2021/09/15 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にダリルさんが現れました。
ダリル > 馬車が近づいてくる音がして、少年は慌てて、街道脇の草叢に飛び込んだ。
襤褸布一枚を辛うじて巻きつけただけの痩せた少年、おまけに革の首輪付きともなれば、
下手に見つかればすぐ、逃亡奴隷として捕縛されかねない。
もしも相手が善良そうに見えたなら、助けを求めることも考えるが、
ひとまずは草叢の陰に隠れてうずくまり、じっと、馬車が近づいてくるのを待つことに。

「――――――だめだな、ありゃ」

早々に気づいた、なんの変哲も無い二頭立ての馬車だが、
馬に鞭打つ御者の顔が、明らかに堅気の人ではなさそうだ。
謝礼金目当てに捕らえられるか、別の街で、どこかの変態に売り飛ばされるか。
どちらにしても、ろくなことにはならなさそうだ。
そう判じれば、少年は更に深く身を沈める。
土煙を蹴立てて駆ける馬車が目の前を行き過ぎ、遠ざかるのを待つつもりで。

ダリル > 駆け抜けていった馬車を見送り、溜め息をひとつ。

出来るだけ早く、孤児院に戻りたいと思っているが、
この分では少しばかり、時間がかかりそうだ、と思う。

ガサゴソと草叢から抜け出して、再び、街道を歩き始める。
夜露をしのぐ手立てがないのだから、ただ、歩き続けるしかなく――――――。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からダリルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にさんが現れました。
> 九頭龍山脈の麓を通る、王都から港湾都市へと繋がる街道。
山賊街道を別名とする、その名の通り賊のよく出没する街道でもある。
当然、そこを通る馬車は安全の為、傭兵なり冒険者なりを雇うもので。
少女もまた、そうした流れで護衛として雇われた一人であった。
もっとも、そうは言っても少女の見た目はとても冒険者とは見られないもので。
紹介状がなければ、簡単に信用なんてされなかっただろう。
今でも、疑わしい眼は向けられていたりもするのだが。

「ふぁ…危なそうな道を通るってお話でしたけど、とっても平和みたいですねぇ?
このまま、何事もなく終わると良いですけど、どうなのでしょう?
あ、後、そろそろお夕飯のお時間ですか?
今日のご飯も、とっても楽しみです」

護衛とは言っても、何も無ければ只の同行者。
馬車の荷台にちょこんと座り、小さく欠伸をしながら横を馬に乗り進む同じ護衛の人を相手にににこにこ笑顔で話し掛ける。
そろそろ日も沈み掛ける時間、街道の脇に馬車を停め、一夜を過ごす頃合で。

> もう暫く街道を進めば少し街道脇に開けた場所があったみたいで。
今日はそこを野営地とするみたいだ。
馬車を停め、必要な者はテントを張ったり、料理の準備に取り掛かったりと各々動き始める。
そうした事は任せ、手の空いた者達は周囲の巡回、後は寛いでいる者達も。

この付近には程好く温泉が湧いたりしているらしい、そうした情報を持っている者が居て。
時間が空いたら行ってみるのも良いか、なんて話も上がっていた。

因みに少女はといえば…
特に何かする訳でなく、ぼーっと寛いでいた。
正しくは、大人しくしてくれれば良い、と言われたから。
理由は初日、料理を手伝って欲しいの頼まれたものの、その結果が凄まじいもので。
何をどうしたらそんな料理が出来上がるのか、そう言われる程のものだったのだ。

「微風が涼しいですねぇ」

そんな状態であろうとも少女は笑顔を絶やさずに、流れる微風に髪を、ワンピースドレスを靡かせながら、のんびりと夜空を眺めていた。