2021/11/11 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > 九頭龍山脈、麓付近の木々茂る森林の中。
少女の姿は、その中の一本、高い木の枝の上にあった。
のんびりと腰掛け、その視線は、その下に見える獣道の一本だ。

「………ふむ、誰も来んな」

ぽつりと呟き、はふん、溜息を一つ。
獣道の先は、遺跡に通じていたり…後は、温泉に通じる道もあった、と思う。
そんな獣道に、何か興味があるのか?
そう問われれば、別に興味自体はない、と答えるだろう。
そう、獣道自体には、興味はないのだ。

少女が意識している理由は、ただ一つ。
そこに、少女が仕掛けた落とし穴があるからである。
とは言っても、そこまで凶悪な罠ではない。
落とし穴の底には、ぎっしりと、木の葉が詰め込まれ。
落ちても怪我等はないだろうが、そうそう簡単に、這い上がる事は出来ないのだ。
ちなみに、落とし穴の幅は、ダイブしても少し余裕のある程の広さ。
蹴躓いて転んでも、どこも打たない安全仕様…安全?
そして、深さはせいぜい二メートル程度か。

そう、この落とし穴、完全に相手をおちょくる為だけに存在する罠。

タマモ > あの罠、いつから張っておいたっけか…?
ふと、そんな事を考える。
意気揚々と、罠を作っていたのが…日の昇っていた頃。
完成した時には、真上にあり、今は、沈んでいる。

その間、そう言えば、ずっと誰も通ってなかった気がするのだが。
もしかして、最近は使われていない道とか?
そんな考えが、頭を過ぎった。

今日は偶然に、誰も通らなかったのか。
本当に、使われていないのか。
もし後者であれば、今こうして待つ事自体、完全に無駄な時間である。

「むむむ…どうすべきか…」

あの罠は諦め、他の悪戯に移るべきか。
まだ頑張って、あの罠に拘るか。
…素直に、今日は帰れ?そんな選択肢、己には存在しない。

視線の先、罠の這ってある獣道。
今だ、何者の気配もない。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」にカザンさんが現れました。
カザン > ほとんど使われないということは、知られ難い状態で色々山を歩ける道ということ
となれば、あまり人目に晒されたくない者もまた、その道を通る

「おーおー、お山がーもーえーるーっとォ」

罠があるとは知らず、今日の獲物…大き目の猪魔物を抱えて道を歩く大鬼
幸い、狐の少女が隠れている場所には背は届かないが
逆に、罠にも気づいている様子はない
のんきな鼻唄を歌いながら、そのまま罠の方へと進んでいき……………………

ずぼっ

そんな間抜けな音と共に、鬼の身体が半分以上落とし穴に嵌まる
重さ故に木の葉が圧し潰され、2メートルの落とし穴は十全に機能してしまって
勿論、鬼に怪我などは無いものの……

「……………………。だーれーだー…………?」

棘を仕込んでいたりと、怪我をさせる様な罠ではなかったため、本気で怒ってはいないが
まるで土埋めの刑にでもあったかのような状態になった鬼は
まず、視線を巡らせて下手人?を捜そうとする

探知能力はそれほどないが、視界に入れば発見されるだろう
こういうのは、近くで面白がっている者がいる事が多いから、じっくりと探す鬼だ

タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
音を聞き取れば、期待の眼差しを、そちらへと向ける。
向けた視線の先にいるのは、一人の大男。
いや、あの姿は…

「………そう、鬼じゃ」

ぽんっ、考え到ったか、手を打った。
まぁ、何にしても、あれに引っ掛かってくれれば、何であっても構わない。
そんな気持ちで、じっと見詰めていれば。

…あ、あっさり掛かった。
つい、ぐっ、と拳を握り、振り上げた。

とは言え、完全に落ち切ると思われていた落とし穴は、微妙な成功を収めるに留まるが。
まぁ、そこまで細かい事は、良しとしておこう。

このまま、逃げても良い。
しかし、あのまま抜けず、何かあっても後味悪い。
多分、そう言った事は、不要だとは思うが、念のためである、一応。
とん、木の枝を蹴り、身を翻す。

「ふむ…誰だ、と言われては、姿を現すが礼儀じゃろう。
それは、妾じゃ…!
………と、冗談は置いといて、抜けられるか?お主?」

しゅたん、落とし穴の側に着地し、落とし穴に嵌まった相手に、そう答えつつ。
首を傾げ、問い掛けてみた。

カザン > 胸の辺りから上が出たような状態だ
土を掘り返せば出れないことも無い状況
あっさり相手が姿を現せば、は、は、は、と笑って

「お前だったか……。誰かは知らんが
つーか、暇なのか。こんなとこ俺以外に誰も通らんぞ」

抜けれる抜けれる、と言ってから
ずぼ、とまずは片腕で土を掴み
もう片腕もそれに続けば
ずるずると、自分の身体を引き抜き

ぬ、とかなり大きい体からばらばら、と土を落としながら地面へと戻ってくる
雨の後でなくてよかった

「なんだ。ガキ………じゃあなさそうだな。
だが、とりあえず、だ。土塗れになった仕返しさせろ」

そい、と軽く
とは言ってもかなり大きなげんこつだが……
それを狐少女の頭に落とそうとする
本気ではないが、それはそれ
山で何を遊んでいるんだ、という想いだ

タマモ > 考えてみれば、人が通るとは限らない。
今回は大男ならぬ、鬼であった為、胸辺りまでしか深さが届かない。
下手をすれば、もっと大きな生物で、落とし穴としての役割さえ…なんて事もあったのだ。
今度から、もう少し考えよう…そう思っているも、それどころではないか。

鬼の言葉に、しばしの間。

「なん…じゃと…!?」

衝撃の事実、もし鬼が通らねば、何も無いまま帰る運命だったらしい。
がっくしと、地面に膝を付く。
と、そんな事をしている間に、あっさりと落とし穴から、鬼は這い出て来た。

「ふむ…まぁ、見た目と真実は異なる、と言う場合もあるものじゃ。
………うん?…とりあえず?…おぉぅっ!?」

鬼の言葉に、腕を組み、うんうん頷きながら、そう答えるも。
無駄に偉そうに語らったせいか、落ちて来る拳骨に、反応が遅れた。
声が上がったのは、落ちて来る拳骨の大きさゆえだ。
さすがにぱっと見、そんなものが落ちてきたら、びっくりするものだろう。
…痛いのか、痛くないのかは、相手の加減次第だが。

カザン > この獣道を通るのはそれこそ通か、山に住む者ぐらいだろう
もう少しいいところに設置していれば別だったろうにとは思う
ただ、ここに鬼が落ちるほどの穴を掘ったのは彼女なりの考えがあったのだろう
そう思うことにする

とりあえず、げんこつだ
とは言っても本気なはずはない
軽く頭の天辺に当てる程度の強さ
当たった感覚はあるだろうが、痛みはほぼ無いだろう

「あのな。俺が暴れる鬼だったら無茶苦茶になってたぞ?
あーあー、風呂入らなきゃな…」

ばんばん、と土を払いつつ
一応山に住む者として注意を

「で?お前はナニモンだ。俺はカザン
この山に住んでる鬼だが。お前さんは…狐、か?」

おーあったあった、と
落とし穴に落ちた時に離した猪を拾い上げつつ
一先ずは相手を知ろうとする

タマモ > 目の前の鬼が、何を考えているのか、さすがにそれは分からない。
が、その考えは、まぁ…深い所は、多分、間違っていないだろう。
思うだけならば、自由である。

落ちて来た拳骨に、驚きはしたのだが…どうやら、痛くはなかったみたいだ。
痛いと思い、頭を抑えはするものの、おや?と、すぐに手は離れる。

「おぉ…まったく、びっくりしたのぅ。
暴れる鬼であれば、その拳骨に、殺意なり、害意なり、込められておるじゃろう?
反応出来なかったのは、それがなかったからじゃ。
…まぁ、お主のような者であればこそか、これは、その詫びとしておこうか」

そうした意識のないものに対しては、なぜか、己の反応は著しく落ちる。
そうであれば、逆に反応が出来たのだと、それを伝えながら。
ぱちんっ、と指を鳴らす。
周囲を漂う空気、その流れに変化が起こり、鬼の肌の上を滑るように流れていき。
少なくとも、落とし穴に落ちた砂やら土やらを、取り払う。
…うん、最近は天気も良かったおかげで、汚れを払うのは楽だ。
天候が乱れ、湿気やらが高かったら、少々面倒だった。

「おっと、名乗られたならば、名乗り返すのが礼儀じゃな。
妾の名はタマモ、覚えるも忘れるも、お主次第じゃ。
しかし、この辺りにも、鬼が居ったとは…そう言う類は、シェンヤンとの印象が強いからのぅ。
で、妾の事じゃったな。妾は、九尾狐じゃ、と言っても分かるじゃろうか?」

視線を向け、傍らに落ちていた猪を拾うのを見詰めながら。
別に隠す必要もないし、と、それに答える。

カザン > こつんとも言わず、ただ当てただけの拳を引っ込めれば
視線はまるで、いたずらっ子を咎める様な視線だ

「おお。まあ、殴るなら本気でやるが。
頭砕けちまうだろ、そんなことしたらよ
穴に落ちた程度でそりゃあ、狭量ってもんだ。と、と」

うんうんと頷いてから
空気の流れに身を任せる
若干くすぐったいが、問題なく土が取れていく
風呂要らずだ

「タマモか。九尾っつーと…偉い強いと聞いた覚えがあるが、それしか知らねえな…」

どうやら知識というと…強さ以外にあまり興味が無い様子
ぼりぼりと頭を掻く

「ああ。目立ってはないだろーがな
俺はこっちの生まれだ。シェンヤンから来た鬼なら、別の鬼も居るぞ
まだこの辺に居るかはわからんがな」

自分の知っている鬼の事を告げながら

「…ううむ。強いとは言っても、またあれとは違う小さいのを殴るのはなァ…
だが、会ったのも多生の縁だ。猪でも食っていくか?」

そしてしばし、じろじろと少女を見てから猪を担ぎなおし、食事へ誘ってみよう

タマモ > 向けられる視線は…まぁ、うん、何度も受けた事のあるものだ。
反省はしておくが、後悔はしていない。

「まぁ、当たれば、痛い目を見るじゃろうな。
ふむ、そうじゃろうとも、この程度の悪戯で、本気で怒るのは…と言うものじゃ」

腕を組み、同意、と言わんばかりに頷く。
悪戯した立場で、偉そうにするな?気にしては駄目である。

「あぁ…うむ、強いか弱いか、で言えば、妾は強いぞ?
強い、とは言っても、色んな強さと言うものがあるから、はっきりと何、とは言わんが」

交わす言葉から、そんな感じかな、とは理解してるか。
そんな言葉と共に、無駄に自慢気に、胸を張ってみせるのだった。

「ほほぅ、鬼とは言っても、生まれの違いもあるものか、なるほどのぅ。
別の鬼…機会あれば、見てみたいものじゃ。

見てくれで判断は、お勧めせんぞ?
実際、見た目通り、と言うのもあるが…
…お?良いのか?くれるならば、遠慮なく頂こう」

鬼の言葉に、なるほど、との納得と、まだ見ぬ他の鬼への期待を。
続く言葉に、ぴこんっ、と耳を立てれば。
ふんっ、と偉そうに、もう一度胸を張り。
食事へのお誘いには、あっさりの乗っかるのだ。

カザン > 「仕掛けた側が言う事じゃあねえな?」

もう一度ぺふ、と
今度は手を開いてその頭にちょっぷだ
これも、力は込めていない。軽い衝撃程度のもの

「なるほどなァ。ま、あいつは一つの場所にはいねぇだろうなぁ
運が良けりゃ会えるだろ。…おう、着いてこい」

のっしのっしと歩けば
少しすると彼の寝床の洞窟と火の痕がある場所へたどり着く
手慣れた手つきで、火を起こせば猪の皮を素手で剥いで
Yの字に削った木と竿のような木を使い
竿で猪を貫き、火で炙り始める

当然ながら、粗野な食事だ

「ま、来客もあんまりねぇんだ。ちょっくら付き合えよ
強い以外にも、確か長生きだっつーのも聞いたことがある
酒くらい飲めんだろ?」

焼いている間に洞窟から…どこから持ってきたのか樽に入った酒を持ってくる
これもまた酒精を存分に使った激辛の酒だ

タマモ > 「おふっ!?…何度も、頭を叩くでない。
馬鹿になったら、どうするつもりじゃ!?」

己の言葉に、再び頭に落ちる、今度は手刀。
ぺち、と頭に受けながら、じーっと見詰めてみせた。

「まぁ、良いか…ふむ、居るな、そう言った者は。
ならば、その時に期待、じゃな。
…うむ、では付いて行こう」

とか、そんな感じに、言葉を交わしながら。
目的の場所への到着、どうやら洞窟のようだ。
この類の者は、よく洞窟等に住むものだな…とか、そんな事を考えつつも。
調理…と、言うかは別として、始める様子に、よいせ、と適当な地面に腰を降ろす。

「お?酒か…って、大きいのぅ!?
いや、飲めるって言えば飲めるが、妾は小食じゃ、大量に飲むと、それが食えん。
手頃な杯…まぁ、入れ物はないのか?」

匂いから、それが酒とはすぐ分かるものの。
持ってきた樽に、びくーっ!?とびっくり。
待て待てと手を振りながら、そう答え。
その酒を注ぐ器を、鬼へと求める。

カザン > 「大丈夫だ。その程度じゃあ馬鹿にならねえよ」

か、か、と笑いながら寝床へと
後は酒を持って来る
例の鬼姫にやる分ではないが、それでもよくできた方の酒だ

「入れ物……気にしたことねぇな…
いつも樽毎いってたからよ。ああ、だがそういや、この前冒険者が置いてったのが…」

器自体は見たことがある
最低限、掬えればいいのだから

そして鬼は、勇気ある冒険者の練習相手もしている
だから、その冒険者がたまにモノを置いていくのだ
その中に小さめの杯があったはず、と取り出していき

「これならいいか。よっし、飲むぞー」

などと景気よく声を上げて
久しぶりの来客に対して、楽し気に声をあげ
肉を食い、酒を飲んで…鬼らしく豪放な姿を見せ、夜を越した事でしょう――

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からカザンさんが去りました。