2017/02/19 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にシャーロットさんが現れました。
■シャーロット > 人の目を避けて隠れ住むミレー達の集落
陽も沈もうかという時間
集落はにわかに慌ただしい騒ぎの中にあった
大型の装甲馬車が4騎、5騎と連なるように集落へと侵入してきたのだ
一目で人間だと気づいた集落の長は女子供に家の中から出ないよう伝達したのだろう
表は大人の男のミレーばかりが警戒するように馬車を取り囲んでいた
「なぁにこの村…大人の、しかも男のミレーしかいないのぉ?」
間延びした口調で話す少女は一番奥の馬車から現れる
最後に到着したその馬車だけは紋章が据えられた装飾華美なもの
貴族の持ち物であると察することは村の者達にもできただろうか
■シャーロット >
「そぉんなわけないわよねぇ?
こんなにたくさんおうちがあるんだもの…隠れてるだけでしょ♡」
口元を扇で隠して不敵に笑う
村人達ももう気づいている
隠れ里を見つけた貴族がやることと言えば、どの道一つしかなかった
「炙り出して♪」
その声を許しとして、従騎士達が建物に片っ端から火矢を放ち始める
激昂した村人達が抵抗しにかかるが、
最高級の装備を持つシャーロットの私衛騎士団に次々と斬り伏せれ、鎮圧される
誰かが吠えた
"この村を滅ぼすつもりなのか"と
「ん…?」
確かにやり口を見ればそう見えるだろう
実際は焼け落ちる家から逃げ出した、商品価値のあるミレーを捕まえるだけなのだが
しかしまぁ、そう言われると……
「そうだけど~?」
滅ぼしたくなるのが、悪意から成るこの少女の答えだ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にカナムさんが現れました。
■シャーロット >
立ち昇る炎と煙
悲鳴と逃げ惑うミレー達
混乱と暴威に集落は包まれる
女、子供は捕まえられて片端から装甲馬車へと詰め込まれ、
人数が一杯になった馬車から足早に出立してゆく
怪我をし、あるいは命を奪われ、
ミレー達が抵抗をやめる頃
小さな村は一軒残さず家を焼かれ空を黒く染めた
「……あら、もう終わり?少なかったのねぇ。
ま、小さいところじゃこんなもの?」
ミレーの隠れ里を見つけたと報告を受け、大型の馬車を5台手配したはいいものの、
3台目すら埋まりきっていないようだった
「隠れ里だっていうから、もうちょっと多いのかと思ったのに、
……老人や男のミレーを持って返っても仕方ないもんねぇ」
呟きながら、足元に転がる虫の息のミレーを踏みつける
くぐもった声が漏れ、やがてそれも聞こえなくなった
■カナム > 「こっちかな…」
暫く仕事がない
そんな悲しい現実から目を背けて久しぶりに修行をしようと九頭龍山脈に入って一週間
静かな自然の中で精神統一にもってこいなのに今日は違った
遠くの方で煙が立ち微かに悲鳴も聞こえる
あっちには食料を分けてくれたミレー族の里があった筈
自然と足が進んでいき広がる光景に首を傾げる
「何で貴族がここに?」
隠れ里は基本魔術で隠されている
奴隷狩りから隠れる為…絶対にばれないとは言わないけれど安全だとは思っていた
魔術師でも雇って狩りに来たのか…
「とりあえず飯のお礼はしないと、ねっ!」
鉈を構え身体強化と共に飛び出す
ここで高級装備な騎士達の対処法を紹介!
全力で近付き鉈の背で頭にフルスイング
「中に綿でも詰め込んどけばぁ?」
小気味悪い音と共に動かなく騎士を見下ろす
まずは一匹だ
■シャーロット >
3台目の馬車が出立し撤収作業がはじまる最中、
その一角でちょっとした騒ぎが起こっていた
騎士達が誰かを囲んでいる
どうやら少年のようだが、その少年の足元には騎士が一人倒れていて…
「ふぅん…?」
あの少年がやったのだろうか?
王国を防衛する最前線の騎士団、その騎士団長クラスの人材を集めた私設騎士団だ
並大抵の子供に遅れをとるようなことはまずありえない
「開けなさぁい」
鶴の一声、少年を取り囲んだ騎士達が一斉に整列を組み、道となる
「ミレー族には見えないわね~」
騎士達が退くことでようやく見えたその姿をまじまじと見つめる
■カナム > 「装備は上、質もそれなりかぁ…」
喜色を浮かべ周りを見る
雑魚ばかりだったらすぐに終わっていた
これならかなり遊べそう
「うわ、キモ!」
騎士達の統制のとれた動きに一言
完璧に揃った動きは見ていて不気味であまり気持ちいい物じゃない
声のした方を見れば…ドレス姿の女
綺麗だけれど性格がきつそう
「ミレー族な訳ないじゃん。目の色可笑しいけどちゃんと見えてんの?」
馬鹿にした様子で尋ねる
さてどうしようか…この数相手となると鉈では少し不安
……でもないか、最近魔剣ばかり振っていたせいでご機嫌斜めらしい
今も腹が減ったと五月蠅い位だ
「大人しく帰るなら見逃してあげても良いけど…どうする?」
ニタニタと笑いそう提案する
帰る訳ない、そんな事はしないと確信した提案
既にミレー族に被害が出ているんだしただで返す気もないのだけど
■シャーロット >
冷たい視線を向ける、そしてそのままドレスの裾から、華美な装飾の為された銃を取り出す
すっと銃口を少年、カナムに向ける……が
そのままするりと下へ降ろし…
───、一発、二発、三発、四発、五発
あたりに火薬の香りが漂う
少年の一撃に倒れ伏していた騎士は赤黒い血溜まりを作り、絶命していた
「そんなことよりぃ」
にこりと一転して明るい無垢な笑顔
「キミ、すごく強くなぁい?
私のところで雇ってあげましょうか?」
──自身に向けられた言葉などまるで聞いてもいないという様子だった
■カナム > 「っ…」
銃とは面倒くさい
防ぐか躱すか…悩んでる内に足元に転がる騎士に鉛球をぶち込んだ女
血だまりに沈んで物言わなくなった騎士…
「…ァハ」
帰る気も無しで相手は屑
ここまでおぜん立てされるなんて最近の不運でもお釣りが来そう
「雇わせてくださいお願いします
そう土下座したら考えてあげようかぁ?」
キシッ!
獰猛な笑みを浮かべ真横に飛び込み騎士の顔面に鉈の刃を叩き付ける
鎧の形を歪める程の力任せの一撃
鉈の刃に伝わる血が地面に滴り落ち…鉈は喜びの声を挙げる様に鈍く光を放つ
■シャーロット >
「はい交渉決裂♡
もういいわよ~遊んであげなくて」
───顔面に鉈を叩き込まれた騎士が起き上がる
何度か首を捻りダメージを確かめてから、剣を構えた
一人一人が王国の騎士団長クラス
その評判は決して誇張でも何でもなく、現実的な戦力である
少年との距離を警戒しながら囲う様子は隙がなく、それでいて統率が取れている
ただ強い人間の寄せ集めの烏合の衆とはあmるで違う、レベルの差を感じるだろう
「待遇くらい聞いてくれても良いのに、変な子~♪」
その囲みの奥で愉しげに笑うシャーロットの声が聞こえる
■カナム > 「ハハ、そうそう…遊びなんて要らないよ」
肌が焼けつくようなこの感じがたまらない
1対多数、どう見ても状況は絶体絶命
けど……
「八卦山の化け物共よりは怖くないや」
背後に振り返りそのまま突進
また鉈を騎士に叩き付ける
考え無しの無謀な特攻に見えるだろう
「お腹一杯召し上がれぇ!」
剣鉈の一撃を防いだ筈の騎士の腕が弾け飛ぶ
まるで内側から爆発した様に
気力の扱いを教わった今は昔とは違う
鎧を着こんだ騎士はもう脅威ではない
只の動きの遅い的だ
返り血を浴びながら次の獲物を睨む
■シャーロット >
『いい力の使い方だな。その辺の修行僧なんざ真っ青だ
で…俺の腕が吹っ飛んだようにでも見えたかい、少年?』
低い声が騎士の甲冑の奥から響く
「──舐めているのは、どちらなのかしらねぇ?」
文字通りの猛者の集合体
一撃をくれただけで倒せた等とは思い込みもよいところ
次の獲物へと視線を向けたその背へと遠慮なく騎士は刃を振るう
それを切り口にするように槍、斧、それぞれの特性を最大限に活かした波状攻撃がはじまる
■カナム > 「へぇ…いいねおっさん」
背中が熱い、まるで燃える様
思ったよりも強いらしい…なら完全に潰すだけ
「もっともっと、楽しもうぜぇ!!」
致命傷は躱しそれ以外は甘んじて受ける
周囲から降り注ぐ武器武器武器
気を叩き込み昏倒させながらも波状攻撃は止まらない
数の暴力万歳…
数分か数十分か…既に自分の体中が血濡れでどれが自分の血かも分からない
騎士の残りはまだ半分以上
削っても終わりがまだまだ見えないこのまま続けると体力が尽きてこっちが先に終わり
「最悪のピーンチ…逆転目指して頑張ろうか」
布を手に巻き鉈を手に固定する
やり合ってる最中に手放すなんて馬鹿な真似はしたくない
固定していないと手放しそうなのは秘密
さて、どうしたものか…
■シャーロット > 騎士達は賞賛するだろう
魔王を相手どって尚、優勢に立ち回るであろう従騎士達を相手に、たったひとりで渡り合う
この少年が味方であったならば、と思う者も少なくなかった
少年の孤軍奮闘は凄まじかった
が、半壊した従騎士達は既に持ち直しつつある
それもその筈、装甲馬車に乗っていたのは騎士達だけではない
万が一の抵抗を想定し、回復・治癒魔法に長けた魔術師達が控えている
騎士達とて死線を潜り抜けた猛者達、致命傷を避けるくらいの腕は誰もが持っている
「ふぁ…あ……あら、まだ終わってないの?
ねぇ、もう飽きちゃったわよぉ?」
扇子を口元に当てて欠伸を噛み殺すシャーロット
恨みを買うことばかりしているのだ、こんな状況はよくあることなのだろう
「雇ってくださいお願いします…って土下座したら考えてあげようか?」
■カナム > 「まだ終わってないんだよねぇ、これが…」
ハハッ、渇いた笑みを浮かべる
大暴れして削った相手は段々回復して戻ってきている
実際殺せたのは両手で数えるより下の数だろう
「雇わせてくださいお願いします、でしょ?」
何バカ言ってんの?と嗤う
チラリと装甲馬車を見やる、ミレー族の女子供が満載の馬車
持って帰られればどうなるかは目に見えてる
「はぁ…ゲホッ…やっぱ僕もまだまだ雑魚だなぁ」
師匠…彼女ならこんな相手瞬殺なのにと自嘲が止まらない
修行で見に付いた力に酔いすぎてたらしい
「降参だ、このまま続けても僕は勝てないや」
鉈を腰元に戻す
■シャーロット >
少年の降参宣言を受けて、騎士達が刃を降ろそうとする、が───
そこへ銃声が轟く
シャーロットが頭上に向けてフリントロックを撃ち放った音だ
それにより、刃を降ろしかけていた騎士達が緊張感を取り戻す
「──そうそう、その子の言葉で動いちゃだーめ♡
そんな子の言うこと信用できるわけないでしょー?
ちゃあんと警戒、ね。僅かな変化も見のがさないように、わかってるでしょ?」
気を抜こうとしていた騎士達は警戒を強める
今の銃撃は単なる警告、次は自分達のところへ飛んでくるというのは目に見えている
「ほら、さっさと出発しなさい?
あの子が恨めしげに見てるじゃなぁい」
シャーロットの言葉を受け、三台目のミレー族を乗せた馬車が鞭を鳴らし出立する
「──さぁて、キミのおかげで騎士の数が減っちゃったわぁ。
これだけ戦える人間、王国内じゃ探すのなかなか難しいのよ?
どう責任とってもらおうかしらぁ……」
場に似合わぬ優雅な動きで、少年へと歩み寄ってゆく
■カナム > 「血みどろの満身創痍な1人相手に何警戒してんだか…」
面倒くせ~と口に出したい
油断の一つぐらいしてもいいんじゃないの?
「じゃぁさ、あの馬車に乗ってる奴等解放してよ
それで僕を雇うってのは?」
よいしょ、と地面に座る
正直寝転がりたいぐらい疲れてるし体中が痛い
気力も攻撃にばかり使って回復が追い付いてない
「あ、因みに解放しないとか言うなら…こいつで自爆するから
この辺りは全部吹飛ぶだろうけど…死なば諸共って奴?」
腰に差した魔剣を抜いて地面に突き刺す
波打つ刃の赤い魔剣、結局今回は使わなかった切り札を晒す
奴隷として物として扱われるより彼女達もそっちの方が良いだろう
■シャーロット >
「──随分とミレー達のことを気にかけるのね?
あの子達のお知り合いかなにかなのかしらぁ?
あと…先にこちらに手を出したのはキミのほうなのよ?
何勝手に自分に有利な条件を出してるのかしらねぇ…‥」
よくよく考えれば襲い掛かってきた理由も不明のまま
馬車で運ばれてゆく者達の友人や知り合いだというなら、まだ話は通るのだが
「それでいて最後は脅しだなんて、野蛮だわぁ。こわ~い♡」