2020/09/14 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にナターシャさんが現れました。
ナターシャ > ―――――今日も、少女は木漏れ日の中に居た。

いつもの服装、履き慣れた靴、白い耳をぴんと立て、長い尾を上機嫌に揺らし、
手には小さな籠を提げて、里から程近い森の中。
灌木の陰を覗き込むように身を屈め、あれ、と小さな声を洩らして。

「あれ、……ここだと思ったんだけど。
 もう少し先、……あっちのほう、だったかなぁ」

この辺りに父の好物である、真っ赤な果実が鈴なりになっている、と聞いて、
いそいそと収穫に訪れたのだが―――それらしきものは見当たらない。
もしかすると場所が違うのだろうか、と周囲に視線を巡らせ、
少し迷ってから、軽やかな歩調で歩き出す。

里からあまり遠ざかるのは良くないけれど、父の喜ぶ顔は見たい。
もう少し、ほんの少しだけ、と、木々の間を擦り抜けながら進み――――。

ご案内:「ミレーの隠れ里」にナターシャさんが現れました。
ご案内:「ミレーの隠れ里」からナターシャさんが去りました。