2021/02/01 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 空に昇った月を幾つもの叢雲が過ぎる。
冬の最中ぬるいような風が吹いていて、城塞都市を囲む林の木立はざわざわと音立てて夜の空気を満たしている。

その林の中、灯りも持たずに進む人影がひとつ。
根太や生い茂った草の合間を、足を取られることもなくするすると進んで行く。

(―――あとどれくらいかなー…)

心の中で呟いて、銅色の肌のエルフ女は気配を探るためすこし足取りを緩める。
城塞都市は今どんな状況なのかは知らないが、この森林区域が安全地帯ではないことは確実だ。
そんな場所をしかもこんな時間に進むのは、女の請け負った『配達』がどうやら追っ手付きだったからだ。
対峙して因縁をつけるのが嫌な時は、わざと相手が嫌がるような場所に紛れるのが一番。

今いるのは都市のほど近くだろう。
遠回りは承知でぎりぎりを迂回して、道なき道をダイラスへと向かうつもりでいる。

ざわざわという葉擦れの音以外は、時折夜鳥や獣が小さく鳴き交わす。
――――取り敢えず、追っ手はこの林を更に付いて来るのは諦めたようだ…
女の唇の端に少し笑みが浮かんで、しかし足取りは再び速度を取り戻す。
どちらにしたって、早く抜けるに越したことは無い場所だ…

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にイーヴィアさんが現れました。
イーヴィア > (要塞都市の付近――
王国としては「近付くなら自己責任」としか言えぬ場所だが
元はと言えば一部商人の行路であったり、木材や鉱石の採掘地でも在る
単純な盗賊被害と言うだけでなく、資源も滞りがちとなったのが
余計に困った事になっている訳だ、が

――大きな荷物を背負った影が、女の前
木々の間を、ゆっくりと歩くのが見えるだろう
山歩きに慣れているのだろう、荷物の割に気配は薄く
女の目でなければ、恐らくは捉えられたかも怪しい
こんな場所だ、当然盗賊で在るかも知れぬけれど

其の腰元に、ピッケルだのツルハシだの
明らかに鉱夫っぽい装備が下がっているのが、きっと違和感。)

「――――――……ったく、イイトコに砦なんぞ構えやがるぜ…。」

(小さく、呟きが溢れる。
付近に点在する、小さな洞窟に潜みながらの採掘
其の結果、最低限の素材は入手する事が出来たが。
やはり、砦側の目を避けての作業では、限度が在る)。

ジギィ > 女の早まった足は程なく、すこし目を見開いた後また緩められることになる。
気配だ。しかも、ほぼ真っ直ぐ、目の前に。
内心舌打ちをするけれど、その間にも気配を探っていれば、どうやら付近から想定されるような物騒な類とはすこし、違う様で…

(ご同業、かな?)

取り敢えず、迷い込んだ訳ではなく好きでここを訪れているが、この辺りの連中ではない、様に思える。
避けるか、どうするか。きっと気付かれても追ってきはしまい。
ならば。

「――――…」

わざと、小動物程度の葉擦れの音をさせてひょいひょいと近付いて、振り向く前に「どうも」なんて隣から声かけてみようか。

イーヴィア > (このまま、近い街まで踏破してしまうか
それとも、近くの洞窟に潜んで夜を明かすか
近い街であるならダイラスまで向かうのが一番だろう
ただ、盗賊連中が夜に動かないという訳でもあるまい
勿論、適当な連中で在ればあしらえるだろうが
盗賊は搦め手が殆どだ、アタマの良い連中とやり合うのは面倒に過ぎる。)

「――――……と…、……?
……はは、態々挨拶とは、律儀なこったね。」

(ふと――気配がする。
盗賊に着けられたかと、反射的に警戒込めて振り返ろうとしたが
その前に、態々とかかる声に、一寸瞳を瞬かせた
盗賊ならば問答無用に襲いかかるだろう
振り向いた先、見えた姿に、僅かに肩を竦めて見せては
完全ではないが、ほんの少しだけ、警戒を解いた。)

「こんなトコで人に会うとはね。 盗賊じゃないなら同業者か…。
それとも、旅人かな?」

ジギィ > 追いつき、隣に並ぶまでも新緑の瞳でじっと観察は続く。
カシャカシャと相手の腰にぶら下がって賑やかなものは森林の中に響くには硬すぎる音だが、嫌いじゃない類。
振り向ききる前に声掛けが成功したことに、瞬く相手に向かってにやっとわらって見せて歩調を同じくする。

「同業じゃないね。通りすがり…かな?」

全く以て嘘ではない。
好き好んで選んだ道の理由はちょっとあるので、ワケアリではあるけれど。

「そっちは?山登り? 好きだねえー」

早々に決めつけて言うとけらっと笑う。
吹く風に紛れそうに吐息とともに言葉をかけるが、不思議とかき消されはしないだろう。
女は殆ど鉱物とかそういう類は専ら使う方で、造る方の事情などこれっぽっちも知らない。…まだ。

「まあ貴方も迷子じゃないよね?
 迷子なら、一緒に連れてってあげなくもないけど」

視線を前に戻して、歩調を変えずに話しかける。
申し出は本気なのかそうじゃないのか、すごく曖昧な音色。

イーヴィア > 「山登りっちゃ山登りか、仕事でね。
やれ、例の砦のせいで、この山じゃ肩身が狭くなっちまって。」

(この山の事情を知らない訳ではない
つまり自分もそれなりにワケアリなのだと伝えよう
声は十分に通る、とは言え、響くほどの大きさでは困るから
あくまで相手に伝わる程度、だが。)

「迷子じゃあないな、其の辺はご安心をだ。
っても、ここからダイラスに戻るか、それともどっかに隠れるかは悩んでたけどなぁ。
もしかして、アンタもそっちか?」

(今の位置なら、実際ダイラス側に行くのが近い
とは言え、相手がそちらに向かうかどうかは判らない。
もしも真逆に向かうというのであれば、旅は道連れ、と言うのは少々考えてしまう所だが。

さて、同行する事自体は構わないような都度を伝えつつ
反応を伺って、相手の方を見)。

ジギィ > 「あれ、アタリ?」

山登りのくだりで、やったね―などと言いながら小さくガッツポーズ。
そんな事しながらも暗のなかで足取りは変わらない。
ダイラス、と聞けばくせ毛からはみ出ている長耳がぴくっと跳ねて

「わたしはダイラスのほう。
 …っても『ほう』ってだけでダイラスよりちょっと先なんだけど。

視線を前にしたまま言いながら、思考は廻る。

追っ手は多分撒けたから、あまり深刻に心配はしていないけれど
2人組になってこの森から抜ければ、更に目くらましにはなるだろう。
この森の中で人数が増えるなどと気づかれない…とまではいかないだろうが、時間稼ぎはできるはず。
ということで、申し出は実は女の方に利があったりしたわけで

「そうねえ、じゃあ一緒に行ってあげようか。
 えーと、おにいさん?おじさん?
 名前は?
 あ、わたしはジギィね」

横目でちらっと男の方を見――上げる。
正直よく見えなかったのでとても適当だ。もしかしたらいかつい女のひとだったかもしれない。
取り敢えず名乗ってから「――こっちのほうが、沢が近くて音が紛れるよ」なんて足取りの方向をちょっと斜めにしていく。