2022/08/28 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 九頭龍山脈、山賊街道から少し外れた山中。
いつも通りに目的もなく、むしろ、その目的探しの散歩…だったはず、なのだが。
「まぁ、こう言う時も、あるんじゃろうな。
しかし、何じゃろうか………意外と、あんなものでも、見掛ける事はなかったんじゃがのぅ」
この付近、高い木々の並ぶ山中だ。
その高さには到らないが、それなりに高い…
そう、こんな大きな魔物も居ると、聞いた事はあったのだが。
うん、この山中で、ここまで見事なものは、見た事はなかった。
名前は…知らない、覚える気もないし。
とりあえず、巨人?で言いのではないだろうか。
何か肌の色が違うし、目が一つだが…人型だから、それで十分だろう。
「………っとぉ!?
いやいや、危ない、考え事をしてる途中に狙うのは、いかんじゃろう?」
とか、考えていのだが、たんっ、と地を蹴り後退る。
その後を追うように、大振りの一撃が、先まで居た場所の空を切る。
誰かを襲ってたのか、偶然さ迷っていたのか。
どちらか知らないが、近寄ってみたら、こんな感じである。
…来た時に、一発蹴りをいれたから、かもしれない。
■タマモ > さて、あの一撃は、直撃すればさすがに面倒そうだ。
それに、さっき蹴った感触から、素肌も頑丈っぽかったと思われるか。
怪力だ、頑丈だ、まったく、困った相手である。
「だから、ちと困りものなんじゃがのぅ…」
人間サイズなら、多少固くても、ある程度の予想で加減した闘いが出来る。
…が、このサイズ、その辺りの調整が難しい。
加減し過ぎれば、効き切らず、無駄な手数が増える。
下手に強めれば、気絶どころか、致命傷とか与えそうなのだ。
「むむむ…自然の一員ではないし、倒すべきか…
下手な侵入者以外、手を掛けておらんなら、そうすべきではないんじゃが、さてはて」
そう、誰にでも害意を向ける相手なら、そうする事に、何の躊躇もない。
だが、そうでないのならば…気絶に留めるのが、己の流儀なのだ。
…あ、楽しめそうな種族だったら、楽しむが、それは一握りの例外だろう。
そんな事を呟き、考えながら。
己に向けられる、受けれたただで済まないような、そんな攻撃を。
ひらりひらりと、紙一重…は、さすがに危なそうなので、少し余裕を残し避け続けていた。
■タマモ > 「ふむ…皆も、すでに撤収済みか。
逃す前に、聞いておくべきじゃったな…」
耳を澄ませ、周囲の音を探る。
何を探っているのか?それは、周辺を住処にしていた動物達。
対峙する直前、この付近から、逃げるように指示したのは己だ。
うん、迅速に済ませたのは、褒められる事である。
はふん、溜息を一つ。
それを吹き飛ばすように、通過する棍棒を避ける。
「逃げる…うぅむ、解決策にならんなぁ。
攻撃が効かぬと知れば、逃げてくれるじゃろうか…?」
とりあえず、何か手を考える。
放置も出来るが、そうすると動物を戻して良いかどうか、その判断が付かない。
こう言う時に、言葉が通じないと言うのは、厄介な事この上ない。
まったく、同じ人型だと言うのに。
…そう言えば、言語の違いもあるか、難しいものである。
■タマモ > 「さて、と…」
相手も苛立ってきているか、攻撃がより力強くも単調になってくる。
そうなれば、回避も楽になってくるのだが。
避けながら、ぽん、と手元に一本の扇を出す。
「そろそろ、面倒になってきたのでな。
…いい加減、理解して貰おう、何を相手しておるのか、をのぅ?」
素手から、扇一本となっただけ。
扇をゆっくりと広げ…しかし、それ以上は何もしない。
普通に見れば、それで何を理解しろと言うのか、と思える感じだろう。
だが、そう経たずして、相手はそれを理解する。
「…と、まぁ、そんなところじゃ」
それから、何度目の攻撃が向けられた頃合か。
息を切らす相手と、それに反し、涼しい顔をし、ただ突っ立ったままの少女。
あれから少女は、何もしていない。
それなのに、襲い掛かる攻撃、そのすべてが、見えない壁に遮られるように弾かれてしまうのだ。
最初は片手で扱っていた棍棒を、両手で扱い豪快に振り下ろしたりもするが、結果は同じ。
何をしても、この少女には通じない…さすがに、相手も気付くもので。
「じゃからな?ほれ、さっさと帰れ」
扇を持たぬ手で、しっ、しっ、と払うように。
その動作に関しては、理解してくれたのか。
じりじりと、少しずつ後退り…そして、背を向け、その場を去って行った。
■タマモ > 「ものの考え方の違い、なんじゃろう。
それを、甘さと取るのかどうかは…難しいものじゃ」
気配が、完全に離れ、感じ取れなくなれば。
やれやれ、と肩を竦め、ぽつりと零す。
その後、広げた扇子を閉じ、戻すと。
くるりと踵を返し、来た道を戻って行く。
もちろん、一度退避させた動物を戻してから。
己もまた、王都へと帰るのだった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。