2021/11/23 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にクレイグさんが現れました。
クレイグ > 色々考えて人のいる方へ歩いていくと、何個か小石がジギィの足元へ転がってくる。
飛んできた方向を見ると、薄汚れた皮鎧に身を包み、腰に片手斧を付けた盗賊風の男。
額辺りまで黒いバンダナを撒き、驚いた様子でジギィをみつつ。

「っんだ、良い女がいるじゃねぇか、ちと付き合ってくれよ」

偶然気づいたように、驚いた感じで声を掛けて腕を引く。
その先は所謂連れ込み宿、比較的外に近く、何かあった時逃げれそうな場所ではあるが。

「なぁに、素直にきてくれりゃ(老後まで)、だいじにしてやっからよ」

と、途中小声で、以前あった時に言われた言葉をだしながら、ウィンク一つ。

ジギィ > 足元に転がって来る小石。
咄嗟につまづくも蹴飛ばすも決め切れずに結局ぴょんと飛び越して。
着地してから声を掛けてきた方を見る。フードの奥から上目で、いかにも『うわぁやばい』という顔で。

「…あらま、わかってるじゃないの、おにーさん」

近付いて来る相手が誰なのか、解ったので腕は振り払わずに済んだ。チャンスがあればココで悶着を起こして、騒ぎを起こしたらそれに乗じて人に紛れようと思っていたからだ。

「老後っていったって、私の方が長生きなんだから言葉に注意してよね…まあちょっとだけなら。あ、言っておくけど高いからね」

腕を引かれ、しぶしぶと言った体で歩き出す。途中で示したのはもちろん『お金』マークだ。

(…脱出の手段はあるんでしょーね)

建物は鬼門だ。袋小路か、脱出路か。
何も計画が無さそうなら当然の如く渋って、痴話げんかを演じ始めるつもりだ…

クレイグ > 「うむ、女だったら誰でも、いいおんなだしなっ」

くっくと怪しく喉奥で笑いながら、腕を掴んで、そのまま肩を組む。

(何でいたのかはしらないが、思い切り見張られてるじゃないかお前さん。
その宿の裏が水路になっててな、下流側の柵を外してあるから、今回逃げる分には行けると思うが、ちと冷えるぞ。
みかけなければ、もう少し情報集める予定だったが)

小さく言ってから、ゲラゲラと笑って。

「そこで金とるのかよっ、ったく、がめついなてめぇ」

そう言って、小袋を放ると、ジャラっという金の音が響く。

(あとはそのまま下流行けば、荷物と馬を用意してある感じだ。
濡れるのきつければ、騒ぎ起こすが?)

ジギィ > 「さいてー。ちょっと、安くみないでよお」

如何にもはすっぱな調子で答えて、肩を組んできた腕をぎゅっと抓り上げる。

(わるかったわね。ちょっと目ざとい人に掴まっちゃったみたい。
 場所わかったら一人で行けるよ。ありがと)

丁度放られた小袋受け取ってにっこりと満面の笑み。
少しくらいはしなだれかかって、娼婦を演じて見せようか。

「あらあ、商売だもの。当たり前でしょ?
 本当はわたし、良い所で勤めてるのよお。普段はアンタみたいのには手だせないんだから、感謝してよね」

超適当に身分を言う。この都市の高級娼館など解らないのと、ちょっとおつむの足りない感じを上手く合わせ技にしたつもり。
そのまま連れだって連れ込み宿に雪崩れ込んで、部屋のひとつへ行くだろう。
扉を閉めると女エルフは口元に指を一つ当てて、シィーという言葉と風が吹くような音を同時に零す。

「……ハイ、盗聴防止おわり。
 たぶん適当に喘いでる声とか、扉の外で聞こえてると思う」

そう言うと女エルフは恩人に振り返って、けらけらっと笑う。

クレイグ > 宿の部屋に入り、ジギィの言葉が終わった後で。

「はぁ…ジギィが魔法とかで気配とか変えて無かったから気づけたけど、驚いたな」

魔法が関係してなければ体格、歩き方、気配で変装やマントで外見隠したくらいなら見破れるという特技を持っていたりする。
魔法が関係した瞬間、その特技はほぼ意味をなさなくなるのだが。

「情報収集で入ってきてたのか?」

バンダナを外せば、額に傷、灰色の髪の中年の戦士の顔がいつもの感じに見える。
素で山賊や盗賊に間違えられそうではあるのだが、今は普段つけている防具や、武器も違うんで余計にだが。

「ちなみに、こっちは見ての通り、情報収集だったわけだが」

一息ついたからか、腰から小袋一つ取って、中身を必掴み口へ放る。
それをジギィにも差し出す。
ちなみに、今日は水袋が一つしか腰にないんで、酒はなさそうだ。

ジギィ > 知った顔を確かめるとうふ、と笑って肩を竦める。

「いつもなら外側で偵察組なんだけどさー、上手い事情報収集出来たら追加ボーナスあるって話だったし、たまにはどうかなって思って。
 驚かせてごめん、でも助かったよ」

差し出されたものを手にして、いつものベリーだと確かめて唇に押し込む。

「流石ー、都市内の情報収集組はお給料違うって聞いてる。
 …ま、理由は身に染みたよ。できないことは無さそうだけど…まあ暫くは止した方がよさそうだね」

暫く頬の中でベリーを転がしてから、むぐむぐと噛む。そうやってくるりと目を回して

「私はすぐ撤退した方がよさそうだね。
 クレイグはまだ暫く居るの?それとも一緒に寒中水泳いく?」

にっこり笑うと、親指で部屋の窓の向こう、宿の裏の方向を指す。
水路からだろうか、さらさらと音が聞こえてくるが、この季節、爽やかとかいうよりすこーし寒い音に感じるだろう…

クレイグ > 「ま、ボーナスは魅力だわな、問題は内部にさっきみたいなやばいのが結構いるみたいでな」

助かったよとの言葉には手を軽く振ってこたえ。

「そこそこ出るのは確かだな、情報は取れなくても内部での動きってのだけでも外から見るのとじゃ違うしな。
やばいのがいるってのと、お前さんエルフだから気配が人と少し違うんだよ、少なくとも俺はそう感じる」

苦笑しながら種族差も指摘する。

「あー、そうだなその方がいいだろうな。
俺も一緒にいくかな、怪しい相手と接触したって事で探られそうだし。
それに、眼福のチャンスもあるかもだしな」

くっくと喉奥で笑いながら、頷く。
この寒空に水路は少しは想定外だと信じたい所だ。

ジギィ > 「意外とちゃんと訓練されたやつが配備されてるみたいねー。それが解っただけでも今日は儲かったな。クレイグには悪い事しちゃったから、しばらく薬草は半額で卸したげる。
 …えーそうなの。こんなにカヨワイオンナノコなのにい」

口元に拳をあてて、女エルフはくねっとシナを作って見せてまたけらけらと笑う。
ひとしきりそうやって肩を揺らしてからすこし、真面目な顔を作って窓の外を見る。真っ暗なその向こうは、外壁がすぐそこにあるはずだ。

「…ま、この王都でエルフは珍しくないと思うけど、ありきたりってほどでもないもんね。気を付ける。
 あらま、ちょっとした道行だね?心臓発作起こしたらキッツイ気付け試してあげるよ。あと風邪薬も無料サービスしちゃう」

笑う男に向き直ると首を傾げて見せて、くすくすと笑う。
それからまた窓に向き直るとそおっと開けて、下を確かめて…

月のない夜。恐らく彼の助力も大いにあって、寒空の下の脱出は事なきを得ただろう。
そのあと、二人して風邪予防は上手くいったかどうか。少なくとも女エルフは言葉通り、男が風邪をひいたならばありとあらゆる薬を(試験も兼ねて)使って、完治まで面倒を見ただろう…

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