2017/01/16 のログ
ユークリッド > 結構な時間がたったものの、誰かが通るような気配もなかった。
一人で遺跡を潜るのは心細いが、かといって冒険者を雇うほどの路銀はない。
また、学院の課題に用いるものであるから、誰かから報酬が出るわけでもない。
結果として、少年は一人で黙々と、潜るしかなかった。

「……うぅ、ここから先、大丈夫かなぁ……」

魔物にでも遭遇したら、逃げる以外の選択肢は失われている。
罠に引っかかれば、その時もまたなす術はない。
しかし、貴族の学生ほど裕福でないのだから、仕方がない。
ひとりごちつつ、保存食の干し果物を食べきった。
甘さが体に染み渡るのを確認しながら、少しの間、英気を養う。

ユークリッド > 一人で寂しい心を奮い立たせるように、目を瞑って心で念じる。
自分は大丈夫。負けない。そんな思いを胸に秘め、覚悟を決めて立ち上がる。
右手の杖を握りしめ、深呼吸して、目の前の暗闇を見据える。
やがて少しの後、初歩の光源魔法を浮かべると、少しずつ奥へと進んでいく。
その後、少年が無事に魔法鉱石を手に入れられたかは、次の機会に語られることとなるだろう――。

ご案内:「無名遺跡」からユークリッドさんが去りました。