2016/07/02 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアルさんが現れました。
■アル > 遺跡の一角。無機質な石畳の回廊。
どこまで伸びているのか先が見えない一直線の廊下。
魔法のためか、古代の技術でか、薄明るいその回廊を駆け抜ける、自称捜索者は絶叫していた。
「なに!このトラップの嵐。作ったやつ……バカなの!バカだな!!バカーーー!!!」
一つのトラップが発動すると、連続で起動を開始するトラップ群。
今も走り続ける少年の真後ろを鋭く尖った槍が通過する。
最初の失敗から、落とし穴、石弓、落石、槍、溶解液、などなど……。
それらを紙一重で躱すのは幸運か?否、そもそも幸運なら、こんなトラップの連鎖の中を走ってはいないだろう。
「女にはエッチなトラップ……男には即死トラップって……死ぬー!ガチで死んでまうーー!!」
どこかの方言が交っての絶叫。頭のアホ毛もピン!と伸びきっていた。
■アル > 叫んで、走って、それでも終わらないトラップ地獄。
さすがに体力的に厳しくなってきたころ、先の廊下に一つの扉を発見した。
「鬼が出るか?はぁ、はぁ……蛇が出るか?はぁ、はぁ……個人的には、オッパイの大きな女性希望!」
他に選択肢はなかった。何も考えずにではなく、邪な妄想と共にその扉に飛びつき中に転がり込む。
内開きでなければ、次のギロチントラップで首と胴体が永久にお別れしていただろう。
ブン!と聞きたくない音を聞いた後、飛び込んだ部屋の扉を後ろ足で蹴り、閉めた反動を利用してゴロゴロと転がり中央付近で停止。
「はぁ、はぁ……た、助かった?」
四つん這いのまま肩で息をし、荒い呼吸を繰り返しながら室内を見て回る。
廊下と違い、薄桃色の光に包まれた、清潔っぽい部屋に頭のアホ毛も?マークになってしまう。
■アル > 四つん這いのまま、キョロキョロと顔を動かし、廊下とは別の意味で怪しい室内を観察する。
一番目につくのは、中央の大きなベッド。更に観察を続けると壁の四隅には撮影用と思わしき魔法の水晶玉も発見。
ない知恵を絞って導き出した答えは……。
「ここって……エッチなトラップの餌食になった女性と……昨夜はお楽しみでしたね、的な部屋?」
この回廊を作った相手の趣味に、気持ちは理解できると大きく頷くが、さすがに一人だと……。
生死の境を軽く彷徨ったので、牡としての本能は発動していたが、一人で処理する気分でもなく、一度立ち上がると、ベッドの縁に腰掛け背負い袋を下し、その中から水袋を取り出す。
さすがに咽喉がカラカラなので、ゴクゴクと水を飲んだ後、帰りに備えて、少し休むことにした。
ご案内:「無名遺跡」にセラさんが現れました。