2017/01/14 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシーゲイザーさんが現れました。
■シーゲイザー > 無名遺跡の浅い階層
初心者冒険者が探究心と少しの勇気と新品の装備を持ち込んで冒険するのに丁度いい比較的安全な階層である。
仕込まれている罠も踏破され壊れていたり、既に起動済みで動かない罠すらある。
勿論現れるモンスターの数も種類も少なく、冒険者が冒険者になる為の訓練を積む為の階層であった。
しかし、今宵は少し雰囲気が違う
日常でよく見かける弱いモンスターが影も形もなく、上級者達が戯れに手に入れた弱い武具もなく、遺跡のあちらこちらで「ガリガリ」やら「パキパキ」やら、何かが硬いモノを咀嚼か噛み砕いている音が響き渡ってる。
――音の正体はシーゲイザーと呼ばれる現在の階層より少し下の階層に巣食っているモンスターの食事音。
魔法の掛かった武器や防具を噛み砕き、飲み込み、身体に取り込んでいる音である。
その音の近くを通り眼を凝らせば闇夜に蠢く何かが見えるだろう。
何時もの様子と違う事に気がつくか、それとも哀れにもモンスターの餌食になってしまうか、それは遺跡に踏み込む誰かと其処に巣食うモンスターしかわからない。
パキ、ペキペキ……グシャ………
砕け咀嚼される音、それは何時までも何時までも食事以外の欲望を満たせるその時が来るまできっと絶えない。
■シーゲイザー > 無名の遺跡に当たり前のように存在する魔法の淡い灯り、それが照らすのはヒトデの形に非常に良く似た赤黒い肉の塊である。
それが足を伸ばし、時には触手を生やして辺りに散乱する金属や水晶の類を引きずり込み貪る姿は異様としか言えず、モンスター知識の深い人間が見ても首をかしげてしまう事だろう。
しかし貪欲に落ちているモノを喰らい取り込む理由は酷く簡単でシンプルだ……交尾の為である。
此処最近遭遇する冒険者は何れも実力者であり、襲うにも至らず逃げるか隠れるかを繰り返していたが、発情期に差し掛かったモンスターはそれを良しとせず、自ら進化を望み行動を取っているのだ。
食事をしている個体の中には早速その効果が出ているのか、金属の甲殻を得たモノや5本の足先に金属の鈍く輝く刃を持つ俗に言う亜種のモンスターが混ざり始めている。
それがそのどれもが交尾の為繁殖の為に身体に栄養と「武器」を溜め込み、それどころかエサの少ないところでは同種同士が喰らいあい交じり合い、凄惨な状況になっているフロアすらある。
弱小であるが故に本能を満たす為に進化を始める最弱にして力を求めるモノ達……。
今宵遭遇する者はそれを知らずに踏み込み、モンスターを追い回すか、それとも危険を避けて歩くか、どちらにしろシーゲイザーの巣食う階層は今までの浅い階層とは違う危険な階層になっている。
ご案内:「無名遺跡」にシスティーナさんが現れました。
■システィーナ > 名も無き遺跡に一人で調査も兼ねて鍛錬に来ている一人の女。
その風貌からして気品のある女騎士であることが伺える。
普段のように浅い階層を調査しているのだが異変に気が付く。
普段であれば、階層にあったモンスターが居るのだが、今日は全くといっても良いほど何にも遭遇していないのだ。
「これは…何かの異変?」
誰も居ない洞窟内で自問自答する。
普段と違った静寂に包まれる階層。
色々な思考が巡るのだが結論に至っていないのだが、本能的に嫌な予感がし額からは汗が滴る。
それだけでなく、本能的に警戒しているのか剣を構えて慎重に歩を進め、微かに物音が聞こえてくる方向へと歩き。
■シーゲイザー > モンスターには眼はなく、視覚と言うモノは存在せず、その足全体が感覚器であり、肉塊の表皮もまた鋭敏に風の動きや匂いといったモノを捉えるように出来ている。
故に誰かが階層にフロアに踏み込んでくるなら、敏感に察知し、それに反応をするのだが、今宵は騎士にとっては幸運か魔物は目的を果たす為の準備に忙しく、金属や魔力の篭った結晶を貪るのに夢中で反応は酷く鈍いだろう。
――が、それが全ての個体の反応である筈がない。
慎重な足音に空気のゆれが少ない遺跡で感じる微細であるが確実な空気の揺れ、そして何より甘美な女が香らせる汗の香り、それにいち早く気がつくものも当然存在している。
女騎士が踏み込んだ先はそんな他の個体よりも繁殖力が非常に旺盛でより攻撃的な個体が食事をしているフロアであった。
魔法の淡い灯り、それが照らすのは少し開けた部屋の中央で鈍い金属の輝きで魔法の灯りを弾く1匹の個体。
赤黒い塊でありながら、喰らった金属で身体のあちらこちらに金属の甲殻が一部形成されており、その背中から生える触手には金属の球体が埋め込まれている見るからに攻撃的な個体である、大きさも他の個体よりも大きく、鈍重そうではあるが、それが室内に足を踏み入れた女騎士に対して、ピタっと動くのを止め、今まで喰らっていた物を放り捨て見た目より素早い動きでその足元に這い寄ろうと動く。
ガラン、ガランガラン……
と響く音は今までモンスターが食らっていた金属の塊、それは光に照らされると何か鎧のようであって…。
■システィーナ > 物音がする階層を慎重に歩を進めて突き当たりのフロアをそっと覗く。
フロアの中央付近に陣取っていたそれは何か、金属のような物を捕食しており、不思議に思い興味本位でフロアに踏み入ってしまう。
捕食に夢中になっていたのか油断なのか、それが自分が踏み入った事を察知したのか捕食を中断する。
「舐めるな!」
今まで捕食していた金属の塊を放り捨て、見た目よりも素早い動きで自分に向かってくると咄嗟に構え剣で薙ぎ払う。
何かに当たった感触を感じ咄嗟にフロアから出て狭い通路に入りこみ、思った以上に素早い動きをする相手に対処しようとする。
■シーゲイザー > どの個体よりも早く女騎士の来襲に気がつき、且つ幸運にも遭遇することができたモンスターはその女騎士を独占しようと素早く動いたが、相手の不意のなぎ払いに一瞬怯み、その背中から伸ばした触手にボコボコと音を立たせ金属の球体の数を増やし、棍棒か何かに似た触手を作ると、それを用いて威嚇しようとするが、その隙にか偶然のタイミングか女騎士の匂いと気配が離れ、室内から逃げていくのを「感じる」と聊か肥大化して重たくなった身体を引き摺り、ずる……ずる……ずる……ずる、と音を立たせながら、その後を追い始める。
その軌跡はナメクジが這った跡の様に魔法の灯りで不気味にキラキラ輝いて、そのモンスターが粘液を滲ませているのを証明する。
そして、数秒か数分の後に女騎士を間近に捕らえるだけ近づけたが、女騎士の行く先は狭い通路であった。
となると、狭い通路では折角作り出した棍棒状の触手が枷となる。
しかし賢いとは言えない魔物は狭い通路にも関わらず触手を振り回し、硬い石壁に棍棒状の触手を打ちつけ、所々に破片と陥没した穴を生み出しながら、それでも女騎士を追うが先程よりも勢いはゆるい。
だが、獲物を逃がすまいと魔物は棍棒ではなく、新たな触手を背中より生み出し、まずは女騎士が持つ脅威である剣を捉えようと触手を伸ばし、同時にその対処しようと動く邪魔な足を封じようと棍棒状の触手で素早く相手の足首を払おうとする。
■システィーナ > 狭い通路に逃げ込んだ事により、相手の素早い動きを封じたように思えた。
しかし、相手は思った以上にしつこく自分を追跡してくる。
その形状は先程見たのと多少なりに異なり、背中より生えた棍棒状の触手を振り回し石壁を壊しつつ確かに距離を縮めてくる。
「意思のない生物が…調子に乗るな!」
石壁を不造作に壊して進んでいたとばかりに思っていたのだが、石壁を抉るように壊された時に粉塵が巻き上がり、一瞬だが視界が遮られる。
咄嗟の事だったが、自分に向かってきた背中から生えた別の触手に気を取られる。
その瞬間に足首に激痛が走り視界を移せば、棍棒状の触手に攻撃され、思わずバランスを崩してしまい、その瞬間を相手が逃すはずも無く触手によって捕らえられてしまう。
■シーゲイザー > 狭い通路はある種の意味で女騎士を追いかける個体にとっては幸運であったし、これ以上にない有利な狩場であった。
己の振り回す棍棒を避けるには逆に狭くも有り、逃げ場が少ない場所でもある。
それに何より他の同族の個体は通路に入ってこれず、ゆっくりと女騎士を貪る事が出来るからで……。
罵倒か、侮蔑か、聴覚も例に漏れず鋭敏であるが故にその言葉は聞き取りはするが、理解には程遠く、言葉に怯みも躊躇いもせずに女騎士の方に肉薄していくと、上手い具合に剣を絡める事が出来た触手でその邪魔な脅威を手繰り寄せ、それが叶えば今まで食していた鎧を捨てたときと同じように邪魔なその剣を投げ捨てようとし、新たにまた棍棒状の先端をもつ触手を戻して振り上げ、モンスターなりに威嚇しながら、バランスを崩した女騎士の背中に這い登り、その身体を石畳の遺跡の床に押し付け圧し掛かろうとする。
――その重さは先程まで喰らっていた鎧や他の金属の所為もあり、柔らかな弾力ある身体も相まって非常に重たく、同時にその腹部からは絶え間なく粘液が滲んで、石畳も何もかもをトロトロの粘液まみれに変えていく。
それと同時に行われるのはマーキング、粘液から匂い立つ生臭い香りが女騎士を己の苗床だと辺りの同族に他の魔物ににおいでもって宣告するのだった。
■システィーナ > 「くっ…来るな!汚らわしい!」
相手の攻撃を防いだ時にバランスを崩した時に勝負は決した。
構えていた剣は触手によって捕らえられただけでなく、投げ捨てられしまう。
それだけでなくバランスを崩した瞬間に脚にも触手が纏わりつきそのまま床に倒れこんでしまう。
その止めとして相手その物が自分の背中に乗り、思った以上の重さで完全に動きを封じられてしまう。
「くっ…何だ…この粘液は」
相手の腹部から垂れている粘液が背中越しに伝わり、その気色悪さで身を震わせる。
その粘液は溶解性も在るのか衣服を徐々に溶け出し微かに肌が露になり始める