2017/01/02 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシーゲイザーさんが現れました。
■シーゲイザー > 無名の遺跡
様々な階層と数多の罠と魔物で彩られた迷宮と呼ばれてもおかしくない危険な場所で比較的安全だといわれる階層と階層を繋ぐフロアが存在している。
複雑に絡み合った魔法と遺跡を徘徊する魔物の支配領域が混線して生まれた唯一無二のフロアで、無名の遺跡を挑む冒険者が一時的なキャンプ地点や休息地点として利用する事のある場所で、テーブル代わりにされる折れた大理石の柱やテントを張る為に穴を開けられた石畳、それに結界を張る為の魔法陣が刻まれた跡すらあり、誰が見ても安全な場所と「錯覚」し易いフロアであった。
そのフロアで誰かが戦利品を整理していたのか歪んだ銅貨や高価類、純度の低い水晶や価値の低い魔法の武器などがあちらこちらに散乱していた。
それが時折柱や物陰に引きずり込まれ、翔召していく不思議な光景が広がっている。
誰かが齧っているかゴリゴリと耳障りな音、消化できぬ部分が吐き出された破片と共に撒き散らされる不気味な光景……その原因は比較的とはいえ安全なフロアであり冒険者が複数で屯する事の有る危険なフロアに触手を伸ばしたシーゲイザーと呼ばれる火急のモンスターである。
通常浅い階層で行動する初級の冒険者や深い階層で罠に嵌った冒険者を使い繁殖を行うモンスターだが、どうも別のモンスターが行動領域を広げた為に追い出されたようだ。
だがそれでも貪欲な食欲と繁殖への欲望を果たす為に逃げ回る生活ではなく、こうやって獲物にありつく為に競争相手のいない場所に侵食してきた訳だが、その行動の思惑にはこのフロアが油断した冒険者が多いことを理解していて、そんな冒険者を襲いその強靭な身体を苗床にするという賢しくも狡猾なる考えがあった……のかもしれない。
低い位置でへし折れた大理石の影
微弱な魔法の掛かった短剣に触手絡め齧りながら
僅かでも強くなる為に齧った刃と魔力を肉体に取り込もうと足掻く、それがゴリゴリという不気味な音を奏でさせていて……。