2021/10/17 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にさんが現れました。
> 空を見上げれば、月や星が輝いている。
九頭龍山脈のそんな夜の一時。
麓付近の少し開けた場所で、少女は夜空を見上げていた。

「うーん…うーん…?
やっぱり、星を見ても方角なんてわかりませんよねぇ?」

のんびりとした呟きを零す少女ではあるものの、その周囲はそんな雰囲気とは裏腹に殺伐としたものだった。
否、周囲どころか、少女の姿を見てもそう思われる事だろう。
足元を見れば何体もの魔物が転がっている上に、その姿は切り刻まれたり磨り潰されたりと幾つもの方法で殺められているのだ。
当然、この辺りに漂うのは濃い血の臭い、少女も血に染まっている。
そんな中に居て、平然としているのは、普通に考えれば異常な事この上ないものか。

本来の目的はただの薬草収集だった筈。
それだけの仕事に道に迷ったりして時間が掛かった上に、迷い込んだこの山中で魔物に襲われたのだ。
薬草自体はちゃんと集めれた、それだけは救いかもしれない。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」にクレイグさんが現れました。
クレイグ > 多くの魔物が倒されあたりが血に染まっている其処へ、近づく足音。
黒いマントに身を包み、背中には大きな盾、のわりに厚みがあり淵は鈍く輝いている。
そんな変わった獲物を背負った中年戦士が一人。

「…こんな所で、こんな時間に、なんで空みて首ひねってるんだ嬢ちゃん」

辺りの血や地に染まった少女を見て、一瞬何かを考えるように止まるが。
そのまま近づいてきて、普通に声を掛けてくる。

血の匂いに対しても慣れているのか、顔をしかめる事すらしなかった。

> 戦いの緊張感は既に抜けており、近付いて来る存在には姿が見えてやっと気付いた、との感じか。
ゆっくりとやって来た相手の方へと顔を向ける。
どう見ても戦う者の姿とは思えない、ワンピースドレス姿の一人の少女。
だが慣れたものならば、少女が塗れる血も本人のものでなく、魔物のものと判別出来るだろう。

「あぁ、こんな場所なのに、こんな時間なのに、誰か来るものなんですねぇ。
これも、神様の思し召しってものなんでしょうかぁ?」

その相手が魔物でなく、人間であるとわかればにっこりと笑顔を浮かべる。
血塗れでなければ、可愛らしく人懐っこそうな笑顔に見えるだろうが…
ぽんっと手を打ってそんな言葉を呟きながら、くるりとその男性へと振り返る。
身に付けたワンピースドレス以外には、肩に掛けた鞄のみ。
本当に、ただこの状況を見ただけでの理解は至難の業だろう。

クレイグ > 近づいて声を掛けてその姿を見直し、流石に少し驚く。
遠めでは赤く染まっている少女だと、そのくらいしかわからなかったが。
ワンピースドレスしか着ていない上に、魔物を倒したであろう得物が見当たらない。
そして、魔力など全く分からない男にすればこの結果をもたらしたのが、魔術なのか、魔道具なのか。
それとも他の何かなのかが判らないが、この少女が魔物を倒したことは判る、その程度には戦い慣れしている。

「ふむ、とりあえずなんだな…拭いたらどうだ、乾くとぱりぱりして気持ち悪いだろ。
その後にでも、その思し召しが必要な理由をきくからな」

マントの前を開き、腰につけていた水袋と、一枚布を少女に差し出す。
マントの下は硬皮鎧に、腰にメイス、差し出した水袋以外に2個ほど水袋、それと布の袋がつるされている。
背中には盾の様な得物と、大きなバッグを背負っている所から、色々な準備を整えてきているのだろうと想像がつく。

> 驚く男性とは違い、少女は何ら変化は無い。
変わらぬ笑顔を浮かべたまま、不思議そうに小首だけは傾げるのだが。

とりあえず差し出されたならば、水袋と布は受け取って。
少しだけ考える仕草をすれば、ぽんっとまた手を打った。

「なるほどぉ、血を拭けって事だったんですねぇ?
はい、わかりましたぁ」

ワンテンポ思考の働きがずれているのか、そう思わせるような答えをすれば。
肩から提げていた鞄を下ろし、ワンピースドレスへと手を掛ければもぞもぞとそれを脱ぎ始めた。
これもまた不思議な事だが、その鞄に目を向ければ、なぜか血塗れな少女とは違い鞄は綺麗なものであるのがわかるだろう。

クレイグ > 先ほどから見ていて判るのは、この少女の恰好も思考も何処かずれている感じがする事。
そして、少女が持っている鞄が普通ではない事。

まぁ、こんな時間にこんな場所だこっちもそうだが一般人では無いだろう。
そして、少なくとも今の所敵意はない様子だし、それならあまり細かい事は気にしても仕方ないかと判断し、苦笑する。

「あのな、男の目の前で脱ぐとか、襲われる可能性もあるぞ」

そんな事をいいながら、視線は外さず、しっかりと見ている訳だが。
細い体にはそれほど戦うための筋肉は無いように見える。
ならば、魔物を倒したのは手段は自分の様に武器を使うタイプではなく、魔術か他の何かか。
少女を見る瞳は、冷静な戦士とその体に性的な視線を向ける雄と、そんな気配が混ざった物で。

> 男性にどう思われているのか兎も角。
少女が何処かずれているのは確かだろう。
もっとも、その鞄は汚れず壊れずなだけで普通の鞄以外の機能は無い訳で。

脱ぎ易い作りになっているのもあるのだろう。
気に掛けた男性が声を掛けども、その時にはぱさりと服は脱ぎ落とし下着姿に。
水袋の水で布を濡らしながら、またも首を傾げた。

「えっと、あなたは襲うんですかぁ?」

尚気にした様子もなく、濡らした布でごしごしと血を拭き落としながら男性へと問う。
向ける瞳には疑いの色も含まれておらず。
そんな姿だけを見れば、容易く襲える少女には見えるかもしれない。
それを、そうした事をされるのに慣れたものと受け取るか。
それ以外の何かを感じるかは男性の勘の鋭さにもよるだろう。

クレイグ > ワンピースドレスが地面におちて、見える白肌をじっと見ながら。
少女から発せられる声、その質問を聞き、考える前に答えが口を突く。

「流石に襲わないな、同意があるなら喜んでさせてもらうが。
お嬢ちゃんの底が見えない、少なくともこの数の魔物を簡単に短い時間で殺せる相手。
しかも、何を使うか判らない相手を襲うほど、ボケてないんでな」

此処に来た時点でどの魔物の血も乾いていなかった。
今目の前で体を拭く少女も、乾いた血を落としている感じはしない。
と、言う事はこの魔物たちは短時間の内に、少女に傷を負わせること無く、大量の血を少女浴びせながら死んだという事。
その事実を考えれば、襲い掛かれば魔物と同じ運命をたどるだろうと、冷静な戦士としての部分が警鐘を鳴らしている。

> 「そうですよねぇ。
襲う人だったら、襲われますよ、なんて言いませんしねぇ?
ちょっと難しい事はわからないですけどぉ」

などと男性との会話を続けながら、その間もごしごしと体を拭いて血を拭う。
白い肌を紅く染めていた血が拭い去られれば鞄の口を開き、中から出てくるのは少しデザインは違うも同じような黒いワンピースドレス。
血に塗れたものは、その代わりにと鞄へと押し込んで、その口を閉じた。

「何を使うか、ですかぁ…そうですねぇ…」

もぞもぞと今度は服を着ながら、うーん、と考えるような仕草。
服を着終えれば、ゆっくりと少女の視線が周囲に生える木々の隙間を見上げ。

「これでわかりますかぁ?」

その瞳がある一点で止まる、その次の瞬間。
何かが空から降ってきたかの様にどさっと落ちて来た。
それに続くように、その周りを汚す紅色。
何が落ちて来たのかと目を向ければ、鋭利な刃物で斬られたような傷を負った野鳥。
それにしっかりと目を凝らしていても、何が起きたのかはわからないだろう。

「これ、お礼です、受け取って下さい?
すぐに捌いて焼くと美味しいですよぉ?
それとも、私が捌きましょうかぁ?」

そして、これが当たり前であるかのように平然と言葉を続けるのだった。

クレイグ > 「そうだな、襲う奴は言う前に襲い掛かるだろうな」

苦笑しながら頷き、ワンピースドレスを着なおすのを見届け。

「そうだな…判らない事が判った、かな」

少女の視線の動きは判る、その先を見て居ても何が起こったかは自分には判らない。
ただ落ちてきた野鳥を見るに、今の攻撃は斬撃、早すぎるのか、見えないのかは。
視認できてない以上どちらでも同じだろう。

「折角着替えたんだし、その位は俺が捌こう。
お嬢ちゃんも食べるか?」

そういいながら、右手の籠手の内側から小型のナイフを取り出し、野鳥のを逆さにもって首を落として、血を抜いていく。

「あと、何か困っていたんだろ、何に困っていたんだ?」

そんな事をしながら、最初に言っていた神の思し召しという発言から、何か困ってるのだろうと改めて尋ねる。

> 「はい、私もそう思います。
やっぱり、そんなものですよねぇ?」

ぽんぽんと胸元を、腰辺りを叩いて服を整え。
同意見だったのだろう男性の言葉に笑顔で答える。
わからなかった事に関しても、それがいつもの事なのか仕方ないな、との感じの反応をみせて。

「それはいけません、それは私のお礼なのですから。
私の分も頂けるのでしたら、私の分もちゃんと獲りま…」

ぱっと手を差し出し、そこはぴしっとお断り。
しかし、続ける言葉の途中で聞こえるのは、くぅ…との少女のお腹の虫の音。

「うぅ…すいません、実は私、依頼を終えた帰りで道に迷ってしまいまして。
迷ってから半日近く、流れてた川のお水以外何も口に出来てないんですよぉ。
こうして獲物を狩る事は出来ますし、捌く事も出来るんですが、お料理とか苦手ですし。
ですので、何か恵んで貰おうかなって思っていたんです。
頂ければ、私、一生懸命働きますよ?
戦う事とか、狩りとかなら、どんと任せてくれて大丈夫ですから」

こうなっては正直に伝えるしかない。
ぺたんとその場に座り込めば、ここまでの経緯を説明し。
仕事内容はこれです、と鞄の中の薬草を見せる。

クレイグ > 「そんなもんだな」

少女の意見に同意しつつ。

「礼に俺が貰ったから、俺の意思で分けるのはいいだろ」

そんな屁理屈を言いながら、少女のお腹の音に少し驚いた顔をして。
その困りごとの内容を聞いて。

「料理か、俺もホントに簡単なのしかできないぞ。
精々、塩焼きと食える物を入れて味を調えたスープとか、そんなんで良いか?
あとは、すぐ食べれるのなら、こういうのとかな」

くっくと喉奥で笑いながら、作れるものを言いつつ。
背負っていたバックの横につるされていた布袋を取って、少女の手に持たせる。
中には色々な種類の干したベリーが入っていて、確かに直ぐ食べられそうだ。

「それで、さっき言ったので良ければ作るから、少し此処を離れないか?
飯食うなら魔物の匂いとかしない場所がいいと思うんだが」

再びバッグを背負いなおすお。

> 「うーん、でも、私がお礼で狩った鳥ですから。
でも、お礼に譲った鳥ですから、どうするのかは自由ですし…うーん…」

男性の屁理屈に頭を捻りながらも。

「大丈夫です大丈夫です、私、好き嫌いありませんから何でも食べられますよぉ?
わぁ…はい、これでも大丈夫です」

男性の答えを聞きながら、うんうんと頷いてみせて。
次いで手渡された干した果実に目を輝かせ、じゅるりと垂れそうになる涎を拭きながらそう答える。

「私は別にここでも大丈夫なのですが。
移動が良いなら、移動で良いですよぉ?」

自分も鞄を肩に掛け直し、ちょこちょこと男性の後ろに付いて行く。
これから先に食べられる料理に期待を馳せながら。

クレイグ > 「なんなら、途中でさっきみたいに野鳥を取ってくれても良いしな」

頭をひねる少女にそんな声を掛けて。

「ほかにも干し肉とか豆なんかもあるけど、スープに入れたほうが味も出るしかさ増しになるからな」

とりあえず、風上に少し移動して、火を使えそうな場所を探しだす。

バックパックを降ろして、その中から小型の携帯型のコンロに、それに使うためか、袋に入った炭を取り出して火口から火をつけ。
その上に小鍋を置き、水を入れ干し肉や豆を入れて煮込み始める。

「鳥は、捌くのに時間かかるからな、スープとベリーでしのいでくれ」

他に保存性の高い硬いパンなども取り出して並べていく。
男の背中にあっても大きめに見ぺるバックパックに色々と準備してある様子。

炭を少し掘った地面にいれ火をつけ、鳥の羽を抜いた後で、その身を一度炙り毛の残り等を処理。
内臓をぬいて、バックから出した長めの串で野鳥を丸ごと突き刺し塩を振り、今掘った地面にいれた炭で焼き始める。

慣れているのが判る程度には手際が良く、野鳥を焼きだすころにはスープを固いパンが少女の前にはおかれていた。

> 「うーん…」

その男性の言葉に、きょろきょろと見回す少女ではあるのだが。

「ダメですね、近くに一匹で居る他の鳥は感じられないみたいです。
番で居る時は狩らない方が良いですし、諦めましょう」

何で感じているのかもわからない、そんな意見を男性へと伝える。
そのまま後を付き、風上の適度な場所に。

「私は食べさせて貰うのに我が儘はいいません。
何でも食べます、頂きます」

男性と違い、少女の鞄の中身は換えの服だけ。
道に迷いさえしなければ持った筈なのだけど、これは仕方無い。
待てば食べれるのだから贅沢はいわず。
出来上がるのを後は大人しく待つのだ。
合間を挟む様に準備された、スープとパンを美味しく頂きながら。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からクレイグさんが去りました。