2022/05/08 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」」にシャノンさんが現れました。
シャノン > 「ふぅ、ぅ………ちょっと、失敗した、かなあ……」

城塞都市内部、略奪品が山積みにされた倉庫の片隅。
数人の少年少女たちと同じ鎖に右足首を繋がれ、揃いの首輪を填められて、
ごろん、と藁の寝床に転がっている娘の口から、ぽつりと呟きが落ちた。

薄暗く、狭苦しく、しくしくと泣きじゃくる声ばかりが響く、
なんとも湿っぽくて、鬱陶しい場所である。
枷も首輪も、もとの姿に戻ってしまえば簡単に外れると思っているから、
娘はほかの少女たちのような、切迫した危機感とは無縁。
ただ、ほんの少し、面倒臭いことになったなあ、と思っているだけだった。

「てゆか、ここ、ご飯とか出るのかな。
 出ないとしたら、……やっぱ、とっとと逃げるしか」

この娘の悩みどころなど、所詮、そんなところである。

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」」にアラクレさんが現れました。
アラクレ > (足音を隠すこともなく、襲撃で得た略奪品の物色をする為に、片手に縄を持って倉庫を訪れる。
中を見回せば鳴いている少年少女達の中で、一人寝転がっている少女を見つけ、これは面白いやつもいるもんだと楽しげに、にやりと笑い近づいてく)

「おい、そこのお前、他の奴らは泣きじゃくってるっていうのに、なかなか肝が据わってるじゃないか。
度胸のある奴だな、良かったらこれからちょっと俺に付き合わないか?
用事が済んだら飯でも酒でもたらふく食わせてやるからよ。
なんだったら、俺達の仲間に入ってもいいし、そん時は俺が口利きしてやってもいいぜ?」

(にやにやと楽しげに少女を眺め、団へと勧誘をしながら少女の首輪に持ってきていた縄を繋ぎ、脚の鎖を外していく。
肝の据わった度胸のある少女、斥候に適性のありそうな体躯に仲間にならないかと面白そうに尋ねる)

シャノン > 近づいてくる足音だけで、少女たちの中には失神する者まで出る始末。
けれどもこの図々しい娘が明らかな反応を示すのは、倉庫へ入ってきた男が、
こちらへ、声を掛けてきてからのこと。
もぞりと身動ぎ、おもむろに上体を起こすと、まっすぐに禿頭の男を見据えて。

「泣いたりわめいたりしたら、よけいにおなか空くじゃん。
 そーゆー無駄なこと、あたし、しない主義なんだよね」

そこまで言って、んん、と両腕を高く掲げる。
首輪へ縄を繋がれるまま、上体をぐっと伸ばして、あくびさえ洩らし。

「仲間、とか、全然キョーミ無いんだけど、
 ………てゆーかどーせ、拒否権なんか無いんじゃないの?
 断っても、腕ずくで引き摺ってく気じゃないの、あんた」

腕も肩も胸板も、なにもかも規格外の逞しさ。
逆らったところで、痛い目に遭うだけのような気がする。
逃げるにも正面切ってでは難しいので、まあ、ひとまずは。
ご飯をくれる、という部分だけを信じて、素直に立ち上がろう。
――――素直に、というわりには、物言いにはミもフタも無いのだが。

アラクレ > (こちらに怯えた様子もなく、寧ろ人を喰ったような答えを返してくるのを聞けば楽しそうに笑う。
縄を首輪につなげながら、なるほどなるほどと頷いて)

「確かに、腹が減ったら戦は出来ないし、いざってときに力が出なくて逃げるに逃げられなくなるだろうからな。
なかなか理にかなった主義じゃないか。
それに、俺に怯える様子もないし、それも無駄なことをしない主義だからか?」

(欠伸をしている少女に、面白そうにして、興味がないとはっきりと言われればおかしそうに笑う。
その割には拒否権なんてないだろう、と言ってくるのに無駄なことはしない、というのは徹底しているなと感心をして)

「はっきり言うな?
それで俺が怒って酷いことをするとか思わないのか?
まぁ、確かに拒否権なんてないし、最悪、腕ずくで連れて行くつもりだったが。
それじゃあ、ついてきて貰おうか。
俺の用事が済んだらちゃんと飯を食わせてやるからよ」

(素直に立ち上がる少女、こちらに逆らわないのもいいことだと言うように笑い、縄を引いて倉庫を出ていく。
そして少女を連れて向かうのは、砦の中の自分の部屋で)

シャノン > 「そぉ、ゆぅこと。 ついでにいうとぉ……」

にっこり、笑顔になれば唇のあわいから、真っ白い八重歯が覗く。
鎖を外されれば、とりあえず、普通に立てる、歩ける。
走り出すのは多分、首輪に引っ張られるから無理だろう。
かさっ、と藁を踏みしめ半歩前に出て、すいと左手を浮かせ。
男の胸元へこつりと、ゆるく握ったこぶしを宛がいながら、

「怒ってたって怒ってなくたって、ヒドイこと、するつもりだと思ってるよぅ?
 でも、ご飯は欲しいからね、……とりあえず、ここ、鬱陶しいし」

じめじめ、うじうじ、そういうのは嫌いなのだ。
だからまあ、ここから出られればいつだって、逃げるチャンスはあるだろうと、
その程度の考えでもって、その思考を隠そうともせずに、
少女はすたすたと、奴隷にあるまじき堂々たる足取りで歩き出す。
数歩、歩いたところでそうっと、奪われた靴を再度出現させ、
ちゃっかり、素足での道ゆきも回避しつつ。

――――――ただし残念ながら、男の部屋へ辿り着くまでに、
こっそり逃げ出すことは叶わなかった、という。

アラクレ > (移動いたします)
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」」からアラクレさんが去りました。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」」からシャノンさんが去りました。