2022/05/17 のログ
■ガウム > 「魔族…襲ウ、ノカ…。
俺ノ村…魔族、襲ウ事ナイ…。
全員、協力…等価交換…ソレガ普通…。」
喋るだけならば平和ボケした村出身の様な言葉であるが、その奥にはまだ色んなことがある。
聞かれれば話すだけのため、今はこんなところであった。
「ソウナノカ?俺…タマニ食ウゾ…。
人間、俺見テ…スグ、襲ウ…。
襲ウ奴…罪人。罪人…男ハ食ウ…女ハ孕マセテ、食ウ…。」
それがガウムの居た村のルール。
襲わない人間は丁重に扱い、襲ってくる者は食料とする。
「姿、見セテ、食ウ…バレル。
洞窟…ソコデ食ウ…バレナイ…。俺、ソレシテル…。」
わかるように食べるからバレるため、隠れればバレないと言うことだが、それは寝床を作ったりする場合の時に限るだろう。
「捧ゲラレル…?
貰ッタ!?イイナ、ソレ…。」
罪人への罰じゃない事だとしても、村では赤子は珍味でもあったため、供物としてもらえることは羨ましいことでもあった。
■アマツキ >
「お主のように言葉が通じる者はすぐに襲ってきたりはせぬがな」
いい加減湯あたりするか、と
ざぷりと湯から身をあげ、岩の上へと座り込む
その裸体に夥しい数の戦痕が刻まれ、左腕も二の腕から先は失われている
この女鬼が随分な修羅場を潜り抜けてきた歴戦であることの証明としても映るだろう
そんな身体を隠すようなこともせず、みたび、酒を煽っていた
「人はいなくなればすぐに騒ぎ立つ。
案外お主のような人喰い鬼がいると、麓では噂になっておるかもしれんぞ?」
くく、と誂うように嗤い
「赤子を捧げれば、鬼は人里に降りず人を喰らうこともない、と。
そう思うような人間がおったということじゃな。……しかし」
まじまじとガウムと名乗った鬼の姿を隻眼が見据える
「呵呵、お主ほどの巨鬼を見て襲いかかる人間がいるとは。
この王国の戦士は随分と勇敢なのじゃな」
■ガウム > 「…オマエ、体、傷まみれ…。
クマ、襲ワレタカ…?」
裸体に対して免疫でもあるのか、湯上りした体に特に反応はせずに傷やら失った腕やらを見る。
狩りに出れば同じように体を失うリスクは十分にあった。
この鬼も似た様な経験をしたことがあるため、共感できる。
「ソレ、困ル…。
コノ国、魔族ノ所、無イ物、多イ…。
キノコ、木ノ実、動物…狩レナイ…嫌ダ…。」
魔族の国とは違い、整った環境で実る独特な産物を回収できる為、大騒ぎになり、討伐命令でも出されたら溜まった物ではない。
落ち着いて、狩りにも出れないのだから。
「…?
…アア、デモ、弱い…。
人間、真正面カラ来ル…。弓モ、矢モ、魔法…?トカモ、痛クナイ…。」
厳しい自然の中で生きて来たせいもあり、その体に人間の攻撃はあまり聞かないことが多かった。
また、迷い込んだ人間を出迎えた際の等価交換によって得た供物や加護のせいもあり、魔法体勢もあっただろう。
「男、スグニ死ヌ…首、柔ラカイ…。
女モ、大抵、交尾シタラ死ヌ。腹、破レル…。
マダ、鹿ガ強イ…。」
剣や技を身に着けた相手も、こちらからすれば動物以下であった。
そして、孕ませるための女も挿入しただけで簡単に絶命してしまい、子供を作れないこともありため息ものであった。
まれに耐える存在も居たが、ごくたまにであった。
■アマツキ >
「疵か。大小あれど全て我が闘争の記憶。
相手は人であれ、戦士であれ、魔獣であれ、同族であれ、数え切れんなあ」
からからと嗤い、だが背に負った傷は一つもないぞと自慢気にその背を見せつけてくるのであった
「どうあっても鬼に比べ人は多い。
数人がかりを紙束の如く散らしたとしても際限なくやってくるであろうしな。
我がこの国で人を喰らわぬのも似た理由よ」
このガウムという鬼が相当に強靭な肉体の持ち主であることは明白
聞く話も其れ相応の結果だったのだろうと納得する
しかしそうなると滾るのが女鬼の悪いところであり──
「湯冷めぬうちに眠るも一興であったが、偉丈夫なる同胞との出会いはこれ幸い。
肉も喰った、酒も飲んだ。一丁我と力比べでもしてみぬか、ガウム
岩陰に無造作に置かれていた襤褸布を雑にその身に纏い、同じく打ち捨てられていた身の丈程の大鉈を軽々と隻腕が担ぎあげ、女鬼は愉しげにそう言葉を投げかけた
■ガウム > 「オマエ…イッパイ、戦ッタ…。
キズ…経験、証…。」
背中に傷がないのは警戒心の強さの証。
逃げもせず、不意も取られずに戦った証の為、そこは大いに尊敬した。
「…アリ、小サイ…ケド、集マレバ、犬デモ虎デモ運ブ…。
同ジ…多ケレバ、狩リ…難シイ…。」
狩りは常に一対一、大勢来ればかなり面倒なことになるだけのため、圧倒的な多さで来られるのは自身も嫌がっていた。
それならば、目立たないようにするのが一番いいだろう。
「ン…力比ベ…?
…面白イ、イイゾ…。」
服を着て、巨大な大鉈を構えるその姿を見てニヤリと楽し気に笑う鬼。
村でも戦闘訓練はいつもあったが、この鬼は常に獣と戦い続けていた。
「…俺ノ村、狩ッタ獲物、強イ奴ノ物…身ニ着ケル…。
コノ熊…強カッタ…。」
被るように着ていたクマの毛皮を脱いでそれを見せるようにその場に投げ捨てる。
広げたにせよ、自身よりも圧倒的にデカイ熊は魔族の国にしかいない固有種だ。
より凶暴で最凶ともいわれる熊を、彼は一人で狩ったのだ。
「…コイ!オマエ、ドレグライ強イカ、見テヤル…!!」
武器を持つ相手に対してこちらは素手。
動物の威嚇の様に腕を広げ、胴体をがら空きにするその姿は、隙があるように見えて、次の手を読ませない手段でもあった。
■アマツキ >
来い、と
流暢ではないにしろはっきりとした返答を受け、女鬼の笑みは凶暴さを帯びる
自身の身の丈と比べれば軽く倍
体躯の幅にいたっては倍では済まないだろう、巨躯の雄鬼
その姿を瞳に収め──臆することも、加減も、不要と賜った
「ならば初手を貰うぞ、ガウム──!!」
爛と赤く隻眼をギラつかせ、担いだ大鉈の背で思い切り殴りつけるように
その屈強な肉体目掛け、襲いかかる
女鬼の体躯は人間の小柄な雌と大差はない
しかしその身体は軽く大人十数人分の膂力を宿した、鬼の肉体
かつて鬼が斃した熊にこそ及ばぬだろうが、その見た目を遥かに超える重圧を以て、真正面から叩き潰さんとする一撃を放っていた
■ガウム > 真正面からやってくる鉈の起動。
動物と特に変わらない攻め方、人間達の攻めと特に変わらないその動きを見て、取る行動は同じだった。
「―――フンッ!!」
両腕を横にしての単純なガード。
獣の爪、剣や槍等をこのやり方で守っていたが、相手の鬼の物は一味違った。
その刃が彼の腕の肉に突き刺さる時、肉が避ける痛みが体に走る。
「ヌゥン!!
ゥウ…ガアァ!!」
相手の雌の鬼を空中で止めながら刃を受け、そのまま、鉈事振り回して飛ばす。
刃が離れればその場に出血し始め、地面に少しづつ血液が溜まっていく。
「…カ、カカ…クァッカッカッカッカ!!!
久シイ…コノ、痛ミ…アイツト、同ジ…!」
腕の痛みを食らったのちに楽し気に笑う鬼。
それは過去に戦った唯一の強敵の熊との戦闘を思い出させるものだった。
「オマエ、ソレ、答エル…!」
体勢を低くして真正面に飛び出し、一気に距離を稼ぐ。
タックルか殴り、蹴りかと思ったが、急に目の前で止まった。
足を横にして急ブレーキを掛け、体幹で体を支えて整えると、鉈を持つ左腕を抑えながら軸にし、回転を入れて逆方向から肘を顔面に向けて放つ。
巨体と重なり、それは大きな鉄の金槌と変わらない威力となるだろう。
■アマツキ >
「──受けるか!!」
分厚い樹脂に切り込んだかのような感覚
切れ味よりも重さと破壊力に特化した鉄塊のような大鉈は、
巨木が如く鬼の両腕によってその刃を止められ──
「片腕くらいは頂こうと思ったのだが──な!」
空中で姿勢を正し、その見た目以上の目方を感じさせるような、ズン、という重い音と共に着地する
笑う雄鬼に応えるように、雌鬼もまた愉しげに笑みを深め──
突進を迎え撃とうと、大鉈を振り回す
…が、意表を突くように雄鬼は急停止して見せる
力任せに殴りつけるでもなく、フェイントにも近い技巧を感じさせるその動きは、既に迎撃体勢に移っていた雌鬼に避けられるものではなく
──あるいは、最初から避けるつもりもなかったのだろう
「ガアッ!!!」
咆哮一閃
自身の顔面へと迫る鐵槌が如き肘鉄に、迎撃のために溜めた力を全て己の素っ首に載せて
その余りにも硬い、己の額を全力で迫る雄鬼の肘へと叩きつけていた
まるで剛剣同士が打ち合ったような重い衝突音が夜の九頭竜山の木々を揺らし──
ぱたぱたと僅かに紫がかった赤黒い血を顎先から地面に滴らせて、尚雌鬼はその場から退がらず、真正面から受け止めていた
「~~~~! 効いたぞ…!!」
己の何倍も太いその巨腕を片腕で抱え、大木を引き抜かんとするが如く、自身の後方へ向け投げ飛ばさんと身を反らした
■ガウム > 「ヤッテミロ!
俺ノ腕…狼ノ牙モ砕イタ武器ダ…!」
雌鬼の鉈と重量のある一撃はかなり効いた。
腕にはしっかりと線が入っているが、そこから溢れる血は少しづつ止まっていた。
「ッ!ヌゥゥ!!」
互いの肉体がぶつかり山に響く衝撃波。
反動はこちらにあったが、すでに興奮していた体にとって、その痺れは心地よい物であった。
しかし、強い一撃にも関わらずにその場を動かない雌鬼に腕を掴まれて投げられそうになる。
「クッ!ウォォォォ!!」
体が空中を舞い、視界が回り始めるのを感じるが一瞬の景色に見えた地面を頼りに旋回を入れた。
くるりと周り、着地した所で立つようにすれば、地響きを起こす。
「マダ…マダァァ!!」
雌鬼が掴んでいることを離さずに手を当てて固定してこちらも振り回す。
相手同様に体を反らせて投げるのではなく、彼の背後にある地面に向けて叩きつけようとするのだ。
■アマツキ >
「ぐぬ…ッ!?」
先程の攻撃といい、投げた先への着地といい
その巨体で随分と器用に動く
そして、自身の腕にかかる力
己を掴み上げようとするその力に──
「呵呵…ッ!」
「この身を人のモノと同じと思うでないぞ──!!」
まるで脚が地面に根を張ったかのように、持ち上がらない女鬼の肉体
どっしりと重心を降ろせば、筋繊維が密集したその目方は大の男数人分
それこそ大木を引き抜く程の剛力が無ければ──
「ッ…何───」
それでも尚、雄鬼の膂力は重い女鬼の身体を舞い上がらせ、振り回す
そしてそのまま──
「──がはッ」
その背後の地面へと背なから叩きつけられていた
「…な、なかなかの、かいなちから……」
湯気がぼやけさせる月の明かりを仰ぎながら、その身体を横たえていた
■ガウム > 自然界で生きていた鬼ゆえに経験も多かった。
体の柔軟性や動かし方、構成はまるで多種多様な動物からヒントを受けた体。
正しく、その姿は”キメラ”と同じ存在だった。
「ハァ…フゥ…。」
戦いによる闘志が揺らいだせいか白い息を吐き、体は発熱していた。
汗を流すその姿は正しく熱した鉄の様だ。
そして、倒れる雌鬼を見ればその首を掴み、強く締め上げようとする。
「ドウシタ…マダ、戦エ…。」
人間と共存を図り、繋がりを大事にする鬼、それは本心でもあるが、もう一つの心…狩人であり、鬼であり、魔族と言う存在もあった。
「ゥゥゥ…。ガアァ!!」
首を絞める雌鬼の真上で拳を握ると腕に血管を浮かべさせながら咆哮と共に顔面に向けて殴りを入れようとする。
力を入れた拳は硬質化した鉛、生身の人間なら潰れるのを通り越して貫通するような勢いだ。
■アマツキ >
「っグ───がッ…!?」
雄鬼の手からすれば細すぎるであろう首
人間よりは遥かに強靭であろう頸がミシミシと悲鳴をあげ──
「────」
あるいは、女鬼の両腕が健在であったならば
脱する、若しくは反撃ということもできたのだろうが
隻腕は己の頸を圧する雄鬼の腕を掴んだまま
振り下ろされた巨拳は雌鬼の片角を圧し折り、鈍い音と共にその後頭部を硬い地面へと埋没させる
「───か、は…ッ」
程なくして、雄鬼の腕を掴む女鬼の手は離れ、地面へと投げ出されていた
■ガウム > 「フゥ…!!フゥ…!!」
蒸気の様に吐き出される白い息。
暴れ牛の様に荒れ狂う姿をさらしながらも、手が離れて地面に落ちる姿を見て、少しづつ我に戻る。
「…アマツキ?」
片方の角が俺、顔も滅茶苦茶になり、地面を凹ませながらも鈍い声を出している様子を見ていた。
「・・・。」
再起不能と思われる雌鬼を担ぎながらその場を後のしようとしたのだった。
軽い足取りで山を下った先、冒険者が一度寝泊まりをするために作るキャンプ場する様に、彼も寝床を作っていた。
洞窟
狩りをする前に作り上げる自分の寝床と拠点として、穴を掘り、その空間に自分の生活スペースを作り上げた。
そして、その中へと二匹の鬼は入り込もうとするのだ。
■アマツキ >
───………
「っ、ぐ……痛ッ…───ぬう…」
女鬼が正気を取り戻したのは、雄鬼によって洞窟へと運び込まれた後
ふむ、負けたか、と
まずはそれを残った記憶から掘り出し
まずは、今の状態を確認しようと──
■ガウム > 「・・・。」
運び込まれた洞窟は、作られたにしてはかなり立派な物だった。
解体台から、薬草を収めるスペース、研ぎ場、水路、そして雌鬼が寝ている藁のベット。
「ン…生キテタ…。
死臭、ナカッタ…死ンデナイナ…。」
起き上がった雌鬼に近づき、様子を伺おうとする。
■アマツキ >
どうやら寝かされていることに気づき、起き上がる
簡素な藁のベッドから辺りを見渡せば、十分すぎる生活空間が目に入る
運ばれたらしい、ということも理解できる
「む…」
既に聞き慣れた声
そちらに目を向ければ自身を打倒した鬼の巨躯が目に入る
「──うむ」
「気をやっていたようじゃがまぁ死にはせん。…面はまだ痛いな」
コキコキと首を鳴らす
単純な腕力勝負で負けたのは若干悔しいが
そこはそれ、もっと自分が強くなってから再戦すれば良い話
負けは負けとして受け止める気質であった
「…で、ココが貴様の塒か」
そう話すと再び藁の上へと寝転がった
■ガウム > 「獲物、死…何度もモ見タ…。
アマツキ、死ナナイ、ワカル…。
ケド、同族…居ナクナル、困ル…。」
不死身か頑丈かは問わずとも同じ種族と思える相手が減るのは困るため、一度住みかに連れていくことにしたのだった。
案の定生きていたので安心はしており、そのまま、自身も藁に座る。
「ソウダ。ココ、俺ノ住ミカ…。
アソコ、獲物、解体…。アソコ、保管…。アソコ、洗ウ…。」
解体台には生活を表す様に血の跡があり、保管してスペースには瓶に詰められた多種多様な木の実とキノコが置いてある。
水場は山の中から溢れるしずくを集めて生活水にしている。
「…カッカッ。
アマツキ、強イナ…。
俺、傷、付ケラレタ…投ゲラレモシタ…。
出来ルノ、アマリ、居ナイ…。」
村の訓練ももちろん、狩りなどでも自分に傷を負わせ、投げるような存在は少なかった。
そのため、アマツキの戦い方はかなり気に入っており、その様子はまるで無邪気な子供の用だ。
■アマツキ >
自分の生活スペースを紹介する様子に、小さく笑みを浮かべる
まだ表情を変えると顔が痛いが
「あー、しかし今回は我の負けよ。
貴様、存外に技巧に長けるな」
鹿を丁寧に解体して見せたことからも器用なのだろうとは思ったが
不器用に正面から殴りつけるだけの自分とは違い、
闘争の技術というものを身に着けているように感じた
「次は負けん。また戦るぞ」
むすりと鼻息荒く、負け惜しむでもなくそう言葉を向けていた
■ガウム > 「カッカッカッ…。
俺、昔…ズット、狩リシテタ…。
狩リ…負ケレバ、死ヌ。
ダカラ…強クナッタ…。」
獣は人と違い思考が読めないことが多い。
経験が無いと言う言い訳が通じない世界で生きるにはどんなことでも耐えて、強くなることだった。
「アア…力比ベ…何時デモ受ケル…。」
ニヤッと楽し気に笑う鬼。
自分を投げて、斬りつけるその様子はとても楽しめていた。
今度は顔面でも砕けるほど強くなってほしいと願う気持ちを内側に潜めて。
「ソレニシテモ…アマツキ、固イナ…。
俺ノ拳…砕ケテモ…治ッテル…。」
あそこまでの攻防をしたのにも関わらず元気そうなその姿に興味を持ち、体を触ろうとした。
顔面や腹部など色んな部位を触った。
■アマツキ >
「呵呵。我は貴様と違い色々工夫するのは苦手でな」
「相手の攻撃を受け、叩き潰す。
それだけで渡ってきたというわけじゃな」
全身が痕だらけになるのも頷けようというもの
頑強な肉体と異様なまでの生命力、回復力──
さすがに欠損した部位が再生することはないのだろうが
それでも強力な不死性の持ち主であることには違いない
「今日はアタマに衝撃を受け不覚をとったが本来ならばそうそうは──どうした?鬼女の身体なぞ珍しくもなかろう」
襤褸布から剥き出しの腹は筋肉の鎧に覆われ、鋼の如く
顔はといえば、妙に幼さの残る顔立ちをしている
出るところは出ている、といった具合の雌の身体ではあった
至る所に傷痕が刻まれていることを除けば
■ガウム > 「狩リ…工夫…大事…。
罠、調合、解体…全部、大事…。」
自然の中ではやることはかなり多い。
素早い相手は行動を見て罠を張り、狂暴な相手には毒を使い、毒を持っている生物は原因を取り除く。
そのようにして、生きるには必要なことが多くあったのだ。
「ン…俺、雌ノ鬼、体…知ラナイ…。
村ノ女、交尾、シタコトナイ…。」
彼の村の住民は繁殖能力が高かった。
そのため、どんな生物とも交尾をすることにより子供をなせるが、対外が混ざった物、五体満足に生まれない物が多く、そういった者は食料としていた。
同族の場合は人口爆破を防ぐために、住人が減った時のみ行うことがあった。
「俺、人間トスル…。
タダ、大体腹破ケテ死ヌ…。
交尾、ヤッテナイ…。」
人間相手では鬼の巨根を耐えることができずに絶命することが多い。
彼自身も性欲が強いわけでもなく、ましてや強いわけでもなかったが、同族との経験が浅い故に興味はそれなりにあった。
だが、村の人間全員がアマツキと同じような物とも考えていない。
■アマツキ >
狩りで培ったのだという雄鬼の技術
狩りですら全く同じ力任せしかしない女鬼からしてみれば、逆に面倒なのでは…と思っていまうくらいだった
しかしその差で今日は不覚をとった
戒めなければならるまい
「呵呵。雌の鬼を味わったことがないと?
成る程成る程、いやしかし貴様の巨躯ではな、余程の体躯を持つ女でなければ相手など務まるまい」
このサイズの肉体で一物がミニということもあるまいと笑う
続く言葉では、やはり腹が裂け死ぬという
物理的にそうなることは当然だろうといった感じではあるが
「ふむ」
「腹が減ったな。何か喰わせてもらえぬか?」
「この寝床の寝心地も良し、しばらく厄介になるとしよう。
──その間に気が向いたら、貴様に鬼の雌を教えてやるのも吝かではない」
一方的なことを言いつつ、力比べの勝者の権利を決めていなかったことであるしな、と言葉を綴った
ご案内:「九頭龍山脈山中・天然露天湯浴み場」からアマツキさんが去りました。
■ガウム > 「話ジャ…村ノ男、俺ト変ワラナイ…。
ダカラ、村、続イテル…。」
彼とほとんど同じ体格の鬼は多く居た。
そのため、村の女もかなり頑丈なのが多いこともあり、子孫繁栄が断たれることもなく、暮らし続けていたようだ。
「ン、飯カ?
ソウダナ…少シ、見テ来ル…。
…カッカッ、ソノ時ハ頼ム…。
死ヌナヨ…?」
来客であるならば要望を応えるのも彼らの風習であった。
夜なら生物も多く活動しているため、狩るのも容易い事だと思っていた。
そして、その後に言われた言葉に対してはひどく興奮する様子もなく、軽く笑って受け入れて。
彼にとってはおまけの様な気持ちであっただろう。
そう思い、そのまま、食料を探し、その後のことは二匹の鬼だけが知る…。
ご案内:「九頭龍山脈山中・天然露天湯浴み場」からガウムさんが去りました。