2016/12/10 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシーゲイザーさんが現れました。
■シーゲイザー > 夜目の効く冒険者や種族の者が眼を凝らせば朽ちた大理石の柱に張り付く姿や背丈の低い木にしがみつく姿が容易く捉えられるだろう、それくらいに今宵は群れ集い集まっている。
そのどれもが繁殖への渇望を宿し、どの個体よりも早く己の繁殖相手を探す為に昂ぶり過敏になっており、時々通りかかる小動物にすら襲い掛かりしがみ付いて、物陰に引きずり込み交尾を繰り広げる個体まで出る状況である。
「比較的」安全な階層であり、キャンプ地となる事が多い浅い階層だった筈が表面上平静を保っているように見える其処は階層全体が罠に近く、足を踏み込めば犠牲者をださなければ逃れられない危険な地区となり果てていた。
うぞ…うぞ……と普段なら単独で蠢くヒトデに似た姿をした魔物、長く伸びた雑草や朽ちた柱の陰から情欲を持余しうろつく其処に他の魔物は近づかない。
ヘタをすれば交尾相手にされ、そうでなければ肉を喰らわれて骨と化す危険性を感じ取っているのだ。
愚鈍で脆弱である筈のシーゲイザー……それが一転して危険な程に凶暴化しているのは遺跡に漂う淫靡な魔力の所為か、繁殖期で交尾にありつけなかった悲しい個体が多い所為か……。
凛とした空気
冷たく空から大地を照らす月
僅かに香り生臭さと、何処か甘い香り……
遺跡の中、浅い階層を安全だと思い踏み込む哀れな犠牲者は何処か……。
■シーゲイザー > 月が沈み、日が昇るまでこの騒がしき魔物達の宴は続く。
着実に数を増やし、匂いを増し、何時までもいつまでも獲物を求めて蠢き続けるのであった。
ご案内:「無名遺跡」からシーゲイザーさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にアルさんが現れました。
■アル > とある遺跡で発見された地下迷宮。
その迷宮内を探索するのは、自称、探索者の黒髪の少年。
綺麗に磨き上げられた床に明るい天井。数人が並んで通れる広い通路を進んでいると、一つの隠し部屋を発見した。
お宝の匂いと、罠がないか調べ、鍵を解錠し部屋に入るといたのは、触手だらけの謎モンスター。
「……解せぬ!?」
頭のアホ毛を、ピーンと立たせて、つい叫んでしまったが、モンスターは何も反応せずに、ただ触手たちを蠢させるだけ。
どうも、女性が来れば無条件に襲い掛かるよう飼育されているのだろう。男には無反応だった。
色々と体から力が抜けそうになるが、他に何かないかを確認するため、キョロキョロと室内を見渡す。
8メートル四方の正方形の部屋。中心部分にはモンスター。その床には大きな魔方陣。
うっすらピンクの明かりで照らされた室内の床は清潔なのだが、触手の粘液で汚れているのが、なんだか悲しい。
「とりあえず……にゅるにゅる君と命名しよう!」
ビシッ!と触手モンスターを指さし、胸を張りながら告げるが、モンスターからは特に反応はなく、ウネウネと触手が動くだけだった。
■アル > 「しっかし、お宝が…これ?」
通路から丸見えになった、隠し扉の出入り口近くに立ったまま、呼称、にゅるにゅる君を眺めて、アホ毛を?マークにしてしまう。
少し想像すると――
(にゅるにゅる君を連れて、部屋を出る。冒険者に遭遇。モンスターの仲間と思われ攻撃され、デッドなエンド)
(にゅるにゅる君を連れて、部屋を出る。運よく町まで。衛兵に見つかり、攻撃され捕まり、バットなエンド)
(にゅるにゅる君を連れて、部屋を出る。更に運よく匿うことに成功。でも、飼育とかどうするの?クエスチョンなエンド)
「ダメすぎる!」
碌でもない現実しか思い浮かばずに、両手で頭を抱え、その場で蹲ってしまった。
いっそ見なかったことにしようかとも考え、顔を上げると、蠢く触手が目に飛び込む。
なんとも言えないピンクっぽい、肉々しい色合いのモンスターと目があった気がしたが、そもそも、どこに目があるのか理解できなかったので錯覚だろう。