2022/09/15 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にゲネロムさんが現れました。
ゲネロム > 山賊街道を小さな人影が歩いている。

手には頼りない明るさのカンテラ、顔はすっぽりとフードで覆い隠し、羽織っている外套で身体までしっかりと包み隠している旅慣れた人影か或いは山賊が獲物を捕まえるための変装した姿か、と言った感じの見た目だ。

だがその人影は人に有らず。
その正体は巨人の末裔でありながら獣人に属するゲネロムなる種族の魔物である。

この個体は山で鉱石を掘ってきた帰り道で、外套の懐には質の良い鉱石と宝石の原石が幾つかしまい込んでおり、集落に戻る為に多少早足で山賊街道を進んでいるのだが、同時にその個体は集落に持って帰るためのもう1つのモノも探していた。

そうでなければ、早足で山道を歩く必要がない。
そうするために、獲物とすれ違えるように、わざと人並みに速度を落とし歩いているのだ。

道に迷うものでもよし、山脈に幾つかある洞窟を探検に来たものでも良い、何なら街から街に村から村に移動する旅行者でも襲おう、と。

「……クヒッ、都合ヨク、ハ、イカネェカナ?」

外套のフードの奥で多少ネガティブにヒトの言葉を真似て愚痴る、声色は少し若さとそれ故に荒さを感じさせる声で。
口元はフードの見えないだろうが、顎短い獣の口それで、口角あげて笑っている。

ゲネロム > 「……クヒックヒヒ………。」

獲物になりそうな集落の土産になりそうな者もなく、懐にしまいこんでいる鉱石と宝石の原石だけを手土産に集落に戻ることになりそうだと思うと、多少気が重くなるが、元々手土産を両手一杯と都合よくいかないと思っていたのもあってか、想像通り過ぎてついまた笑う。

山道の夜道にヒトの言語と良く似た魔物の笑い声が木霊し、その笑い声が闇に溶け込んでなくなった時には其処には人影は無く、山の方へと向った足跡だけがそこに人影があったことを証明し、姿形はどこにもない。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からゲネロムさんが去りました。