2020/07/12 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にタマモさんが現れました。
タマモ > 城砦都市アスピダ、そこから、そう離れていない場所。
ある一団が、どこかへと向け、群れをなして進んでいたのだが…

「先日、あの村を略奪したのは、この者達じゃな?」
『………付けた傷跡が、鎧に残っている。間違いはない』

いきなり、目の前に現れた着物姿の少女と、鴉を模した仮面を被る黒装束の男。
何やら言葉を交わせば、今だ駆け続ける一団の前に立ち塞がる。

「ならば…許可する、この者達は、加減するな」

表情を変えず、少女は続けて男へと言葉を。
その言葉に、男は何かを言い掛けるも。

『………仕方ない、久々ではあるが』

言葉少なに答えれば、軽く腰に帯びた刀の柄に手を添える。
そして、次の瞬間、男の姿は消えた。

それは、誰の目にも留まらぬ、神速の業。
僅かの後、再び少女の隣に姿を現わせば、駆けていた一団の者達が、次々と、その勢いのまま倒れ転がった。
中身のない、鎧だけの者達。
それが、ただの金属片と化し、地面に散らばる。
一瞬で、そうした光景へと変わっていた。

タマモ > 「………魂にまでは、傷付けておらんな?」
『魂が存在するかは知らないが、斬ったのは装備の類だけだ。
まったく、変わらず甘い』

感情の変動は無いが、呆れたものを含めた言葉を紡ぐ男。
はふん、その言葉に、少女は軽く溜息を吐いた。

「好き勝手にするのは、確かに自由じゃがな?
それに対し、返された事の文句も、受け付けはせん。
………侵してならぬ領域を、見誤ったようじゃのぅ?」

ふんっ、と不機嫌そうに、残った装備品の残骸に向かい、そう言葉を掛けた。
それは、今目の前に居た者達だけではない。
その先にある、城砦都市、そこに居る者達にも、向けたように聞こえるものだろう。

『後の責任は、任せる。
我は、やるべき事と、任された事をしたまで。
………ではな』

そんな少女に、男はそう伝えれば、地を蹴り、宙へと舞う。
そのまま、一寸の間、その姿を消して。

こうして、この場所に、少女一人が残される事となった。

タマモ > 「さて…では、少しお返しをせねばならんか。
ちょうど、手頃なものもある事じゃしのぅ」

軽く身を屈めれば、ひょい、と金属片の一つを手に取る。
それとは別の、もう二つも含め、三つのものを、懐へと仕舞い込んだ。
これで、あの城砦都市の入場券を手に入れたようなもの。
せっかくだ、少し寄ってみようか、と考える。

「まぁ、軽く遊ぶ程度に留めれば、問題なかろう。
………そんな相手が、居れば、の話じゃが…さてはて」

くすりと笑えば、立ち上がり、視線を城砦都市の方角に。
軽く考え込む仕草をするも、ゆっくりとした足取りで、歩み始める。
向かう先は、もちろん、その方角だ。

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からタマモさんが去りました。