2016/03/03 のログ
ご案内:「無名遺跡」にタマモさんが現れました。
■タマモ > こうして遺跡の中に入ると、ふと思う事がある。
無名の遺跡が多いのだが、名前のある遺跡ってのはどれくらいあるのだろう?
まぁ、そんな事はどうでも良い。
最近はもう趣味といっても過言ではないというくらいにまで通う、お宝探し生活の真っ最中である。
ただし、今日の少女はどことなく不機嫌そうだ。
その機嫌の良し悪しをどこで判断したかと言えば…
少女の歩いて来た通路を見れば一目瞭然だろう。
その後を辿るならば、所々に新しい破壊の跡が残る壁やら地面やらがあるのだから。
■タマモ > 進む歩調も若干速いか?
すたすたと歩み進む少女、もぞりと別の通路と繋がっている横から、何かが姿を現わ…
ごしゃぁっ!
現わす事なく、なにやら重い物に何かが押し潰されるような音が響く。
少女は構わずそのまま通路を真っ直ぐに歩いて行く。
横に伸びているっぽい通路、こちらの通路の手前で何かが潰れたような形跡が見られた。
まぁ、少なくともなんらかの魔物だったもの、というのは分かるかもしれない。
さて、こうして少女が妙に機嫌の悪い原因とは何なのか。
先日に潜った遺跡の結果もあったが、その後にも少々あった。
その日の食事も適当に酒場を選んで入った、食事をした、までは良かった。
一度やった事は二度繰り返す、財布をどこかにやってしまっていたのだ。
そして、しかもその酒場は前にも同じ事をやった場所で…生涯二度目になるウェイトレスなるものをやらされるはめになった。
…自業自得である。
だからといって、それが機嫌の悪さに繋がらないものとはならず…この状態であった。
■タマモ > そんなこんなで進んでいけば、目の前に見えてくるのは扉が一つ。
どごおぉんっ!
少女が近付く前に、轟音と共に壁ごと爆ぜた。
そこに設置してあっただろう、罠も一緒に。
ここまで、少女はずっと無言である。
その表情には貼り付けたような笑みを浮かべっぱなしである。
見る人が見れば、それは恐怖の対象となるかもしれない。
がらがらと崩れる壁と扉、そして罠、それを踏み越えて少女は先の部屋へと進む。
が、それを阻むように二体の人形っぽいものが立ち塞がった。
それがどうした?と言わんばかりに、歩みを止める事もない少女。
その姿が、すぅっと薄れ…次の瞬間には、その二体の人形の後ろにあった。
そのまま、人形を無視して部屋の奥へと進む。
それを追うかのように、振り返る人形達は…振り返ると同時に手足がばらばらになって崩れ落ちた。
何をしたのか?今回の能力は企業秘密である。
…企業じゃないが、気にするな。
■タマモ > ぴたりと足を止める、そこは部屋の最奥。
それらしい宝箱、転がっているお宝とかは無い。
そもそも、この部屋は何かの研究室なのだろう、いくつものテーブルや椅子、書架、後はよく分からない物があった。
その辺りをじーっと眺める少女、そんな事をしたところで、実のところはっきりとした価値なんて分からない。
ただ、今回はどうやら最悪の結果だけは免れたようである。
よく分からないものを手にとってみる。
振ってみる、何もない。
角度を変えて見てみる、分かる部分がない。
念じてみる、何も起こらない。
魔力を感知してみる…いや、うん、出来ない。
魔導機械を作動させる為のどこかしらの部品、中核となる物、見る人が見れば分かるだろう。
…見る人が見れば、である。少女には分からない。
とりあえず、広げた風呂敷包みに辺りの書物や資料と一緒に乗せ、包んだ。
■タマモ > これだけでは、何か物足りない。
そう考えたのか、崩れ落ちた人形の側に近付いた。
斬り取られた手足はもう動いてない、が、残った頭から胴体の部分がなにやらもぞもぞ動いている。
どうやら、その斬り取られた部分に色々と仕掛けられていたのだろう。
その部分をいきなり奪われ、もう何も出来ないようだ。
なんとも、手足を千切られた昆虫の様だ、ちょっとキモイ。
屈み込み、その動きをじーっと見る。
■タマモ > 「………お主等が生物でなくて良かったのぅ?
そうであったならば、散々弄ばれるところじゃろう」
それを見詰めながら、少女がやっと唇を開く。
発せられた言葉は、他人が聞いたらどう思うか微妙なものだった。
さて、どうしたものだろうか?
持ち帰る事も考えてはいるのだが、一体はともかく…二体は一人では辛そうだ。
もっとも…持ち帰る方法も、持ち上げるなんて事は出来ない。
きっと転がして帰るのだろう。
■タマモ > とはいえ、このまま何もしないでは埒があかない。
こんな大きな物は風呂敷に入らない。
なので、一先ず切り取られた手足の部分は回収して包んでおいた。
まぁ、これだけでもそれなりの価値はある…かもしれない。
よいせ、といった感じに背負うと、改めて二体の手足無し人形を前にする。
げしげしっと蹴ってみる、足が痛い。
右手の袖から扇子を取り出し、閉じたまま叩いてみる…硬い、手が痺れた。
ふむ、どうやらかなり頑丈ではあるようだ。
■タマモ > 「やれやれ、こうしておるのが、可愛らしい女子とかじゃったらまだ楽しみようもあるじゃろうが…
こんな無機質な人形ではその気も起こらぬよのぅ?」
がつっ、人形を踏み付け、ぽつりと零す。
踏まれた人形は、まだもぞもぞと動いている。
これ以上は収穫はなさそうだろうか?
そう考えながら、辺りをもう1度だけぐるりと見渡して。