2020/04/24 のログ
ゼロ > 「――――。」

此方を狙い続ける見張り、少年は静かに、木の陰にたたずむようにして待機する、此方の事をずっと意識しているのが判る。
大型のクロスボウからの攻撃は、恐らく寸分たがわずに打ち抜けるクロスボウの名手なのだろう。
暫しの間の待機。そして、少年の結論。

此処に入り込むことはできてもやはり戦闘は厳しいのだろう、かの暁天騎士団長の要する盗賊団。
並みのそれと考えてはいけないはずだ、そして―――それもまた、情報だ。

ならば、一旦戻り、それを伝えることにしよう。
少年はそのまま静かに木の陰から離れて、王国の方に戻ろう、今はまだ、少しずつ情報を手にし、攻略のための糸口を見つけるべきである。
無理はしない方が良いと判断する。

無理をするのは、また別の機会だ。
一度、クロスボウを持つ彼女の方を見上げ、撃つ気配のない事を確認してから、夜の闇の中に溶け込んでいくのだった―――。

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からゼロさんが去りました。
ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」にティクスさんが現れました。
ティクス > 昨夜の斥候。
既に分かっていた事ではあるが。やはり王国側が動いている。
だから、今日は。外壁警護の時間ではない内に、城壁の内側市街地を歩いていた。

外から来る者を警戒するのは、当たり前すぎる。誰でも考えつくし、その分人手も割かれている。
だが、此処の事を良く知っている人間が、密かに入り込んでいるだの。
占領の際に取り残された住民が、外部と通じ合っているだの。
そういう可能性については…今まであまり考えていなかった。

それらの危険性を見逃さない為。直接、歩いて回る。
着込んだ外套の下に、幾つもの得物を隠し持ったまま。
占領下である以上は仕方ないものの。どこか閑散とした街路を歩いている。

ティクス > 失敗を恥じて。万一を危惧して。申し出てみた自主的な警戒は…
思ったよりもあっさりと、上に着く団員に認められた。
以前なら空いた時間は良く、他の団員達の相手をさせられていたのだが。
今は、捕まえたばかりの虜囚、戦闘で負かした捕虜、そういった新鮮な獲物達を嬲り者とする方に。現を抜かしているのだろう。

…現に、今も。

「…………っ。」

小さな吐息。
僅かだけ引っ込んだ建物の影から。くぐもった女の悲鳴が聞こえてくる。
脱出し損ねた不幸な住人達、その誰かが。手空きの団員達に使い回されているのだろう。
過度の無体は働かないように、などというお達しが出ていても。生来の荒くれ共が、言い付けを守る筈もなく。
こういった事はきっと。当たり前のように、都市部のあちこちで起きている筈。
勝敗の結果。戦の必然。…盗賊の基本。だから止めも助けもしない。ただ、そっと溜息をつくだけで。

ティクス > 正直、状況は不均衡で。奇妙だと感じる。
かつては騎士団と称された者達が。無駄な虐殺等を戒めこそすれ、盗賊としての行いを止めないのも。
その強さ故なのか、彼等を指揮官等として認めている割に。
下された厳命に背き、暴虐や陵辱を止める筈もない盗賊達も。

そもそも。どうしてこういう体制が出来上がったのか。それが良く解らないという事自体も。だ。

戦時下の戒厳令じみた閑散とした空気を。占領下らしい悲鳴が裂いていく。
だが、直に。苦くも甘い雌の悲鳴が聞こえなくなった。
少しだけ覗き込んでみれば。盗賊達に囲まれ、力無く、地に投げ出された街娘の姿。
土に、血に、白濁に、さんざん汚れた両脚が。時折ひくついている為に。生きてはいるのだろうものの。
幾人分もの、滾りに滾った欲望を受け止めきる事など、出来る筈もなく。力尽きた…という所らしく。

そして同時に。気が付いたらしい、団員が。こちらに振り返った。
……満足しきれない肉欲と。嗜虐欲とを。その表情に貼り付かせて。

ティクス > 彼らの意図は良く解った。慣れている…というより、当たり前すぎて。
それでも彼らは。敢えて口にしてみせる。自分の言葉で、自分達の獣欲を、より強める為に。

『良い感じの初物だったのにな、あっさりバテちまいやがった…たく使えねェ。』
『後はお前で良いや。使い古しだが、キツさだけのガキよかましだろうよ。』
『…テメェは。そうそう直ぐにくたばってくれんなよ?』

きっと。もう幾度も。幾年月も。聞かされ続けて来たような、慣れ親しんだ言葉達。
彼らの言葉に、一度隻眼を伏すようにして、頭を下げ。

「……わかり…ました。使って下さい…」

(自分をとも何とも言わない。こういう時、少女は一個の、物のようなものだから。
するするとその場に外套を、装備を脱ぎ捨てて。
そうすれば後はもう。伸ばされた男達の手で、あっという間に彼らの輪の中に飲み込まれてしまう。

今日はもう。兵士としての役目は続けられないだろう。
夜が明けるまで団員達の道具となって。さんざん弄ばれるだけの夜となる。

ご案内:「◆城塞都市「アスピダ」(イベント開催中)」からティクスさんが去りました。