2016/12/09 のログ
ご案内:「無名遺跡」にシーゲイザーさんが現れました。
■シーゲイザー > 有象無象のモンスターが徘徊し、数多の罠が侵入者を待ち構える無銘の遺跡。その中でも初心者冒険者が冒険者になれるか試金石に使われたり、騎士が腕試しや商人が護衛を連れて入り込む等の深い階層に比べて「比較的」安全な浅い階層がある。
月明かりが凛と冷たく張り詰めた光が射し込み、森の木々の代わりに無数の朽ちかけた柱が立つ、不思議な柱の森と呼ばれる区域。
狭い通路が続く場所と違い、視界を遮る物はそんな柱と、低い木々くらいで柱の根元や周辺を探せば深い階層への階段や薬草の類が容易く見つかるだろう。
深い階層に潜る前の休憩地点としても使われる場所ではあるが、無論罠やモンスターは確りと存在していて、柱の幾つかは不自然に痣があったり、獣がつけたと思われる傷が存在し、何か要る事を知らしめていた。
――…その比較的安全な層に巣食う強欲な魔物が居た。
それは水生生物に良く似た形状をしていながら、各部の先端より強いヌメリを帯びた触手を生やし、それを器用に使って所々に草の生えた石畳を張って進む魔物。
その姿と水辺を好む性質からシーゲイザーと呼ばれる下位の魔物で冒険者であれば一度は戦ったことがあるかもしれない雑魚モンスターである。
それが今宵は月齢の所為か寒さが厳しくなるまでの最後の繁殖期に差し掛かっているか、その地区の柱や木々の陰に隠れながら徘徊しており、周囲には不穏な生臭い香りが広がっていた。
そして足元を良く見て歩かねばシーゲイザーの這った跡である粘液の筋に足を滑らせそうになるほどに、今宵はその魔物がひしめいており、他の魔物はそれに怯えて姿を見せないでいる。
ご案内:「無名遺跡」からシーゲイザーさんが去りました。