2020/04/25 のログ
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > 城塞都市を遥か眼下に臨むここは、とある峰の峠だった。
まだ、件の城塞都市までは距離がある。
黒鹿毛の悍馬の背に、騎士は峠の風を受けていた。

金色の髪を、強い風に嬲らせるがままに、騎士の蒼い瞳は遥か眼下の城塞都市へと据えられている…。

冒険者ギルドへの緊急の要請。
その言葉に騎士は、依頼を受けるとは言わず、件の城塞都市をただ、見に来たのだ。
峠道からでは、さすがに都市内部の詳細などはわからない。
が…立地を俯瞰することはできる。

愛馬の背にあるままに…。騎士はただ、眼下の城塞都市へとその、『騎士』としての眼を配る…。

アルヴィン > 都市の規模、そして周辺の地理。
そこから騎士は、通常想定される哨戒の範囲を、極僅かに超えて都市を見渡せる場所として、ここを選んでいた。

もし万一、相当に練度の高い部隊が編成されているとすれば…この位置まで哨戒がなされているという可能性も皆無ではない。

それは、賭けだ。

いざとなれば、身を剣に賭けるのみ。

その程度の覚悟など、言うまでもなく騎士には据えられている…。

アルヴィン > やがて。

騎士は馬首を返した。

依頼を受けて、賊の討伐に参加するや、否や。
やはり軽々には決められぬなあと、風の強い空へと溜息を零しつつ…。

黒鹿毛の悍馬は主のそんな様子に不満げに鼻を鳴らし…。

そして騎影は、王都へと戻る街道へと、九頭竜の山並みを下ってゆく…。

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からアルヴィンさんが去りました。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > "つい先日の話"

「それは無理です。」
声を荒げそうになるのを必死にこらえながら、修道服姿の女が言葉を吐き出す。
盗賊団の力はある程度報告が上がっているから、理解はしている。
嫌な予感はしていたが。

さも当然のように、"行け"という指示。
抵抗はする。意味はなかったけれども。



「………あー、やっぱりやめとけばよかったんですよね。」

崖下に座り込みながら、濃紺の修道服をそのままに、はー、っと溜息をつく女が一人。
戦闘力は割と高いが、彼女の戦闘力は極めて対個人に特化したもの。
長期戦は特に苦手だ。

こういった勢力が大きい盗賊団の相手など、多数のメンバーの一員ならまだしも、単独でこなせるわけが無いのだ。
偉い人は、そんなことを理解してくれない。

複数の斥候団と出くわし、戦闘を繰り返し。
その結果、矢でさんざんに射られて崖下に転がり落ちた、というのが現状だ。

「………夜まで隠れて、こっそり帰りますかね。」

息をひそめる。
相手は大雑把に見ても6~7人。応援を呼んだならもっと多いやもしれぬ。
それを単独、しかも怪我をした身の上で相手どるのは、ぞっとしない話だ。

シスター・マルレーン > 木々の生い茂ったこの場所では長い棍は役に立たない………ことも無く。
彼女の聖なる力が付与された棍は、木の枝ごときで止まることはない。
地面も木も、バターのように削り取って振り回す。

……そうでなければ、もう今頃は囚われの身だ。

「………無事に帰れればいいんですけどね。」

とほー、とため息。 足に矢を受けてしまえば、まともに歩けやしない。
いや、手当はしたから無理をすれば動けるけれども。

「………よし、少しずつ暗くなってきましたね。」

空を見上げて、ほっと一息。 しばらくは騒がしかったが、その声もちょっと前から聞こえない。
逃げた、と思ってくれれば御の字だ。