2022/12/16 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にエリサさんが現れました。
エリサ > ゴトゴト、ゴトゴト―――――

街道を駆ける幌馬車の中、暗がりに炯々と双眸を見開いて、
『女』は己の行き着く先ではなく、置いてきたもののことを考えていた。

数刻前、とある王族の我侭に付き合い、物見遊山に出かける途上で、
馬車が襲われ、いつものように我が身を差し出すことで解決をこころみた、
その結果、己は黒い幌で覆われた馬車の荷台に乗せられ、
こうしてどこへ向かうとも知れぬまま、揺られ続けている訳だが―――――

かつての己とは違う、正当なる王家の血を引く女。
出戻りと蔑まれる年増ではあるけれど、それでも王族には違いない。
彼女は無事解放されただろうか、今頃は王都に帰り着いているだろうか。
躰の前で両手首をひとくくりにされ、靴を脱がされた素足にも、両足首を揃えて縄を打たれた姿で、
人とも物とも知れぬ荷物の狭間に押し込められたまま、『女』は物思いにふける。

目許は黒い布で覆われており、轡さえ噛まされている。
そうまでせずとも、今更騒ぎ立てもせぬものを、と、思わなくもないが。
誰の手で、どこへ連れていかれようとしているのか、
今は、未だ、何もわからなかった。

エリサ > そうして、『女』は運ばれてゆく。

どこかへ、誰かのもとへ、あるいは、何かのもとへ。
その先の事は、すべて、未だ闇の中――――――。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からエリサさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にパットさんが現れました。
パット > 「ここも外れ。おかしいな」

既に月が空に顔を覗かせ始めた時間帯の九頭龍山脈の山中。
そこには言える大木の洞に上半身を入れては何かを探すも見つけれずにため息とともに身を抜き。
おかしいなと首を傾げては肩を軽く払って外套を身に着ける。

「何時もはここにあるけど先客でも来たのかな。後は……あっちの洞窟にあったぐらいだし。
その他となると……どこにあるかな」

自分以外に誰かが来たような痕はないのだが、もしかすると動物?と考え。
ここ以外のありかをと考えては少し先のさほど大きくない洞窟を頭に浮かべ。
そちらに向かってみようと置いていたランタンを拾い上げて灯りを大きくし、それで周囲を照らしながら山中を歩き出して。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からパットさんが去りました。