2020/04/27 のログ
■ゼロ > 行動方針を決めてしまえば、後は少年の行動は何時ものように粛々と行うだけなのだ、見つかるのが時間の問題だとしても、それはまだ今すぐではない。
成れば、少年は、出来るだけ情報を集め、それを外に届けるのが少年の役割となろう。
先ずは、今現在地、アスピダの外側壁の周囲、何時までもいれば、あの見張り番が戻ってくるかもしれない、とは言え、鎧の色も変えてあるからすぐには、と思うのだが。
それでも油断をしていていい理由にはならない、この周囲の街並みを、家の中を確認し、要救助者を探すべきだろう、地図はきっとマグメール王国の軍部と、奴らの拠点にあるだろうが、少年自身は知らないのだ、自分で探し、作る必要がある。
なので、町の中を、物陰をくぐる様に静かに進んでいくのだ。
まずは、アスピダ内部の把握から少年の活動は始まるのだ。
そのまま、家の物陰の中に消えて行く、彼が見つかるまでにはどれだけ情報を集められるだろうか―――。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からゼロさんが去りました。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にアマーリエさんが現れました。
■アマーリエ > ――守るに易く、攻め難き土地とはいつだって敵に回すと面倒極まりないものだ。
ここに将まで揃えば、その難度はさらに増す。
城塞都市を擁する山脈地帯の近隣に第十師団は陣を敷き、物資の集積を行いながらかの地の動向を見守る姿勢を作る。
単なる城壁で周囲を囲った地であるだけであれば、竜の乗り手を複数組み込んだ兵団は意に介さない。
盤面という二次元ではなく、上方からの奇襲や急襲、偵察を容易となれば如何様にも攻めようはある。それが強みだ。
だが、至極厄介な問題が立ちはだかる。
かの城塞都市が上にも下にも防備を固めているという事項である。
「つくづく、――頭痛い限りだわ」
敷かれた陣のひとつで、テーブルに広げた地図を睨んで――白い鎧姿の女が唸る。
厳密には単なる女ではないが、鎧で抑えられた豊かな乳房や長く伸ばした金髪を揺らす姿は、女そのものだ。
幾人の男や女たちを麾下の騎士、兵として当然の如く従えつつ、今までの偵察行動や小競り合い等で集めた情報を検め直す。
「空から物見に行かせようにも近づけず、下から地盤をぶち抜き上がるのにも、硬すぎて一筋縄じゃいかない。
多分この調子だとさらに対策されてそうで、嫌になるわねぇ。
面識ないけど……思った通りの人物だとしたら、うちの性質も知悉してそうだわ」
奇策頼みというのは、兵法として常道ではない。奇を衒った戦術の連発はそのうち、パターンを読まれて対策される。
その点、竜の特異能力を由来した攻め手を得意とする第十師団も、この城攻めに用いるには最適な戦力とし難い。
秀麗な表情に眉間に皺寄せながら、吐き出す息は重い。
■アマーリエ > 長期戦となり得る可能性も、ある。城攻めが得意な師団は第何師団だっただろうか。
まだ、このようなことを思う位には余裕がある。心の余裕を保てるうちはどうとでもなる。それを経験として知る。
その背景となるのは、補給線の維持を保ちやすい国外の侵攻ではなく、国内での軍事行動であるからだろう。
士気の維持にも肝要な要点の確保のために、補給部隊には竜騎士と騎兵も帯同させる。
ここまで徹底しなければ、このような難事に向かい合うための気力を自他共々保ち難い。
「けど、逆に言えば……向こうでどれだけの蓄えがあるかどうか次第、ね。
私が知っている通りの名前の人物が本当に居るとすれば、その位は当然事として弁えてそうだけど」
城塞都市の護りの要素を今すぐで撃ち抜くのは難い。しかし、それは表の護りともいえる。
裏の守りはどうか。細々とした備えはどうか。兵を養うための蓄えはどうか。
地図に描かれた周囲の地勢を再度見直すと共に、気になる要素をひとつひとつ潰してゆくことが必要だろう。
数日では片付くまい。後続の師団や騎士団等に引き継いで、他の喫緊の要件に対応することも必要になるかもしれない。
よし、と。腰に両手を当て、一息ついて指示を出そう。
「決めた。定時でいいから、遠くから物見ついでに竜騎士を向かわせて。時間の設定は任せるわ。
そうね……二、三騎で組んで行ってちょうだい。向こうの顔を見に行くつもりで良いわ。
今の段階だと、偵察や情報収集に向かっているものも多い筈よ。私たちも含めてね。
目に分かる通りの偵察部隊が上を見回っているとしたら、おのずとそっちの方に意識が向くでしょう?」
可能な限りの上空からの偵察と、他の斥候や野伏たちが活動しやすいよう、囮を兼ねる。
上空まで展開されている魔力障壁でどこまで、魔術的な探索が阻害されるかどうか。その点を確かめるついでもある。
何より、窮状とは向こうの敵兵たちの顔にありありと出るものだ。
追い詰められ、窮する人間の其れか否か。それとも、余力をまだ残しているのかどうか。それは直に見る方が早い。
■アマーリエ > 「あとは……どうかしら、ねぇ。同調する裏切り者でも居たら良いんだけど」
籠城戦は根気の勝負だ。引き締め続けるにしても、限度がある。どこかに緩みが、緊張の糸が外れることがある。
内通者を募るための情報工作も手法としては考えられる。
だが、今の段階ではそれは望めまい。窮する、窮させた果てに絞り出させる手立てだろう。
取り急ぎ用意できる手としては、こんなところだろう。
「……暫く此処は任せるわ。私はちょっと近くまで行って見てこようかしら。
上から見ているばかりでは、見えてこないのものもあるでしょ?」
麾下の竜騎士の一人にこの場を任せ、己に宛がわれた幕舎へと向かおう。
鎧を脱ぎ、裾がほつれたくすんだ色のローブを被って身支度を整えれば、雇われの冒険者や傭兵らしい風情になる。
単独行動であれば、臨時戦力として雇う傭兵達の如く振舞う経験と力量はある。
近くまで肉薄することが出来れば、知らぬ何かに気づけるかもしれない。そう思いながら、行動に移る――。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からアマーリエさんが去りました。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 王都の冒険者ギルドでアスピダ内偵の依頼があった。
内部に潜り込み、あらゆる内部情勢を探れ。
好奇心と報酬額の高さからその依頼を受けた遊牧民は今、娼婦の格好で城塞都市の繁華街の片隅に立っていた。片腕に下げたバスケットには、白い花の束が入っている。
「どうにか潜り込めて良かった……。
でもここから本番、だねー……」
ここまでの道のりを思い出してながら猥雑な娼婦街の様子を見遣る。
アスピダへと捕虜を運ぶ馬車のルート上で待ち伏せをし、わざと御者に見つかってから逃げる演技をする。「アスピダから逃げ出した、アスピダ市民の生き残り」の少女のフリをしてわざと捕まり、そのまま内部に連行してもらった。成り行きで娼館に連れて行かれ、娼婦として働いている。
ここまでは順調だ。
後は売春をしながら少しずつ、歩きながら様子を探ったり客から情報を集めたら良い。
「とりあえず……。娼館の人に信用してもらうために頑張って働かなきゃ!
――こんばんは!お花、いりませんか?」
ぐっと小さく両手の握りこぶしを作って気勢を上げると、
道行く人に差し出す小さな白い花。
娼館から渡されたこの花の意味は、性的なサービスを誘うという事に他ならなかった。
にこやかに笑み浮かべ、道ゆく人に差し出して。
■タピオカ > そのうちに、どうやら盗賊団の一味だという男の人が花を受け取ってくれる。その身分の真偽はわからない。戦い慣れはしている様子だが、謀反者のメンバーというにはやや礼儀正しすぎる気がした。
来客に喜ぶ演技半分、普通に娼婦という仕事を楽しんでいる気持ち半分で笑顔綻ばせながら、窓の無い部屋へと案内していく。その細い階段を一緒に登りながら、相手が名前を尋ねてきた。
そういえば、密偵としての偽名はまだ考えてなかった。
源氏名を言うべきか、本名を言うべきか。
そんな風に悩むフリをした後。
「僕、……ううん、わたしはディオーネ。
アスピダのスラム育ちなんだー。
血の旅団が来て街を占領したおかげで今、やっとやっと、このお仕事にありつけて。……だから、お兄さんにはたくさんサービスしちゃうね!」
まるで迷った後に本名を使う事にしたかのような調子で、思いついた偽名を口にし。それらしい成り行きも口にする。
自分の素性を明かす事で信頼を得ようと試みつつ、さて。
娼館の一室でどこまで敵の情報を引き出せるだろうか――。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からタピオカさんが去りました。