2016/04/12 のログ
ご案内:「無名遺跡」にアンリさんが現れました。
アンリ > 「遺跡、っても………世の中そうそう良いもんがあるわけでもないのよね。」

のんびりと杖を振り回しながらやってくるのは、豪勢な赤いマントを身につけた魔術師風貌。
腐っても魔族。しかし頭はお花畑の自称天才。
魔法使いとして身を潜め、仮の姿で堂々と町中を食べ歩く彼女こそ、魔法使いアンリである。

「………もっとこう、ぐわーっと来る何か無いものかしらね。
 スリル? 緊張? 胸の鼓動?
 そういうもんが無いのよねぇ。」

ったくもー、などと言いながら一人のんびり遺跡を練り歩く。

アンリ > そんな彼女の行先に、一つの扉が道を塞ぐ。
古ぼけたその金属の扉は、ずしりとした重厚感を持ってその奥と彼女を隔絶するかのよう。
取っ手こそついているが、誰も開けた気配も無く。

「んー、この先かしら。」

何も考えずに取っ手に手をかけてぐ、っと引っ張ったところで。

「っ!?」

ずきん、と掌に鋭い痛みを感じて手を引く。
あ、これ毒だ、と理解した時には、目の前がどろりと溶けて、思わず立っていられなくなって膝を突く。
心臓がどくん、どくん、っと激しく脈打ち、それが不定期に早く、遅く。

アンリ > 「胸の鼓動あったわ。」

思わず呟きながら、やられたわー、と頭を振りつつその場に座り込む。
かなり強烈な毒だ。普通の人間ならその場で口とか目から様々な物を吹き出していたかもしれぬ。
彼女は頭こそ人並みだが、身体だけは馬鹿みたいに頑丈であった。
ぐえー、っと吐き気を催しながらその場にへたりこんで我慢我慢。

「……いや、こんなスリルとか緊張はいらないんだけどね。」

目の前がぐわんぐわんする。スリルあるわー、と思わずつぶやいて。

アンリ > ……少し休んで、また冒険を続けるとしよう。

「………うぇ……」

やっぱり目の前が暗い。目の前が真っ暗になる前にゆっくり休むことにしよう。
遺跡に人の気配はない。であれば、穏やかに過ごせるものだ。

ご案内:「無名遺跡」からアンリさんが去りました。