2020/05/09 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 第七師団も、参戦する意向を師団長が固めたという話を聞いた。
ならば、ここは、第七師団の武を見せつけるところだと少年は判断した、アスピダの内部で、静かに調査をしていた、町の中の地図を作り、救助者のいる場所を確認し、警備のシフトなどを偵察し続けていた。
入ることができるなら、出ることだってできる。誰にも知られることなくアスピダを脱出し、そのまま正門の前に出る。
その両手には、大ぶりのナイフを持ち、王国軍に交じり暁天騎士団の『騎士』と対峙する。

「――――」

戦場に、言葉は必要ない。
それは、『騎士』も、『兵士』も同じであった、ある意味、鎧が違うだけの同じ存在に見間違うものもいるだろう。
騎士の大剣が少年に向かい振り下ろされ、少年は左手のナイフでそれを外側に逸らし、踏み込みを持って、懐に入り、右のナイフを一閃。
しかし、ナイフで切りつけるのではなく、柄を持つ拳―――鎧のガントレット部分でその頭部を殴り飛ばす。
中身があればその衝撃で朦朧とするだろうが、奴らは中身が内容で、金属がぶつかった音だけが響き渡った。
なるほど、ということもなく少年はさらに踏み込みから、体重をかけて渾身の左ストレート。ぐしゃり、と鎧を貫く左腕とナイフ。
やはり、中身は無い様で、『騎士』はそれでも武器を再度振りかぶる。
死に体に見える少年は、これでも、前第七師団の生き残りで、早々やられるつもりはない。

がぎぃぃぃ!

金属がかみ合う音がして、右の手に持ったナイフで、鎧の穴に右腕も突き込んだ。
そして、両手で、鎧を引き裂いてしまうのだ。

ぎゃりぃ!

耳障りな音を響かせて鎧を開き、一体を倒す。
少年は、次の獲物に視線を向ける。
まだまだたくさんいる『騎士』を、見据える

ゼロ > 情報によれば、『騎士』には個体差が大きいらしい、しかし、その個体差を見分ける為の情報が少ない。
少年は、目についた『騎士』にぶつかり、倒していけばいい、そして、救援を求められるのであればそこに救援に向かえばいいだろう。
そういう思考で、次の騎士にぶつかっていく。
その騎士は、斧を武器としているようで、大きな斧が特徴的であった、なるほど、破壊力は高そうだ、と思うが、だからどうしたという思考もある。
戦っていて感じるのは攻撃などは画一的であり、大きな差がないようにも思える。
確かに、指令系統通りに動き、一糸乱れぬ行動であるが―――意外性がないように見える。
これならば、それこそ魔族のほうが多様性で強敵だと思える位。
油断はしない、ただただ、『騎士』の行動を見極め、斧の一撃を紙一重で回避しつつ、少年は懐に入り、鎧を破り捨てる。
簡単に言うが、少年自体その全身を薬物などで強化している、存在だ、ある意味化け物といっていいだろう。
加速し、高速で鎧を、『騎士』を一体、一体丁寧に葬っていく『兵士』がここにいる。

そして、戦場にあって少年は油断なく周囲を確認する。
味方の軍で押されている場所はいないのか、窮地の仲間がいないのか。
もしくは。

敵の将や、指揮官が顔を出していないのか、と。

ゼロ > ―――――――――――そういったことは、無いらしい。まあ、判りきっている事だが。
手近な『騎士』……今度は槍を持っているそれ、バリエーションは豊富らしい、が、『兵士』にとっては、ただ其れだけの事である。
槍を振り回し、懐に入らせないようにと動くのだが、それは達人というわけではなく、何かなぞっ多様な感覚を受ける動き。
少年は、懐に入り、ナイフで槍を叩き折り、そのまま『騎士』を真っ二つに断ち割っていく。
ナイフは魔法の武具であり、守りの魔法をこれでもか、と掛けられたもの、もともと耐久度の高い金属性のそれをさらに強化しているものだ。
切れ味よりも防御力、あと、殴った時の打撃力を求めているので、鋭利に切るというよりも大剣の使い方に近しい。
それでいて、小回りはナイフのそれという、いろいろと規格外、ナイフというよりも短剣といったほうがいい大きさでもあるし、重さは比較にならない。
ぶおんと、風を切り、両手でしっかり握りしめたナイフで、『兵士』は『騎士』を薙ぎ払う。
少年一人で、戦局を変えることは無理だとしても、今この現状、現在。
対魔師団、第七師団がこの場所に存在し『騎士』を倒しているということは明白な事実となろう。
タナールだけではない、ここもまた、第七師団の戦場だと。

『兵士』は、『騎士』を延々と、黙々と狩り続けていくのだった―――

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からゼロさんが去りました。