2020/04/24 のログ
■ティクス > …………そして。どれだけの時間が経過しただろうか。
決して、長い時間ではなかったのかもしれない。だが体感として。恐ろしく長時間に感じてしまう。
緊張故に滲む汗が。ぽたりぽたりと滑り零れて、足元を濡らし始めた頃に…動きが有った。
鎧の影が遠離る。一瞬だけ、月光を反射して鈍く光ったかと思えば。直後には夜闇に溶けて見えなくなった。
「…………っ………」
一気に緊張が解け。力が抜け。肺の中身を根刮ぎ吐き出しながら、城壁の上でへたり込む。
何も考えずに撃つのではない。しっかりと物を考えて、撃つか撃たざるかを判断する……人間的な行為は。恐ろしい程、気疲れしてしまった。
…頭目と呼ぶべきなのか。今も、団長と呼んだら良いのか。
かの人物はこんなにも、意識を根刮ぎ削がれるような。敵味方に対する選択を、常に繰り返して来たのだろうか。
考えるだけで更に気が遠くなってしまいそうになりながら。一気に荒くなった呼吸が落ち着くまで。座り込んで動けずにいた。
その後。見張りの交代要員がやって来るまでは。無事に過ごせた、そう思いたい。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」2(イベント開催中)」からティクスさんが去りました。