2020/05/01 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」2(イベント開催中)」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 「ふむ…話を聞いたのは、結構前なんじゃがのぅ。
いやはや、こんなものが、こんな場所にあったとは…
えーっと…名前…名前…」
ここは、城塞都市アスピダを目視出来る、そんな程度の距離をおいた場所。
それなりの高さを持つ樹木、その枝の上に佇み、少女は呟く。
額に手を翳し、眺めてはいるが…
まぁ、うん、中を覗ける程に高い樹木でもないので、中は見えない。
それでも、なかなかに大きいのは、ぱっと見でも分かる。
と、その名前、聞いたはずなのだが…
「おぉ、そうそう、あすぱら、じゃったっけか?
………うむ、何か違う気がするのじゃ」
ぽむっ、手を打ち、浮かんだ名前を出してみた。
間違ってはいるが、気にしたら負けだ。
たんっ、と枝を蹴り、もう少し手前の樹木に移る。
こちらからは、あちらはそれなりに見えるが、逆は木々に隠れ見え難い感じだろうか?
まぁ、それでも、完全に隠れ切っている訳でもないし、相手によっては見えるだろう。
■タマモ > 話には聞いていた、しかし、興味はなかった。
別に、この九頭龍山脈で、何をしていようと、それは自由だ。
しかし、自由だからこそ、その責任もすべてを背負う。
ここからそう近くはないが、この九頭龍山脈にある、小さな村の一つ。
少女がここで迷った時に、ちょくちょくと訪れる、そんな場所になっている村だ。
そこにも、ここに居るらしい連中が、ちょっかいを掛けたらしい。
それを聞き、確かめに来た訳である。
「ふぅむ…お返しに、何かちょっかいを…と思うたが、面倒そうじゃのぅ。
大した事がなさそうなら、堂々と突っ込んでやろうと、そう思ったんじゃが…」
軽く腕を組み、唸る。
見た目だけで、中身は大した事もない、そんな連中も、決して少なくはないのだが…
ここは、どうも、そんなものが感じられないのだ。
こうした時の、己の直感は従うに限る。
と言う訳で、遠目に眺めているだけ、なんて状況になっていた。
まぁ、数人程度が出てきたなら、軽く手を出す事も出来ようが。
■タマモ > 別に出て来るのを待たずとも、手が無い訳でもない。
ここから見える、城壁の上、そこに誰か立ってくれるだけでも良いだろう。
姿さえ見えれば、その者に化ける事が可能だからだ。
もっとも、その手を使う場合、触れた時と違い、その者自身を演じられない。
実は知っていた相手、ならば大丈夫だが…そんな相手、この中には居ないだろう。
「むむむ…今回は、見て回るだけにしておくか…?」
とん、とん、と枝を飛び渡り、城壁に沿って横移動。
うん、見渡す限り、壁ばかりだ。
少し前に、入り口らしき扉はあったが。
上を跳び越しても良いが、それはそれで、何か嫌な予感。
そこには、目に見えぬ魔法障壁が張ってある。
魔力を感じられぬ少女だが、直感がそれを引き止めて。
転移、それも、中の光景を知り得ていなければ意味がない。
そう言った意味でも、誰かが居れば、助かる訳だ。
■タマモ > と、城壁の入り口が開き、何人かの騎士達が出撃する。
その光景を目にすれば、くすりと、少女は笑みを浮かべた。
「丁度良い、あれを使わせて貰うかのぅ」
騎士達の内の一人、その者に視線を向ける。
枝から身を舞わせ、ふわり、と気付かれぬように地面へと着地。
そして、意識の集中、今は目視しているのだから、それだけで良い。
と、ゆらりと少女の姿が揺れ…それだけだった。
「………おや?」
かくん?少女は首を傾げた。
触れるのが確実だが、触れずとも、その姿を見れば、その者に化けれる。
出来ないのは、無機質な物体とか、体を持たぬ幽霊とか、その類の程度のはず。
つまり、それが意味するのは…
「あぁ、そうか…これは、思ったよりも面倒なものらしいか…」
はふん、少女は軽く溜息を吐き、ぽりぽりと頬を掻く。
どうしたものか、こう言ったものに関わるのは、あれだ。
「ふむ、そうじゃな。
また後日にしてやろう、覚えておくが良いのじゃ」
びしり、城壁に向かい指差す少女。
誰も聞く者も居ないだろうが、そんな言葉を発し、たんっ、と地面を蹴る。
次の瞬間には、少女の姿は、その場から掻き消えていた。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」2(イベント開催中)」からタマモさんが去りました。