2019/03/31 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」に騎士アルダーさんが現れました。
騎士アルダー > 嘗てはとあるミレー族達に依って作られた里が在った。
然し現在其処にはもう誰も居ない。
朽ちた建物が建ち並び、離れた場所には墓標が並んでいた。

彼は其処に居る。
魔族で在る筈の彼が、此のアイオーンの加護在る場所に。
だが魔族を識別出来る存在が若し居たのならば、其れに気付く事はない。
何故為らば、今の彼は人間で在るのだから。

「……」

今、彼の主で在る存在は彼にこう云った。
『君の愛した君、あのミレー族の血族は今だ絶えていない』と。
200年以上も昔、まだ人間で在った頃。
契りを結んだミレー族の娘、其の名は…

「レイティア」

其の名を呟く。
ミレー族が今の立場と成ってしまった時期。
彼は英雄候補と云われる存在だった。
まだ人間の為に武器を持ち、人間の為に戦い続けていた。
あの事件が起こる迄は。
全てを失った彼が最期に望んだのは、部下達の報復と、彼女の安息の日々。

想いを振り払う様に首を振り墓標から視線を外す。
此処には別件の用事の序でに立ち寄っただけなのだ。

騎士アルダー > 「私達の血は今だ残っている、か…
彼等の血は絶えていると云うのに何と滑稽な話だと、そうは思わないか?」

誰も居ない場所、其処で只の墓標に向かい語り掛ける。
彼等とは、自身を部下共々死に追い遣り彼女を狙おうとした者達。
当時の人間で在る王族貴族達。
そして其れを行ったのは主で在る魔王メフィストフェレスだった。

一陣の風が吹き木の葉を戦ぐ。
彼は一度腰に帯びた剣の柄に触れ、広がる夜空へと顔を向ける。

「長居は無用か、そろそろ戻るとしよう。
……機会が出来たら何れ又会いに来るよ」

そう最後の言葉を残して、周りに広がる森林へと向かい歩き出す。

騎士アルダー > 彼がミレー族を弱点とする理由。
其の根底と為る存在が静かに眠る場所。

月明かりに依って、片耳にだけ留められた星を模る耳飾が輝く。
ゆっくりとした足取りで彼は森林の中へと姿を消して行った。

ご案内:「ミレーの隠れ里」から騎士アルダーさんが去りました。