2021/11/21 のログ
■タマモ > 九頭龍山脈、その中腹辺りか。
木々の茂る森林の中、少女は佇んでいた。
近くを通る獣道、そこから、少し外れている。
森林の中、少し開けたような場所だ。
分かっているのは、その獣道の先に、無名遺跡の一つがある事。
その道を少しずれた別の場所に、小さな泉がある事。
何かしら、人の通りそうだ。
そんな理由で、少女は、そこに居た。
何をするつもりなのか、それは、あえて言わない。
声を立てず、気配を抑えている。
それで、大体は分かるだろうから。
■タマモ > 軽く腕を組み、考え込む。
もしかして、あの遺跡、もう寂れて誰も来ないとか?
あの泉も、獣道からは見え辛い感じだったし、知っている者は居ない?
となると、もしかしなくとも、誰かが通る事とか無いとか…
いや、しかし、何もここに来るのは、遺跡だけの用事で、と言う訳でもないのだ。
可能性は、僅かだが残っている…!
そんな事を考えながら、一応、意識は途切れさせず。
その僅かな可能性を信じ、少女は待つのだ。
もしかしたら通るかもしれない、誰かを。
■タマモ > 組んでいた腕を解き、瞳を閉じ。
大きく息を吸い、声にならぬ声を発する。
その途端、周囲の森林に起こる、何かしらの異変。
それは、決して人間のレベルでは、気付けぬものだ。
動物、その中でも、この夜の時間に活動出来る、そんな者達が動き出す。
大小も、その種類も問わない。
それ等が、少女の周囲へと、集まって来る。
「ふむ…」
集まっただけで、それ以上、何かする訳ではない。
ただ、一匹一匹、何か伝えるように、鳴き声を上げる。
それを聞き、少女は、何やら頷く。
第三者がもし居たならば、何をしているのかと疑問を持つか、そんな光景がそこにあった。
■タマモ > 「………」
と、不意に、その視線が上に向けられた。
正しくは、周囲を囲むように茂る、木々の一本の上の方。
木々の葉に隠れ、はっきりとは見えないが。
そこにあるのは、己とは違う少女の姿。
狐を模した耳や尻尾を持つ、そんな己とは違い。
背中から見える、雀を模したような翼を持った少女だ。
ちなみに、こちらは着物に反し、あちらはワンピースドレスと、服装的にも違いが大きい。
しばらく、相手もこちらを見詰めていたものの。
何やらやる事も終え、動物達が戻って行けば。
その少女もまた、その場から、姿を消した。
「………あー…相変わらずじゃのぅ。
まぁ、良いか。
用事がある時に、また話せば良い、うむ」
視線を戻し、そんな呟きを漏らす。
ちょっと別件を済ませるも、本来の目的、その相手となる者は現われないようで。
さて、どうしたものか?と、また考えを巡らせるのだ。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカザンさんが現れました。
■カザン > 狐少女が動物を呼び寄せれば
それに混じって、やけに大きな気配も近寄ってくる
「おーう、どうしたどうした。
また悪戯かタマモ?」
熊かと思えば、それは鬼である
また釣れたのは人ではなかった
相変わらずの襤褸布装備で、のっしのっしと近寄って
快活な笑みを浮かべ、住処から散歩していたところに少女が出した声を拾ったようだ
そうして、近づければ
「あんまり山で悪戯するなよー?
人が来てくれなくなるだろ」
怒ってはいないが、窘める様な言葉を言いつつ
彼は、人とも関わる鬼であるからあまり暴れるなよー、という忠告だ
何か用事があるなら、勿論無視しても良いし、気配が近づいた時点で逃げてもいい。
■タマモ > 考えている中、感じたのは、覚えのある気配。
…まぁ、何か寄って来たのかどうか、は足音で分かるものだろうが。
そして、掛かる声に、かくん?と首を傾げる。
「うん?いやいや、また悪戯か、とは酷いのぅ。
まだ、しておらんぞ?」
酷い、とか言いながら、結局やる気じゃないか。
とも言える台詞を、平然と紡ぎながら。
続く言葉に、えー?みたいな、そんな表情を浮かべた。
とりあえず、ひらり、と挨拶代わりに手を振って。
「人の畏れもまた、美味じゃろうに。
それをしてならんとか、あれではないか?」
はふん、溜息を吐きながら、そう返す少女。
その様子に、反省の色は無い。
まぁ、そもそも、己はそうであっても、相手がそうとは限らない。
そうであれば、遠慮願いたいのは当然の事、なのだろうが。
■カザン > 「するつもり満々じゃあねえか」
かかか、と笑ってから
挨拶代わりに手を振られれば近くにしゃがむ
といっても、しゃがんでも少女よりかなり大きいのだけど
「なんだ。そーいう狐だったのか?
それならこのもちもちの頬でも弄んでおしおきしなきゃあならんなあ
俺はどっちかというと人とは仲良くしたいもんでね
まあ、おまえさんも無暗に傷つけはしないだろーが」
と言いつつ、巨大な手…というか指を少女の頬に伸ばす
逃げられなければ、軽く両頬を摘まんでむいー、と伸ばそうとする
■タマモ > 「まぁ…うむ、否定はせんぞ?」
どう答えようと、実際にそうなのだし?
嘘を言うのも面倒だしと、さらっと答える。
無駄に、その胸を張りながら。
「人と同じ食事でも、十分満たされるがな?
そちらの方が美味であれば、それを求めるは、当然の事じゃろう?
ふむ、それもまた、否定出来んn…にゃにをひゅるぅ!?」
むしろ、それが当然とばかりに、そう答えるものの。
頬を摘み、伸ばす指に、引っ張られながら。
びしり、指差して、言うのだが…引っ張られながらでも、まともに言えない感じだ。
■カザン > 「でー?今回はどんな悪戯をしようとしてたんだ?
また落とし穴か、お?良く伸びる頬だな…」
むにむに、ぐにぐに
そんな音が聞こえそうなほどしっかりむにむにしてから
ゆっくり手を離す
無い胸もそれはそれで可愛らしいが、また別件
「それもそうだ。…なら、俺に悪戯すれば――
それも満たされるんじゃあねえのか?
そういや、この前俺が嵌まった時はどうだったんだ。
ちっとは腹膨れたのか?」
わざとではあまり腹も膨れないのか?などと思いつつ
前に嵌まった時のことを聞いてみる
周りの動物たちも不思議そうだ
■タマモ > 「………ふぅ、まったく、妾の頬は玩具ではないぞ?
今回は、相手を見てから選ぶ、そんな感じじゃのぅ。
やりたい事は、その時その時、違うものじゃからな」
頬から手が離れてから、こう、引っ張られた頬を手で抑えながら、ジト目で答える。
体が大きいと、そう見えるのだろうが、一応、小柄な割に、その場所は豊かな方で。
もし、それを耳にしたならば、文句の一つもきっと出ただろう。
「…いや、悪戯も、ただ成功しただけでは、意味はないのじゃ。
お主、あの時、そこまで驚きはせんかったし、恐れもせんかった。
それでは、得られるものもなぁ…?」
喰らうのは、負の感情。
それに関しては、反応が薄ければ薄い程、何も得られない。
端的にだが、それを答えながら、肩を竦めてみせ。
■カザン > 「なるほどな…
俺が入るほど掘ってたし、人間なら恐れるかもしれねぇか…
そりゃ、邪魔しちまったな」
人通りが少ない場所だったとはいえ、それは食事の邪魔だっただろう
確かに、落とし穴程度で鬼は驚いていなかったし、恐れもしなかった
そういう感情が必要であることは理解し
「ふぅん…。なら、だが
恐れが一番だろうが、怒りや劣情はどうなんだ、お前
もしそれも食えるなら、今も喰えるかもしれんぞ
俺も鬼だ。たまーに、暴れたくなってな…。それをお前と戦って発散できるなら…
なんだ、いいことになるんじゃあねえのか?」
この前、この相手は自分を強いと言っていたような
そんなことを思い出し、それなら腹も膨れるだろうし
あるいは、人間を見てきた鬼の眼から見ても見目は麗しい
そう言った目で見られるのはどうか、と聞いてみる
「詫び…。とはちょっと違うが、ま、お前の食事を邪魔したからな
手伝いぐらいはしてぇのと…俺自身の欲求だ」
■タマモ > 「いやまぁ、人を遠ざける、との意味もあっては、お互い様じゃろう?
妾のは、ただの趣味でもあるし、そこは気にせんで良いぞ?」
鬼は人と関わる事があり、それを考えれば、との答え。
相手には付き合いの関係もあり、己はそれ以外何ら問題のない事なのだ。
「出来ん事も無いが、怒りに関しては、後々の関係を築く上で問題ありじゃろう?
…まぁ、悪戯で本気で怒る程、融通利かぬ気難しさでは、妾との相性も悪いし?
そんな者と、余り相手はしたくない、と言うのがあるのじゃ。
そうなれば、まだ、劣情の方が喰い易いものじゃろうが?
それはそれで、妾の手が掛かるのもあるし、そこまで考えると…
作って貰ったり、奢って貰う、美味な食事の方が、妾は好みじゃのぅ」
確かに、己自身は強いと言った。
だが、やはり、美味を得るに疲れるよりは…
なんて、怠惰な回答が、鬼へと返されるのだった。
「と、言う訳で?
それでも、まだ、詫びとして返したいと言うならば…
また、何かしら振舞ってくれるのが、妾としては、喜ばしい…のぅ?」
とは言うものの、実のところ、それは建前で。
これ以上に長々と待って、何も無いよりは。
いっそ、すぐ得られるものの方が…なんて、考えではあるのだが。
そこまでは、さすがに言わなかった。
■カザン > 「そうか。ならそう思おう」
こくりと鬼は頷く
物も食えるということだし、それほど切羽詰まってもないのだろう
ならば無理に誘うことも無い
血沸く戦いで無ければ、鬼もまたそれほど昂りはしない
だから怠惰な回答に、ははは、と笑い
「わかった。ならまた酒でも飲むか。
獲物は――…まあ、道すがら獲ればいいか」
笑ってから、よいせ、と立ち上がる
客を呼ぶことに何も忌避感はない
むしろ、一匹で山をのしのしと歩いて暇をつぶすよりは、話でもして語り合うのが好きである
それとは別に、やはり本能というのは抑えきれないが
「ま、楽しすぎて飲みすぎれば。
酔って襲いかかるかもしれんが…強いなら何とでもなるだろう?かかか」
快活に笑いながら、鬼は山を進む
向かうのは、前も案内した鬼のねぐらだ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカザンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 九頭龍山脈の麓を抜ける街道から少し逸れた森の中。
岩の隙間から窪地へと滾々と湧き出る温泉の傍にて天幕を張る冒険者の姿がある。
周囲の山中を根城にする山賊達が多く出没する事から山賊街道の異名を取る物騒な地域だが、
そもそも、彼の目的は、その山賊を駆り立てる事に他ならない。
冬籠りの準備を整えるためか、山賊達の活動は盛んになり、街道を行き来する隊商やら、
乗合馬車が襲われて、積み荷だけではなく乗客をも人質に囚われている事態に対して、
一向に動かぬ騎士団に業を煮やした近隣の集落が金を出し合い冒険者ギルドに依頼を出した次第である。
勿論、広い山中を独りで探索できる筈もなく、彼以外にも数組の一党やソロの冒険者が名乗りを挙げて山狩りが行なわれていた。
「ふぅ、……今回は意外と骨だな。連中、尻尾を出しやがらねぇ」
鍋を掛けた焚き火の前で倒木に腰掛けながら、中年は独り言ちる。
湯気を立たせる鍋の中には森中に仕掛けられた罠に掛かった野兎を煮込んだラグーがぐつぐつと煮えており、
陽が落ちるのが早い山中での探索に他の面子よりも早々に見切りを付けて野営の準備の真っ最中という状況で。
■トーラス > そのまま日が暮れていき――――。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からトーラスさんが去りました。