2020/11/02 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にリコリスさんが現れました。
リコリス > ミレーの隠れ里の一つ、いつもは静かながらのどかなその村では、
今は悲鳴が響き渡っていた。

村の中央にはミレー族の人だかりが出来ている。
その中心にいるのは満身創痍で呻く猫耳の中年男性と、忍装束の女。

「ふん、他愛もない。だが貴様は生かして連れてこいとの依頼だ。感謝するんだな」

リコリスはにやにや笑いを浮かべながら近づく。

「貴様は10年前他の奴隷を率いて集団脱走を引き起こした。
その後も各地で奴隷の脱走を手引きしていたそうじゃないか?
バフートの商人どもはお怒りだ」

周囲には二人を取り囲むように、ミレー族の男たちが武器や農具を構えている。
恐らく目の前の男はこの村の村長のようなことをやっていたのだろう。
殺気立った目が、リコリスを睨む。
だが彼女は意にも介さない。

しびれを切らしたように、叫びながら一人の男が武器を振り上げた瞬間だった。
視線すら寄越さずにリコリスは手裏剣を放つ。
それは男の武器を綺麗に切断する。彼は腰を抜かして失禁した。

「別にな、全員連れてこいとも皆殺しにしろとも言われていないんだ。
コイツだけ連れていけばそれで、終わりだ。
別にここの場所を話したりもしない。いいな?」

リコリスは周囲を睨みつけ、それから再度標的のもとに向かう。
内心、報酬の金で何をしようかとあれこれ考えながら。