2021/09/17 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にザイケルさんが現れました。
ザイケル > 九頭龍山脈を走る街道の一つ。
そこを進む小さな商隊の護衛として新人の冒険者たちに交じり歩く。
本当は受ける心算のない依頼ではあったが運悪くギルドで捕まり新人の面倒を見るという依頼を押し付けられた結果で。

「後少しで賊が出ない場所だ。周りを気を付けて行けよ」

新人たちに、そして商隊の面々に声をかけては後少しだと気を引き締めさせ。
このまま進めば一夜程度なら休める小屋がある、そこまで行けば今日は休めると知れば足取りも早くなる面々の姿に苦笑を見せ。
警戒が緩んでいる事には仕方がないと突っ込まずに仕方がないかと時折に振り返って誰もはぐれていないかの確認をしながら先頭を歩く。

ザイケル > そうして進んでいけばやがて小屋が見え。
そこで一夜を明かす事となり…

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からザイケルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 薄曇りの空からサァーと音立てて雨が降り出したのは夕暮れ前。
樹々や地面を叩く雨粒の音に鳥や動物が慌てて葉陰や巣へ戻って行く騒めきが暫し混じって、やがて山中には霧がけぶって来る。

糸引くような雨は決して強くはないが、生まれた山特有の霧は白く確実に濃くなって、まるで雲が蟠っているかのよう。それは目を頼りにする生き物には、一休みを余儀なくさせる。

「ふぁ―――…」

その山中、ぱしゃぱしゃと地面にわだかまって来た水を飛沫を上げて駆ける姿がひとつ。
バックパックひとつ背負わず身軽なその影は大きな木陰伝いに暫し掛けて、やがて見つけた崖下に駆け込んで行く。

「――――な――――…はぁ……」

駆けこんだ姿、銅色の肌の女エルフは
ぜいぜいと喘ぎながら膝に手を付き、暫く息を整えてから逃げてきた外の様子を伺う。
庇となる岩肌からは既に小さな滝のように流れが零れだしている。
その向こうに広がる森林は白く幻のように覆われて、更に上、細いながら絶え間なく雫を落とす空は、灰色から黒い色へと所々で色を変えていた。

「…――――――…コレすぐに止みそうにないなあ……」

土砂降りではないが、視界が悪く地上へと戻るには十分に悪天候だ。
日暮れも近いこともあって、今宵はここで夜を明かすことになるかもしれない。
そう思いやったらしい、エルフの顔には何とも言えない渋面が浮かんだ。