている。
自らが招いた侵入者の動向を、反応を、観察している。
勘のいい者であれば、自らを見つめる視線に気づくかも知れないが、大抵の者が気付く事はない。突然意味も解らずに、今までとは全く異なる場所に来てしまったのだから、そんな事に気付く余裕がない事が殆どなのだ。
そこも含めて、迷宮の主は侵入者を観察している。
迷宮の奥の闇からは、何やら魔物のものとも思しき唸り声が聞こえて来た。その高い声から考えれば、何らかの女怪であるように察せられる。

レイヴラ > やがて侵入者は歩き出す。
深い深い迷宮の闇の奥へ向かって。
進む以外に道はないのだから。

その先にどんな運命が待ち受けているのかは、今はまだ迷宮の主ですら知らない事である。

ご案内:「無名遺跡」からレイヴラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にグレヌアンギュさんが現れました。
グレヌアンギュ > 無限に広がると言われている無名の遺跡を呼ばれる大迷宮
様々な罠と魔物で彩られた富と名声と死が混在する人の欲望の塊のような場所である。その無名の遺跡に存在する地底湖、清浄なる水を湛え幾つも柱が立つその場所の中央に位置する島には強力な魔剣が眠るという噂がある。噂は噂ではあるが、その魔剣を実際に見たとか、オレが埋めてきたとか噂に尾びれどころか背びれや胸鰭がつくほどだったが、直ぐに噂は風に紛れて消えてしまった。理由はとても簡単である、地底湖は湖底に白い砂が敷き詰められているのだが、それが積もり積もって徒歩でも島まで渡れる事が判り、実際に島まで歩いて確認に行った冒険者が居るからだ。その冒険者は噂の真相を告げ、島の中央部には何も無かった有ったのは空の宝箱と見たことも無い植物くらいだったと……。宝がないのが判れば冒険者は見向きもし無くなる、その結果噂もその存在も誰も口にしなくなったのだ。が、ある日ある意味冒険者達に地底湖に対して需要と言うものが生まれ始める。何とその地底湖の水が温かいというのだ。まるで温水の様だとも……。

斯くして、地底湖は冒険者達が立ち寄り休息する場所となる。周囲に存在する淫猥極まる罠等は粗方冒険者が取り除き安全は確保された……と言う話になってる。それに地底湖の中央に存在する植物には傷を見る見る間に癒して回復させる効果がある事もわかり、冒険者達の目的地の一つにもなった。


――…無名の遺跡、卑猥極まる罠とモンスターが巣食う迷宮がそんなに容易く攻略されるものだろうか?ひざが浸かる程度の浅い温水に回復効果のある薬草、幾つも突き立つ柱、幾つも死角が生まれ、安全と偽り冒険者を招き入れる地底湖、其処には冒険者の身体を貪り、その柔肉を使い繁殖する脆弱にして恐るべき半透明なウナギのような生物が巣食っているのだった。
様々な太さと長さ、卑猥な頭部に煌き輝く赤い球体を持つ不気味な水棲のモンスター……グレヌアンギュと命名された魔物達は湖底の白い砂や柱の影に隠れ、今宵は獲物を求めてじっと身を潜めている……。

薬草を求める地底湖を進むか、温水に身を浸し身体を休めるか、どちらにせよ無防備な冒険者を求めて身体をくねらせ彷徨う。若しかしたら、その魔物を知り捕獲にくる人間もいるかもしれないが、今はまだ誰とも遭遇は無く。

グレヌアンギュ > 生ぬるい地底湖の水は温かいながら時折ヌメリを帯びた水が混じっており、地底湖は唯の温水で身体を癒すような場でない事を足を踏み入れた冒険者が知るかもしれない。だがそれもヌメリを帯びた水に触れる事ができた者かトラップに精通しているものくらいで、地底湖の広さが災いしてそんな事前警告に気がつかない者が大多数である。そんな水に粘り気を作り出しているのがその半透明な肉をもったウナギ……に酷似した生物だった。泳ぎもウナギのそれである、身体をくねらせ温い水を掻き分け、少しでも物音や何かが水面を叩く振動を感知すると、其処に向けて魔物の群れが一斉に群がる。大半は何も無く天井から落ちた雫だの柱の一部が欠けたモノ等であるが、それすらにも敏感に反応するくらいに魔物達は非常に「餓えて」いた。

清浄なる水、半透明な肉、薄暗い地底湖という場所
群れであってもグレヌアンギュの姿を捉えるのは非常に難しいだろう。光源であるランタン、魔法の光を地底湖に投げ込めば話しは別であるが、貴重な光源をそんな風に扱う人間は冒険者には向かない……。と、1匹の半透明な肉をもったウナギが群れとは違う方向に向けて身体をくねらせ泳ぎ始めている。