2020/07/19 のログ
■カーレル > 似てるか、と言われれば容姿は全く似ていないように思う
しばらく逢ってはいないのだが、手紙によれば、確か既に三児の母であるらしい
ただ、まあ何と言うか雰囲気が似ているというか
「あー…どうだろ?あんま似てない。ただ、雰囲気がちょっと…
いやー、女はすぐには殺されんだろ、この状況。向こうは砦に籠もりっきりだしな、連れてかれるんじゃない?
世を儚んで?とか、そういう心境に至っても不思議ではないだろ…」
勝ちに乗じて追撃に入った部隊や兵士がまさか反撃を食らうとは思っていなかったのだろう
襲った山村は支援や輸送の人員が殆どで、騎士や冒険者は早々に逃げてしまった、というのだから余計にだ
そんな兵士たちの心理を知ってか知らずか、上手く突き、数名の追手を昏倒させ、
巧みとは言えないが幾つか罠も設置して彼女と合流する
「悪い、悪い…近くまで追ってきて追い越しそうになったからつい、な…
…いや、そんなに大したもんでもないよ。勝ち戦で一番、転びやすいのって追撃の時だからなー…
追手の連中もご褒美にありつきたくて、足並み乱してたしな」
と言っても自分が倒したのは数名である
流石に追手の全てを倒すのは現実的ではないので、逃げるやつの中にまずいのが混じってる、と
警戒してくれれば幾らか歩みも滞るであろう…そうなると、じわり、と罠が利いてくるという寸法である
警戒して罠を見つけてくれればより、追手側としては慎重にならざるを得ない
「…というわけよ。羊の中に猛獣とは言わんけど、爪のあるにゃんこが混じってる位に思ってくれりゃこれ幸い
必殺技とやらで伸し掛かってくる男一人一人撃退できりゃ世話ねえけどな……なんだ、違うのか
…さて、冗談は兎も角、一番、近くの王国軍の陣地まで逃げ込もうや?
追手も巻いたわけじゃないから、アイツラが森を抜けるまでに距離を稼ぎたい」
そう言って、その場に膝を折れば彼女に背中を向ける
戸惑うようであれば早く乗れ、と彼女を急かしてみたり
■ティアフェル > 「雰囲気ねー…。わたしは長女だけど。妹らしさなんてあるのかしら。
ああ……なまじカワイイばかりにそんなピンチに陥ってしまうなんて……。
全員腐って壮絶に死ねと呪ってしまう」
出家するような可愛げは皆無な発言。きっとそののちは呪殺に人生を捧げるかも知れない。
カワイイ、と自分でほざいて額に手を当てて嘆かわし気に首を振り。
奇襲を仕掛けて上手く対処してきたらしいが、それにしても要領がいいなと感心し。
「そもそも脚の長さからして違うんだからさ。ほんとに妹いるの?
確かに追う者は背中ががら空きだもんねー。
トドメ刺してないなら起きる前に逃げ切りたいところね」
ただ逃げるだけではなく反撃した以上、目をつけられれば厄介だ。
罠を張ったのなら足止めにはなるだろうが、逆に面倒な目は潰せと躍起になって逃げたネズミを探し出そうとなってなければいいが。
離脱は急ぐに越したことはない。
「窮猫が噛む……。
手法は公開しないけど、わたしには手がある。集団となるとキツイけど……うっさいな……カンケーないでしょ。ほっといてよ。
それはまったく賛成だけど……え? いーの? どういう風の吹き回し――そうか、分かった! 有料ね! では遠慮なく。できればオマケしてください……」
背中を向けられて一瞬きょとんとしたが促されて、ぽん、と手を打った。生き残りたきゃ死んだと思って走れと云われるならともかく背中を貸してくれるとは意外。でも、あとで請求がくるのならば合点がいく。そういうことならば、と勝手に納得して、遠慮なくおぶさり。落ちないように腕を回してつかまり。そんな場合じゃないが若干おどける。
「世話かけるねえ、お若いのー…」
■カーレル > 女はみな一応に連れて行かれるような気もしたが、彼女が何か悦に入っているようなので黙っておいた
というか、先程まで泣き出しそうな状況であったのに、軽口を飛ばせるというのは、
確かに冒険者向きの性格であるのかもしれない、なんて思うのであった
「…なるべく殺さんように奇襲掛けたけど…打ち所の悪かったやつは判らん、死んだかもしれん
何にしろしばらくは見つからんだろうが、人数が人数だし時間の問題だな」
気絶した兵士が見つかるまでは然程の時間は掛からないはず
そのうち、森のそこかしこで角笛を吹き鳴らす音が聞こえてくるであろう事は明白である
追手に魔術師なんかが紛れていると面倒なことになりそうだがはてさて
「治癒系の魔術師の奥の手なんてのは、碌でもない技のような気もするけどなー……図星か?まあ、どうでもいいけど
ヤバい状況で顔見知ったヤツ置いていけるほど、図太くねえよ…
金なんか取らねえからさっさと、乗ってくれる?……っと、意外と女の感触…やるねえ」
彼女が背中に身体を寄せ掴まってくれば、きゅっ、と後手で彼女を掴まえ立ち上がる
背中に当たるなんとも言えぬ感触に、感想漏らしつつ小走りに駆け出した
「良いってことよ、おばあちゃん…あ、しっかり掴まってろ、本気出すから」
少し進んだ所で彼女を背負ったまま、ぐっ、と身体を沈めれば、ふーっ、と細く長く息を吐き
脚部に意識を集中し、身に宿した精霊に呼びかければ、身体強化の加護と更に視野視覚も強化し
「…酔っても許せよ?何秒かだけ、真面目に逃げる
怖いなら眼を閉じておけ、背中に戻したら許さねえ」
背中の彼女にそう告げれば、パンッと弾けるように身体が前進し、木立や張りでた枝を回避し、
木々の合間を縫うようにしてものすごい速度で進み始め
■ティアフェル > 見てくれの問題と思いこんだ方が精神衛生上宜しいので、突っ込みがないので若干物足りなさは感じつつも平静を保ち。
うっかり突っ込み待ちをしてしまう辺り気質が道化だった。
「不可抗力は仕方がない……向こうは殺る気満々だし、王国と敵対してる立場だし文句云えないでしょ。
わーもう……お互い来るんじゃなかったねー…」
危険を押してこんなところまで遠征している立場だが、やはりまだまだ追っ手がいるとなると後悔が襲って来る。
遠くで罠が見つかったか別の連中が捕まったか、木々のざわめきの中に微かな異音を感じる。
予断は許さない状況に表情を強張らせ。
「チラっと云えば不能になる。一時的だけど。それ以上は黙秘。奥の手だから。
ごめん、今後見識を新たにするね。いざとなれば見棄てると信じてたことに謝罪する。
………この際別にいいけどそこは黙ってるべきところじゃないの?」
背中に身を預けて、誤った認識を詫びたが、なんだか余計な一言を漏らされるとため息交じりに呟いた。
おぶさってもらうととにかく楽……目をのほほんと細めかけたが、
「え、ちょい待ちお若いの……何、えっ……ふ、あ―――!?」
走る足並みに従って預けている身体が上下する。暢気に楽を噛み締めている場合でもなく、急な忠告とやがて不意な加速が始まれば、悲鳴を上げかけて唇を噛み締めた。叫んで居場所を教えるのも良くないし――吐きそうになったら多分さすがに捨てられそうなので、いっそ死ぬ気で飲み込む気概で唇を噛み締めて。
「っふ、っく……ん…!」
予想だにしない速度に悲鳴を押し殺しながら、振り落とされそうな気がしてぎゅ、としがみついて耐え。
早く止まってーと願いながら目を閉じると確か逆に酔う、とそんな知識はあって進行方向を見据え一瞬で移り変わる景色に目を眇め。
■カーレル > 「戦場だしな…お互い恨みっこなし、ってヤツだ…」
戦場は戦場である…命のやり取りも覚悟の上、お互い恨みっこなしとさっぱり割り切ることにする
依頼で殺しはしない、と誓っているが降りかかる火の粉は払わねば死ぬのは自分である
自分だってまだ死にたくはない
「わー…俺には絶対使うなよ。これまで何かで怒らせてたならこれを期に謝罪するわ
…いや、どうだろ…本当にヤバい場面になれば判らんけどな…誰だって自分の命を重く見積もるだろ…
………そうか?ちょっとやる気出たし、褒めてるつもりだけど?」
相変わらずの口調であった。余談を許さぬ状況であるけれども、今少し緊張感に欠ける男であった
まあ、それも、絶対に自分と彼女がこの窮地から逃れることが出来る、という自信があったからなのだけど
背後からの彼女の声を無視し、脚部、視野視覚と強化された事を自覚すれば一気に駆けだす
「声を出すな、舌を噛む」
短い警告と共に木々の合間を抜け、沢を飛び越え、背の低い茂みを飛び越える
凄まじい速度ではあったが、強化された視覚が木々から伸びた枝一本、一本をも捉え、それすらを交わしていく
やがて、切り立った崖を飛び降りれば、臓腑が浮き上がるような感覚
強化された脚部は音もなく地面に降り立つとタンッ、と地面を一蹴りし再び加速して…
―――やがて森が途切れ遠く丘陵の向こう側に王国軍の幕営が見えた所で足が止まった
時間にして数分であったが、相当な距離を稼いだはずである
背負った彼女をゆっくりとその場に下ろせば、深く息を吐きだしてその場に座り込んだ
「…はぁ、はぁー…はい、お疲れさん…
…ここまでくりゃ、後はどうにでもなるだろ…」
ぜいぜいと息を荒げながら、ゆっくりと立ち上がろうとすれば、生まれたばかりの子牛のように
脚部が細かく震えて、ふらふらとする様子…ちらり、と彼女の方へ視線を向ければ力なく笑みを浮かべて
「悪い、肩貸してくれ…」
■ティアフェル > 「わたしは恨むけどねー……」
非戦闘員は身勝手な発言を眼をまっすぐに細めた、悟った表情と裏腹に呟いた。
誰であろうが殺されたら全霊恨む。
「使わないわよ。今は取り敢えず恩人ですし。
身を挺して助けろなんて微塵も思ってない。余裕があればよろしく。
……左様で。じゃあそのままやる気だしてがんばって」
この状況でよゆーだな…と変に感心するばかりである。男ってそんなもんかと妙に納得もするが。
そして、背負われて進む一瞬で移ろう景色、ざんさんと耳元で風鳴を感じる。早馬を走らせている時よりも速度がでているのではと思うほどの速さ。口を利ける状況でもなかったがさすがに、崖を飛び降りられれば、声にならない悲鳴が喉奥で響いた。
「―――!!」
反射的に首を絞めない程度にしがみついてさすがにそこでは見てられなくてぎゅうと目を固く閉じ。
予想に反して大きな衝撃もなく着地すればまた、凄まじい速度で疾駆するのに振り落とされないように捕まって、長い長い時間そうしていたような体感だが。時にすればそれほどでもなかったようで、斜陽の位置に大幅な違いはなかった。
やっと止まった……と若干頭がふらふらしながらも、安全圏まで遠ざかって王国の陣営近い場所で降ろしても合えば、こちらもぺたん、とその横でへたりこんで。
「おー…おぉ……びっくりしたぁ……
いや、こっちは全然お疲れじゃないけど……あ、ごめん、水筒……どっかで落としてきちゃった……新しいの買って返すね。大事な物じゃなかった?」
いつの間にか手にしていた、借りものの水筒がなくなっていたどこでいつ落としたのかも分からないが今さら気づいて謝罪し。そしてかなり消耗している様子を気づかわしそうに覗き込み。
「だ、大丈夫……? あ、うん、ちょい待ち。合わない体質とかじゃなかったらポーション……ちょっと効くのに時間かかるやつしかなくって悪いけど、どうぞ」
歩き出す前に、とウェストバックから一本だけ残っていた水薬を取り出して蓋を開けて差し出し。あれだけ酷使すれば足元が覚束ないのも無理はない、よいしょ、と脇に肩を入れるようにして支えながら。
■カーレル > 彼女が強く掴まり背中の柔らかな感触がより強く感じられるわけだが、
意識を集中させていたから軽口を飛ばす余裕はない
とにかく集中力が物を言う能力であった…気を抜けば立ち所に身に宿した精霊に意識を持っていかれてしまうだろう
へたり込むように腰を下ろせば隣で彼女も同じようにへたり込んだ
脚部にじわりと纏わりつくような疲労感、視覚は多くの情報量を享受した反動かチカチカするようであった
「水筒…?いや、安物だから気にしなくていい…それより、よく『戻さなかった』な…偉い、偉い
ここまでくりゃあもう大丈夫だろ…」
遠く見える王国軍の陣営からは食事の支度だろうか、水煙が立ち上っている
謝罪する彼女に視線を向ければ、苦笑を浮かべつつ、首を横に振って見せて
立ち上がり、此方を覗き込む彼女にすまんねえ、お若いの…なんて先程の彼女を真似て肩を借り
「…いや、平気だ…その手の薬、苦手なんだよね…どうせなら酒の一杯もくれ
あそこの陣営に飛び込んでも、回復役はこき使われるだろうし…もしもの時に取っとけ」
治癒術士から回復薬を取り上げてしまう、というのも何か悪い気がする
見えているあの陣地に駆け込めばあとはどうにでもなるのだろうから、と
彼女の差し出してくれた瓶を力なく押し戻して
「とりあえず、あそこまで行ったら何でも良いから食うもん貰ってきてくれ、酒とは言わねえから」
何でも良いから食って、何処でも良いから横になりたい
切実な声音で彼女に伝えれば、あとは王国軍の陣営まで、彼女に引きずられるようにして連れて行ってもらうのである
■ティアフェル > むしろそこまでがっつり密着してたら柔みもなにも感じなくなる気がするに一票。
力を緩めてしまったら振り落とされそうな気がしたし、何よりしっかり捕まってないと純粋に怖い。
体感したことのない速度をどうにか乗り切ると、揺れてない地面の感触にふーっと息づいて。
「そう? 悪いわねえ……。
三半規管は強いもので……乗り物酔いとかしないから。むしろ酔ってる暇もないって」
転移魔法などではなく物理的にこの短時間でここまでの距離を移動することなどなかなかない。おかしな感じだ、と思いながら。
ともかく、日が落ち切る前に夕餉の支度を整えている陣営まで、日暮れまでには辿りつかねばなるまい。
翻る軍旗を見やって、いいんですよ、おじいさん、と軽口に応じながら肩を貸し。
「もう、子供じゃないんだから。――あーもう、働きたくないー……」
陣営に庇護を求めても働かされると思うと若干憂鬱。やむを得ないが小さく嘆息しながら小瓶を戻して。
かなり疲弊している様子は心配ではあったがともかく、一刻も早い休息が必要なのだろう。なるべく早く着こう。と陣営に向かって、「もうちょっとがんばって」と声を掛けながら進んでいき。
「分かったわよ、お酒は回復してからね。――ともかく今日は全面的にお世話になったから後は任せて。
ありがとう、助かった。もっと薄情かと思ってたけど、見直しとく」
よいしょよいしょ、となるべく負担を掛けないように留意しながら国軍陣営まで、足元に注意しつつ向かい。その後は事情を話して休める場所を提供してもらい、寝かせてもらうと食事を運んだりなどの雑用を引き受けて。その日はしっかり安いんでもらおうと。
ついでに、案の定ヒーラーならば、と傷病者の対応に追われることになるのだった。文句を飲み込んで今回ばかりは働いたとか。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からティアフェルさんが去りました。