2015/10/25 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエレーナ・アイヴァーヌさんが現れました。
■エレーナ・アイヴァーヌ > (名もない遺跡---。
手に入れた情報から、この遺跡に眠るいくつかの魔道具の噂を聞いて。
学校の教科書に載っていた、いくつかの有名な魔術師の作り上げた逸品のことを、エレーナは思い出しています。
「(……教科書に載っているような、あんな凄い道具が……こんなところに眠っているなんて……都合のいいことは、考えないけれど……でも……)」
学校を出発したばかりの、騎士見習いの学生は。
そのキュッと絞られた茶革のベルトに下げた、銀の装飾が施された鞘から、スラリと長い白銀の剣を、抜きます。
「……やっぱり、興味は………あります……」
卒業旅行を安全に終えるためにも、実力を身につけなければならない。
そのために、強くなるための魔道具をほしいと思うのは。学園の生徒なら、きっと誰しも当てはまる。
細身の……まだ幼さの残る騎士見習いの生徒は、少し緊張した表情で。
無名の遺跡へと、一人……進んでいきます)
■エレーナ・アイヴァーヌ > (遺跡の内部は……石畳の回廊が、ずっと奥まで……。
入り口の光が届かないような奥深くまで続いているような、通路。そして、分岐点。
少し中をのぞいただけで、天井がぼんやりと闇に浮かんでいるように見える、広い大広間。
……エレーナが魔術で紡ぎ出した、小さな光の玉だけでは、照らしきれないほど広い迷宮が、広がっていた。
「(……すごい……こんな、巨大な遺跡……。教科書にも載ってないなんて……不思議……。学校に帰ったら、先生にも紹介しないと……。き、記録、とらなくちゃ……)」
エレーナは少し興奮気味に、制服のポケットから小さな手帳をとりだして。
小さく呪文を唱えると。
今、目の前に広がっている光景が、写真となって手帳に浮かび上がっていきます。
「(この写真、クラスの皆が見たら……驚くだろうな……。こんな、大きな遺跡に、学生の私が探検に来てるなんて……誰も、知らないだろうな……)」
少し前に分かれたクラスメイトのことを思って、エレーナはわくわくして、胸を躍らせます)
■エレーナ・アイヴァーヌ > ザシュッ
(エレーナの白銀の剣が、襲いかかってきた小さな魔物の体を、引き裂きます。
聖なる水で清められた白銀の剣は、いとも簡単に魔物を次々と切り裂いて。駆逐された小さな魔物の群れは……キィキィと悲鳴をあげて、奥の……遺跡の迷宮の闇へと、姿を消していきます。
「(……なんだ……思ったほど……怖く、ナイ、かな……。実習の授業で、実際に何匹か魔物を倒したこともあるし……学校と、あんまり、変わらない……?)」
キン、と音をたてて腰に下げた鞘に、剣を差し込みます。
そして、小麦色のおでこに浮かんだ汗を、制服の腕でぬぐって。
キュッと絞られた細い腰の革ベルトに下げられた、小さな水筒を手にとって。
桜色の、薄い唇をそっとあて。冷たく冷えた水で、喉を潤します。
「(……まだ、薬草も残ってるし。魔術もまだまだ使える……。もう少し、奥まで行ってみても、大丈夫……かな?)」
水を飲んで落ち着きを取り戻しながら、優等生の騎士見習いの学生は、じっと……迷宮の奥のほうを、見つめています)
■エレーナ・アイヴァーヌ > (そして……じっと、青色の瞳で遺跡の闇を見つめて、考えて。
くるりと踵を返して、出口へと向かいます)
「(……でも……今日は、一日目だから……。無理しないで、おきましょう……)」
(ショートボブのブロンドの髪を揺らしながら、余裕そうな様子で……エレーナは出口へ。
まだこの迷宮の怖さは、知らずに。
優等生は、余裕を持って出口から外へ出て行きます……)
ご案内:「無名遺跡」からエレーナ・アイヴァーヌさんが去りました。