2022/08/15 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 九頭龍山脈、木々茂る深い山中。
そこに響き渡るのは、男達の叫び声。
薄暗い、木の葉に隠れ、日蔭となった森林を、数人の男達は駆けている。
だが、その先に現れたのは、異国風の黒い着物に身を包む、ミレー族らしき獣の耳と尻尾を持つ少女。
そして、もう一人、少し距離をおいた背後に佇むのは。
茶色のジャンパースカート姿、服の同色の雀のような翼を持った少女だ。
「…あぁ、確かに、見覚えがあるのぅ。
お主等、以前に、この先の…」
足を止める男達、その内の数人、その顔を見れば。
着物姿の少女が、そう言葉を紡ぐのだが。
その言葉を言い切る前に、身を翻す男達が、進む角度を変えて、逃げ去ろうとするのだ。
「………あー…うん、仕方無いのぅ。
ほれ、やってしまえ」
『わ、分かりましたぁ…
あの、で、では、すみませんが、失礼しまして…』
そんな男達の後姿、それをのんびりと眺める着物姿の少女だが。
背後に佇む、もう一人の少女に声を掛ければ、恐る恐ると言った感じに、そう答える背後の少女。
瞳を閉じれば、ゆっくりと、唇を開く。
…流れるのは、綺麗な歌声。
その歌声に乗せられて、何かしらの力が、周囲へと流れ広がっていき。
そして、男達が逃げた先に、再び上がる叫び声。
だが、その次に上がった声は、すぐに小さくなっていき…消える。
「その先は、崖があったんじゃがな。
まぁ、鳥目になって闇夜も見通せねば、気付かず落ちるだけじゃろうて、自業自得と言うものか。
…さて、後の確認は任せるぞ?」
『は、はいぃ…』
やれやれ、と言った感じに肩を竦め、そう言葉を続ければ。
背後を一瞥し、そう背後の少女へと。
何か言いたげだが、こくこくと頷けば、言われた少女は翼を広げ、その場を後の飛び去って行くのだった。
■タマモ > 「いやはや、偶然やって来てみれば…
あの手の輩は、一人見たら、三十人は居そうじゃ。
本当に、困ったものじゃのぅ」
ふむ、と飛び去っていった方向に、もう一度視線を向ければ。
はふん、と軽く溜息を一つ。
改めて、やって来た方向へと、その視線を向け直す。
その先にあるのは、この九頭龍山脈、奥地に存在する隠れ里の一つ。
まぁ、どんな里なのかは、この付近を知る者であれば、言う必要はないだろう。
「まぁ、一度目ならば、追い返す。
二度目ならば、排除する、甘く見た己を恨むが良いじゃろう。
まったく、妾は単に、遊びに来ていただけだったんじゃがな…
さて、改めて、何か探すとするのじゃ」
すぅ、と瞳を細め、声の先へと誰に言うでもなく、そう呟けば。
その場から、くるりと踵を返す。
そのまま、ゆっくりと、歩みを始めるのだった。
向かう先は…決まってない。
適当に歩み、何かあれば、誰か居れば、その時に何をするのか考える。
少女の、いつもの行動パターンだ。
■タマモ > その先、何かあったのか、なかったのか。
何かあれば、少女は少女なりに、何か楽しみを得たのだろうし。
何もなければ、それはそれで、散歩を楽しんだ事だろう。
その辺りは、何かしら、何があっても、楽しむ事として捉える。
…まぁ、そんな感じだったのだろう。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。